【オーシャンS】昨年から重い中山芝1200m 福島実績が面白いキルロードで一撃狙い

佐藤永記

2022年オーシャンS_カーバンクルSとのタイム比較(過去3年),ⒸSPAIA

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高松宮記念馬を2年連続輩出しているオーシャンS

高松宮記念の前哨戦となるオーシャンSはG3とはいえレベルが高い傾向にあり、注目度の高い重賞だ。一昨年勝ち馬ダノンスマッシュはオーシャンSを制覇する前から重賞3勝、高松宮記念4着があり、制覇後に京王杯SC、セントウルS、香港スプリント、2021年高松宮記念と短距離路線で結果を出し、3年前の勝ち馬モズスーパーフレアは2020年に高松宮記念を勝っている。

ともにオーシャンSを制した「翌年」の高松宮記念を制しているのが面白いところだが、いずれにしても短距離でしっかり結果を出す馬の出世レースだ。一方、昨年勝ち馬のコントラチェックはその後中距離路線に進んで、先週引退となった例外パターンである。

だがしかし、この直近3年を比較するとコントラチェックがその後短距離に活路を見いださなかったヒントがありそうなのだ。

昨年は稍重で1秒時計落ち さらに直前から芝は重く

<過去3年勝ちタイム>
2019年 1.07.1
2020年 1.07.4
2021年 1.08.4(稍重)

昨年は稍重での開催。時計が1秒落ちてしまっている。近年芝コースの状態がよくなってきた影響で、2018年まではほぼ1分8秒台だった決着が19、20年は1秒近く速くなっていたのだが、さすがに良でなければ時計は落ちるということだろう。果たして今年は時計が出る状態なのかを考えたい。

過去3年、オーシャンS開催前までの中山芝1200m、3勝クラス以上の時計推移を見てみると、2019年は1月のカーバンクルSを1.07.0の快速時計で勝ったモズスーパーフレアが連勝した形だが、3勝クラス(当時1600万下)のサンライズSで1.08.0、アクアマリンSで1.08.1を記録するなど、速い芝であったことは間違いない。2020年もカーバンクルSが1.08.4だったものの、サンライズSで1.08.0や、前年末の南総Sで1.07.1を記録しているなど、やはり速い年だった。

対称的に、2021年を見ると3勝クラス(サンライズS、1.09.1)・OP(カーバンクルS、1.09.2)でも1分9秒台となっており、時計の掛かる年だったことが伺える。

では今年はどうだろう。昨年12月の開催ではラピスラズリSで1.07.9、南総Sで1.07.4と好時計が出ていたのだが、1月になってカーバンクルSで1.08.7、サンライズSで1.08.9と、いずれも良馬場にも関わらず約1秒時計が落ちている。どちらもレースのレベルが低かった可能性はあり得るが、他のレースでも特に中山芝の時計が速い感じがない。また、土曜日までの天気予報も微妙なので、今年は昨年同様、1分8秒台の決着になる見込みで予想してみたい。

中山の急坂も相まって後ろが届かない

時計が遅い、重い馬場であれば、昨年は3着まで前々決着。逃げたビアンフェが3着で、2番手並走していたコントラチェック1着、カレンモエが2着だった。一昨年までは3着には後ろからの馬が飛び込んでいたのだが、馬場に中山の急坂も相まって差しのキレは殺されるとみていい。徹底した前残りを狙いたいところだ。

時計を持っている逃げ・先行馬は多くいるが、時計が出やすい小倉での実績を無視し、今年の1月中山同コースで好走できていない馬を除外していくと、候補は案外絞れてくる。

まず狙いたいのはビアンフェ。昨年稍重のオーシャンSを逃げて3着に粘った実績がある。昨年に近いコース条件ならば今年も同様の粘りを期待したい。もう1頭、面白いのはキルロードだ。2走前に福島テレビOPを2番手から抜け出して勝っている。“ミニ中山”ともいえる福島での好走実績は面白い。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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