【スプリングS】先週は「外差し有利」の馬場 馬場適性からアサヒ有力も課題はスタート

三木俊幸

スプリングS馬場適正チャート,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ゴール前で差し切るシーンが目立つ

皐月賞出走に向けたトライアルレース、スプリングS(GⅡ・芝1800m)。弥生賞ディープインパクト記念よりも200m短いためマイラー寄りの適性を持つ馬の好走も見られるが、2018年2着だったエポカドーロが皐月賞を制するなど、過去10年で7頭が本番でも3着内に好走している注目の一戦だ。

いつものように先週末の中山芝コースの馬場傾向を分析し、スプリングS出走馬の中で今の馬場に適性が高い馬を見つけていこう。

先週も中間に雨は降らず、水曜日と木曜日の散水のみ。先週末のクッション値は土曜日、日曜日とも9.8、ゴール前含水率は土曜日が10.7%、日曜日が10.9%の良馬場だった。

3/12・13 中山芝コース 3着内馬の脚質,ⒸSPAIA


3着内馬の4角通過順位を見ると、4角先頭だった馬の勝利はなし。4角2〜4番手からは4勝、2着4回、3着4回と好走馬が出た。勝利数では4角8番手より後ろだった馬が5勝と多く、ゴール前で一気に差し切るというシーンが多く見られたが、2・3着には先行馬も踏ん張っていた。

3/12・13 中山芝コース 3着内馬の直線進路,ⒸSPAIA


残り200mでの直線進路も内から5〜7頭目が4勝、8頭目より外も2勝。外を通った馬の勝利が多く、外差しが利く馬場になりつつあるということが見て取れる。

内から2〜4頭目も3勝、2着5回、3着4回という成績が残っており、外一辺倒というわけではなかったが、内を通った先行馬が勝利したレースは全てスローペース。ミドルペース、ハイペースになった5レース全ての1着馬が4角7番手より後ろ。土曜日の12Rシュアーヴアリアが4角7番手から最内を突いて勝利したレースを除く、4レースの勝ち馬が内から6頭目より外だった。以上の点からも総合的には「外差し有利」の馬場だと言っていい。

道悪が残っても問題なし

スプリングS馬場適正チャート,ⒸSPAIA


今週は金曜日から土曜日にかけて雨予報。スプリングS当日は晴れる予報となっているが、雨量次第では雨の影響が少し残る可能性もありそう。そうした点も考慮すると「差し脚質」中心の傾向は変わらないだろう。そこに「道悪適性」も加味して注目馬をピックアップした。

【差し脚質の注目馬】
前走の共同通信杯は5着に敗れたが、実績上位のアサヒ。中山コースの経験は4走前の未勝利戦2着のみだが、出遅れてマクっていく形ながらアスクビクターモア(弥生賞勝ち馬)と0.2秒差だったことを考えると悪くない。馬場適性は高いものの、スタートが不安要素でもある。

アライバルは休み明けとなった京成杯は、直線で弾けず4着。物足りない内容だったが、一叩きされ、200mの距離短縮もプラス。ただし、ベストは広いコースだと見ている。

折り合いに課題があるアルナシームだが、近3走は東京、阪神外回りのレース。インパクトある勝ち方をした新馬戦と同じコーナー4回の1800mという条件替わりは良い。前に壁を作って運べる内枠が欲しいところだ。

サトノヘリオスは2走前のエリカ賞を中団追走からレコード勝ち。中1週で出走したホープフルSでは結果を残せなかったが、立て直された今回は巻き返しがあっていい。

【道悪適性】
前日までの雨の影響が残る可能性もあるため、念のため道悪適性についても考慮したい。アサヒは3走前の未勝利勝ち、前走の共同通信杯が稍重だった。未勝利戦は上がり最速、前走は上がり2位の末脚を使えており、全く問題ないだろう。

ソリタリオは道悪経験がないが、切れる脚は使えないタイプでパワー型。前走のシンザン記念は初めて中団に控える競馬をしたが、最後は勝ち馬にクビ差まで迫る内容で、1800mへの距離延長は問題なさそう。自在性のある脚質、先週末は芝で2勝、2着1回、3着1回と馬場傾向も読めている横山武史騎手への乗り替わりで、上位に評価したい一頭。

ビーアストニッシドは稍重だった前走の共同通信杯で逃げて3着。シンザン記念は中団に控える競馬を試みたが、マイペースに持ち込んで逃げればしぶとい存在。差し有利の馬場だが、先行馬も3着内には好走しているので軽視はできない。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

《関連記事》
【阪神大賞典】マカオンドールは万葉S組不振データを破れるか? 安定感ならディープボンド
【阪神大賞典】ゴールドシップ3連覇にオルフェーヴル「逸走2着」など 存在感放つステイゴールドの血
【スプリングS】アサヒもアライバルもキケン! 狙うはドーブネ、グランドライン、サトノヘリオス、アルナシームだ

おすすめ記事