【フィリーズレビュー】実力差大きいレース、前走GⅠ組を信頼 京大競馬研の本命はナムラクレア

京都大学競馬研究会

フィリーズレビューインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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前走マイル組が圧倒的優勢、1400m組は2勝が絶対条件

3月13日(日)に阪神競馬場でフィリーズレビュー(GⅡ)が行われる。阪神JFから巻き返しを図るナムラクレアやアネゴハダ、キミワクイーンなど15頭が集結。未勝利戦や1勝クラスを勝ったばかりの馬も多く混戦ムードが漂う。桜花賞への切符をつかむのはどの馬か。今回は大多数の馬に当てはまるマイナスデータを軸に、データ上厳しい馬を切っていく形で馬券検討を行う。


過去10年フィリーズレビュー前走別成績,ⒸSPAIA


過去10年のフィリーズレビューにおける前走の距離とレース別成績について、特にマイルとそれ以外の相違に注目して調べた。前走阪神JF組は【2-4-3-19】で複勝率32.1%、複勝回収率は256%と優秀。2014年ニホンピロアンバー、2021年シゲルピンクルビーは阪神JF17着からの大幅な前進を見せたように、阪神JF組は着順に関わらず絶対におさえておきたい。今年の該当馬はナムラクレアとキミワクイーン。

その他の重賞組はクイーンカップから2頭、朝日杯FSから1頭巻き返しを見せており検討の必要があるが、今年は該当馬なし。前走1400m重賞になると8頭走って全滅しており、一転消しの対象になる。スリーパーダは重賞2着の実績があるもののデータ上は厳しい。

前走オープン特別組は、1600m組が【1-0-1-10】、1400m組は【1-1-0-11】。2020年1着エーポスのように前走着外からの巻き返しもあるが、取捨は慎重に行いたい。今年は紅梅Sより2頭参戦しているが、2着だったダークペイジが阪神JF14着馬だったことを考えると当てにしづらいか。

それよりは前走1勝クラス組を優先したい。今年該当馬が多数いる、前走1400mの1勝クラスだった馬は【3-2-3-28】で複勝率は22.2%。馬券内8頭の中で2016年1着のソルヴェイグ以外は前走で連対していた。1勝クラス上位の力がないとここでは通用しないことが分かる。

前走未勝利戦から唯一勝ち星を挙げたノーワンはマイルで勝ち上がっていた。そして多くの分析記事で擦られたデータだが、前走1200m組は【0-0-1-36】と全く走らない。これはスプリンターが桜花賞へ向け、距離不安を押して出走してくるためである。点数を減らすならば無視が賢明だ。


ナムラクレアはハイレベル戦でも堅実、末脚も上位

フィリーズレビュー出走馬分析,ⒸSPAIA


小倉2歳Sの覇者ナムラクレアは持ち時計が1200m、1400mともにメンバー中1位。最速33.9という上がりの脚も使える馬。先行勢多めで、前崩れから末脚の活きる展開になる可能性が高く、断然人気が濃厚だが逆らいづらい。

アネゴハダは阪神JF9着。ダートだった2走前は参考外で、前走は1400mの1勝クラスを快勝。今回と同じ阪神コースであることは好材料で、かつ1勝クラスを勝った馬が(重賞連対を除く)4頭しかいない相手ならば十分実績上位の部類に入る。人気するのは致し方ないか。

キミワクイーンは阪神JFではアネゴハダから更に0.3秒差の10着に敗れている。しかし1400mでは2戦2勝でその際負かした相手は重賞でも好走するなど、条件戦で戦った相手は強力。阪神適性がどうかだが、ここでの巻き返しは期待できる。

短距離で戦ってきた上位人気馬は、1勝クラス突破も怪しい馬と比較すると力差は大きい。人気馬中心だが、予想に反映せざるを得ない。


ナムラクレア、力が二枚上

◎ナムラクレア
阪神JFは中団からジリジリ伸びての5着。マイルは若干長いようで距離短縮はプラス。ファンタジーSで負けたウォーターナビレラも阪神JFで上位に来るなど戦ったレベルも高い。差しも効く阪神の馬場状態や、先行するスプリンターが多いメンバー構成など、展開面で全てが当馬に味方する。賞金上位で叩きの側面は否めないが、ここでは力が二枚は上。頭固定。

◯アネゴハダ
4走前ファンタジーSはナムラクレアと0.9秒差、結果はそのまま阪神JFの着順にも反映されており差は感じる。ただ経験が活きた前走は先行して突き放す快勝で、桜花賞のことは考えずここに全力投球なら2着は可能。先行しすぎるとハイペースに巻き込まれるため中団くらいからの競馬が理想。

▲キミワクイーン
2勝馬、1400mの1勝クラスを勝つ、GⅢでちょい負け、阪神JFは大敗と、アネゴハダと歩んだ戦歴がほぼ同じ。阪神JFの着差を見て印の上では3番手だが、2番手と力差はほとんどない。休んで馬体を増やして来たら評価逆転。

△サブライムアンセム
未勝利脱出まで時間がかかったが、距離短縮有利なこのレースにおいて、マイルを勝てたことに意義がある。勢いで好走しても驚けない。

×ラブリネスオーバー
人気薄で面白いのはこの馬。1400mの勝利実績持ちがほとんどいないため、同距離の1勝クラス連対まで手を広げた。1勝クラス2着でも実績上位の部類に入るため、想定シンガリ人気ならば買ってみたい。

消マイシンフォニー
前走1800mの未勝利戦を好時計で勝つなど能力は見せた。ただマイルに対応出来ていないため大幅距離短縮は不安。過剰人気。

馬券はナムラクレア頭固定の馬連4点、三連単12点で勝負。桜花賞で走るイメージは湧きにくいが、今後スプリント界を賑わせる馬が出てきてほしいものだ。(文:福山)

2022フィリーズレビュー 予想印
◎ナムラクレア
◯アネゴハダ
▲キミワクイーン
△サブライムアンセム
×ラブリネスオーバー

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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