【2歳馬ジャッジ】クラウンプライドは2歳ダート路線の中心的存在に! 活躍が期待できる好指数を記録

山崎エリカ

2021年11月1週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA

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2歳ダート界に新星が現れた11月1週目の2歳戦

このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回はファンタジーSを勝利したウォーターナビレラや、東京で行われた京王杯2歳Sを勝利したキングエルメスなどがでた11月6日、7日の2歳戦について、指数と評価を掲載する。

11月6日(土) 東京5R 優勝馬 トーセンリョウ 指数-4 評価A
スタートでやや出遅れたトーセンリョウ。しかし東京芝2000mの内枠を活かしてポジションを上げ、先団直後へ。向正面でも最内から好位まで上がり、最後の直線では前がやや狭かったが、その間を割って突き抜け、結果は2着に2馬身半馬差をつけ快勝。

ラスト2Fは11秒3-11秒5となかなか優秀。トーセンリョウはセレクトセールでは2億2000万円で落札された高額馬だが、最近の2歳新馬戦を見ていると、高額取引馬が期待に応えて新馬勝ちすることが増えたように感じる。

トーセンリョウもスタートでやや後手を踏んでいるロスがあったことから、今回で能力を出し切ったというわけではなさそう。今後も期待ができそうだ。

11月6日(土) 東京11R 優勝馬 キングエルメス 指数-14 評価A
6月札幌の新馬戦ではなかなか優秀な走破タイムで勝利したキングエルメス。しかし、想定された通り、タイムが優秀すぎて、疲れが残り、次走のクローバー賞では1番人気を裏切り、5着に敗退していた。今回はそこから約3カ月ぶりの競馬。新馬戦のタイムから能力が高いことは明らかだったが、疲れが抜けて見事な巻き返しの優勝を決めた。

今回のキングエルメスが記録した指数は先に行われた新潟2歳Sと同等。例年の京王杯2歳Sの水準通りの古馬2勝クラス上位入線レベルにあたる指数だった。これならば今後も勝ったり負けたりしながらトップ級での活躍が期待できると思われたが、キングエルメスは骨折してしまった。今回で記録した指数から、高い能力を持っていることは明らかなので、古馬混合戦になってもオープン級で活躍できるだろう。復帰を待ちたい。

11月7日(日) 東京5R 優勝馬 ドゥラドーレス 指数-3 評価AA
最内枠から出遅れ、後方からの競馬となったドゥラドーレス。そのまま最内を追走して4角~直線半ばまで前が壁。何とか時間をかけて外に出して進路を確保すると、ラスト1Fで一気に前を交わして勝利した。上がり3Fタイムは出走メンバー中、断トツの1位。同日の東京芝の他レースを含めると、2位となる優秀な数字だった。

この馬の母ロカは新馬戦でラスト2F11秒0-11秒0の流れを差し切り勝ち。そのド派手な勝ちっぷりが評価され、1戦1勝馬ながら阪神ジュベナイルFで1番人気に支持された。ロカは新馬戦で見せた素質が開化しきらないまま引退となったが、ドゥラドーレスはどんな成長曲線を描いていくのか、とても興味深い。

11月7日(日) 東京9R 優勝馬 オニャンコポン 指数-9 評価AA
9月中山の新馬戦では4角先頭からラスト2Fを11秒2-11秒1でまとめて勝利するというかなり強い内容だったオニャンコポン。今回のメンバーならば1番人気に支持されるものと思い込んでいたが、実際は4番人気。新馬戦のレース内容が強くとも血統面が地味だった影響かもしれない。

レースは2番手につけて直線半ばで早々に先頭に立ち、そのまま押し切る強い内容の競馬。今回、指数はそこまで高い決着ではなかったが、まだまだ上昇が見込めそうだ。強いけれど人気がない先行タイプの馬は、追いかけて損はない。

11月6日(土) 阪神2R 優勝馬 グッドグロウス 指数-11(ダート) 評価B
デビューから4戦は芝に使われ、2着、3着、4着、6着と勝てないまま着順が下降気味となっていたグッドグロウス。今回は初めてダートに出走となった。スタートで躓いた時には、やはり初ダートで負けてしまうパターンかと思ったが、そこからが速く、逃げるスピードを見せる。直線では独走、結果7馬身差の圧勝だった。

