【フラワーC】キタサンシュガーが好走条件満たす! 前走勝ちとレース間隔がポイント
佐藤永記

ⒸSPAIA
近年勝ち馬はその後も重賞戦線で活躍
今週末の3日間開催でトリを飾るフラワーCは近年注目の重賞だ。2年前の勝ち馬アブレイズはメイS勝ちや今年の中山牝馬S2着。3年前の勝ち馬コントラチェックはターコイズS、オーシャンSを勝ち、4年前の勝ち馬カンタービレもローズSを制しており、フラワーC後も重賞戦線で活躍する素質馬が勝利していたことになる。
昨年の勝ち馬はホウオウイクセル。のちのオークス馬ユーバーレーベンを撃破しての劇的な勝利だったが、牝馬三冠路線では桜花賞9着、オークスは状態不安で回避、秋華賞は出遅れ16着と不本意な結果に。復帰が待ち遠しい。いずれにせよ、近年のフラワーCは「実力馬」がしっかり勝つレースである。その要因は何かを探したところ、出走間隔に変化があることがわかった。
2014年にあった外厩の強さが発揮される兆候
フラワーC勝ち馬の前走からのレース間隔を見ると、過去10年の前半と後半で大きく傾向が分かれる。2012年から2017年までは2014年を除き前走から5週以内での出走馬が勝っており、全出走馬の平均でも2014年を除き大体5週となっていた。しかし、2018年から前年までを見ると勝ち馬は7、8、7、10週と、以前と比べて1ヶ月近く間隔をあけた馬が勝利している。全出走馬平均も7週ほどになっており、確実に近年の調整方法が変化している様が分かる。
ちなみに「例外」だった2014年に、この傾向の答えがあった。この年勝ったバウンスシャッセは中10週、2着同着だったパシフィックギャルは中20週だったのだが、この2頭の共通点は生産者がノーザンファームだったということ。今や当たり前となった外厩や牧場での調整がハマりだしていたということだ。ちなみにノーザンファーム産の馬は他に2頭いたが、中2週で12着、中8週で16着だったが前走未勝利と1勝クラスからだった。
つまり、フラワーCは使い続けて勝つレースから間隔をあけて狙って獲りにいかねば勝てない重賞に変化したということだ。結果、その後重賞戦線でも通用するレベルにある馬が勝つようになってきた。改めて今年の登録馬を見てみると、7週以上の間隔をあけているのは7頭。ここから勝ち馬を探してみたい。
前走1着は重要条件
もう1点、このレースで重要なのは前走の「結果」だ。実は昨年のホウオウイクセルは例外となるが、一昨年から8年連続で前走1着馬が勝利している。そして例外のホウオウイクセルもフェアリーS2着と勝ちに準ずる結果だった。今年「中7週以上」「前走1着」を満たしている馬は3頭にまで絞られる。
まずはキタサンシュガーだ。前走が1月23日の新馬、11番手からの追込み勝ちを決めたロマン砲だ。父キタサンブラックで馬主が大野商事、そして生産者がノーザンファームである。2月1日生まれの割にデビューが遅れたが、じっくり育成されていたのだとすれば驚異だろう。
次にシンティレーション。ノーザンファーム生産馬で前走は若竹賞を6番手から抜け出して勝利している。ロードカナロア産駒のため1800mという距離に注意が必要だが、デビューから4戦して3回1800mを使ってきた意欲を買うなら面白い存在だ。
最後はティズグロリアス。昨年10月31日の新馬勝ちからの中20週。天栄帰りとのことで調整がハマっていればといったところ。記事執筆時点では鞍上未定となっているが、新馬時騎乗していたルメール騎手となるのか否かも注目だ。人気が割れるなら、思い切ってこの3頭の単勝をもってみたい。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
《関連記事》
・【阪神大賞典】マカオンドールは万葉S組不振データを破れるか? 安定感ならディープボンド
・【阪神大賞典】ゴールドシップ3連覇にオルフェーヴル「逸走2着」など 存在感放つステイゴールドの血
・【スプリングS】アサヒもアライバルもキケン! 狙うはドーブネ、グランドライン、サトノヘリオス、アルナシームだ