【チューリップ賞】好走率の高い阪神JF組、決め手は「生まれ月」 反撃誓うウォーターナビレラ

門田光生

チューリップ賞の前走クラス別成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

桜花賞トライアルが開幕

2022年3月5日に阪神競馬場で行われる第29回チューリップ賞。桜花賞に向けて重要なトライアルの1つである。

GⅡに昇格してまだ4年しか経っていないが、GⅢ時代から同じトライアルのGⅡフィリーズレビューより実力馬が集まると定評のあったレース。阪神マイルが舞台というのも変わらないということで、GⅢとGⅡが交ざったデータをそのまま使っても問題なしと判断。

いつも通り2012~2021年の過去10年分の成績を基にして好走パターンを調べていきたい。なお、2021年に1着同着が出ているので、データ上は1着馬が11頭、2着馬は9頭となっている。

ところで、チューリップといえば「赤、白、黄色」の3色が思い浮かぶのだが、実際には品種改良が重ねられて上記の3色だけでなく、もっとたくさん種類がある。基本的な色で、完全体がないのは青色だそうだ。

競馬の枠順もチューリップの色(青色を除く)と似ているということで過去10年の枠順成績を調べてみると、4枠(青)が連対馬なしというわけでなく、ほかの枠からも満遍なく勝ち馬が出ていた。唯一連対馬が出ていないのは2枠。競馬界のチューリップには黒色が存在しないようである。

チューリップ賞出走馬の所属別,ⒸSPAIA


☆所属
自分の勝手な想像で、チューリップ賞は栗東所属馬が圧倒していると思っていたのだが、結果は美浦4勝、栗東7勝。

出走頭数は栗東所属馬が10倍以上も多いことを考えると、美浦所属馬の好走率の高さが際立っている。長距離輸送をしてまで桜花賞と同じ舞台を経験させようとする美浦所属馬の本気度は侮れないということか。

チューリップ賞出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆キャリア
キャリア1戦で挑んできた馬は5頭いて、2着が1回だけ。勝ち馬はすべてキャリア2~5戦。キャリアが6戦を超えると、馬券に絡んだ馬は1頭も出ていない。

チューリップ賞出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
チューリップ賞出走馬の前走,ⒸSPAIA


☆前走クラス、および前走
前走でGⅠを使ってきた馬が8勝、2着2回。連対馬の半分が該当する。このGⅠはすべて阪神JF。ここから直接使ってきた馬は無条件で加点していい。

1勝クラス、オープン、GⅢの中で連対率がいいのはGⅢだが、連対した3頭とも2着。勝ち馬は出ていない。同じく新馬、未勝利経由の馬からも1着馬はいない。阪神JF以外に相性がよさそうなレースは【0-2-0-2】のクイーンSが目立つ程度。

チューリップ賞におけるプラスデータ,ⒸSPAIA
チューリップ賞におけるマイナスデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかに気になったデータを挙げていく。まずレース間隔だが、馬券に絡んだ30頭のうち、中11週以上開いていた馬が20頭。このうちの大半が阪神JF組。中1週以内だとすべて馬券圏外。同様に前走でコンマ9秒以上負けていた馬も全滅。

前走着順は、前走1、2着馬が8勝。2、3着も5回ずつと高確率で圏内争いをしている。前走6着以下だと1勝、2着1回。この2頭とも阪神JF以外のレース経由だから、逆にいえば阪神JF組は前走5着以内がほぼ必須といえる。

前走人気も、前走で1、2番人気に支持されていた馬が12連対(6勝)。最後に誕生月。2月、または4月生まれの馬が9勝、2着7回。その間の3月生まれは【0-0-3-28】。なぜか全く結果が出ていない。

3月生まれは思い切って消し

チューリップ賞の好走・凡走パターンをまとめてみる。まず好走パターンはA「美浦所属馬」B「キャリア2~5戦」C「阪神JF組(5着以内)」D「中11週以上」E「前走1、2着」F「前走1、2番人気」G「2、4月生まれ」。好走率が下がるのはH「キャリア6戦以上」I「中1週以内」J「前走6着以下」K「3月生まれ」となる。

今回の強データはC「阪神JF組(5着以内)」D「中11週以上」。勝ち馬の11頭中8頭が該当し、連対率も優秀。今回の登録馬では3頭が当てはまる。一方、該当するとかなり厳しくなるのがK「3月生まれ」。正直、理由はよく分からないが、【0-0-3-28】と十分なサンプルがあるにもかかわらずこの成績なのだから無視できない。

今回の登録馬で3月生まれは10頭。3着の可能性はあるものの、それも確率的に低く、今回は思い切って10頭とも切ってしまう。ちなみに、この10頭の中には阪神JF勝ちのサークルオブライフと、阪神JFで1番人気(4着)だったナミュールも含まれる。

残った阪神JF上位馬で、3月生まれでないのはウォーターナビレラだけ。今回の本命馬はこれになる。デビューから3連勝して阪神JFで初黒星。そして鞍上は武豊騎手。これは昨年の勝ち馬メイケイエールとほぼ同じ戦績である。

相手も当然ながら3月生まれ以外から。対抗には4つのプラスデータを持つサウンドビバーチェを。勝ち馬11頭中9頭が該当するG「2、4月生まれ」に該当するのは心強い。続いてはステルナティーア。阪神JF7着というのが少し引っかかるが、今回2頭しかいないA「美浦所属馬」で、F「前走2番人気」にも該当。押さえはG「2、4月生まれ」に当てはまるヒンハイとルピナスリードを。

◎ウォーターナビレラ
◯サウンドビバーチェ
▲ステルナティーア
△ピンハイ
×ルピナスリード

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
北の方で大変なことが起こってしまいました。一方、新型コロナは全く収束する気配を見せません。そんな中で、毎週無事に競馬が行われていることに改めて感謝しなくてはいけませんね。

《関連記事》
【弥生賞】2歳王者ドウデュースが中心! 可能性秘める逆転候補はリューベック
【チューリップ賞】好走候補はサークルオブライフ、ウォーターナビレラ、ステルナティーア カギはナミュールの取捨
【オーシャンS】超がつく大混戦! 一歩リードは5歳勢も逆転ならファストフォース

おすすめ記事