指数は古馬1勝クラス勝ちレベルのもの。初ダートでスタートのロスがありながらこの指数が記録できるなら、今後の現2歳ダート路線で警戒する必要がありそうだ。

11月6日(土) 阪神4R 優勝馬 フェーングロッテン 指数-7 評価B
新馬戦3着、次走2着で今回がデビュー3戦目となったフェーングロッテン。今回は内枠だったこともあり、道中は中団の内でじっくり脚をタメる競馬。ペースが遅いと見た外枠の馬が向正面で動くも同馬は動かず。それが好判断で直線では最後までしっかり伸び、好指数で勝利した。

この週の阪神芝は他の距離の時計は速いが、なぜか芝2000m以上のレースは時計が掛かっており、このレースも走破タイムは2分1秒9と平凡だったが、上がりタイムの掛かるタフな競馬だった。デビュー3戦目でなかなかの好指数勝ちを決めたフェーングロッテン、勝ったり負けたりしながら上を目指す馬になりそうだ。

11月6日(土) 阪神11R 優勝馬 ウォーターナビレラ 指数-14 評価A
デビューから2戦、好位からレースを進めて上がり3Fタイム最速を記録するセンス抜群の競馬をしていたウォーターナビレラ。今回も好位からレースを進めて勝利し、これで3戦3勝となった。指数も古馬2勝クラス上位入線レベルに相当するもの。派手さはないが、一戦ごとに着実に成長、阪神ジュベナイルFでも当然有力となりそうだ。

小倉2歳Sの優勝馬ナムラクレアは前走で目一杯かなと見ていたが、今回も堅実に走った。予想していたよりも底力がある。今後も警戒が必要だろう。成績の良い馬が今回も好成績を残してしまい、隙を見せる結果とならなかった今年のファンタジーS。阪神ジュベナイルFの穴馬探しが難しくなってきた。

11月7(日) 阪神3R 優勝馬 ポッドボレット 指数-7 評価B
新馬戦3着、次走2着だったポッドボレット。今回は外枠で前に壁を作りながら追走はできなかったが、好位で折り合いがついていた。4角内から動いて直線序盤で先頭に立ったタイセイディバインがしぶとく抵抗してきたが、ひと追いごとにしっかり伸びて快勝。未勝利クラスとしてはなかなか優秀な指数を記録した。また、直線で見せた豪快なフットワークには、素質の高さを感じた。勝ったり負けたりしながら、上のクラスでも通用する馬になっていきそうだ。

11月7日(日) 阪神4R 優勝馬 クロデメニル 指数-7(ダート) 評価B
スタートが一番速かったわけではないが、二の脚でハナを奪い、逃げる競馬となったクロデメニル。直線では同馬に並びかけてきたテイエムヒマラヤとの激しい叩き合いとなったが、3着以下には4馬身以上の差をつけて勝利した。強調できる点は、逃げる競馬をしながらラスト2Fを12秒5-12秒5と減速せずにゴールしたこと。なかなか楽しめる馬になりそうだ。

11月7日(日) 阪神5R 優勝馬 ダノンブリザード 指数-5 評価AA
ゲートを出たなり中団でレースを進め、向正面で外に出して先団までポジションを上げて勝ちに行く競馬となったダノンブリザード。4角では早々に先頭に立つ強気な競馬で、そのまま押し切って勝利した。2着馬に3馬身半差。今回の走破タイム、上がりタイムは特筆するものではないが、時計の掛かっていた阪神芝2000mを早め先頭から突き放した競馬は内容が濃い。今後がかなり期待できそうだ。

11月7日(日) 阪神9R 優勝馬 クラウンプライド 指数-22(ダート) 評価AA
新馬戦は折り合いを欠く、ロスのある競馬で圧勝していたクラウンプライドと、デビュー2戦目の初ダート戦を好指数で勝利していたウェルカムニュース。この2頭が後続を引き離して好指数を記録した。

クラウンプライドは古馬3勝クラスでも通用レベルの指数で勝利。ウェルカムニュースは古馬2勝クラス勝ちレベルの指数を記録しながら2着だった。もちの木賞組は後々活躍していることが多いが、この2頭も今後の2歳ダート路線を引っ張っていきそうだ。

2021年11月1週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA


※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)クラウンプライドの指数「-22」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.2秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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