【天皇賞(秋)】今年は同距離GⅠ大阪杯が参考にならない 安定感あるエフフォーリアに期待

佐藤永記

天皇賞(秋)同年大阪杯最上位馬の成績

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大阪杯が晴れていれば……

今年の天皇賞(秋)はちょっぴり困った問題がある。それは同じ2000mのGⅠ・大阪杯の優勝馬レイパパレがいないということだ。同距離のGⅠであるため、大阪杯で活躍した馬が出てくれればとりあえず軸にしておけばいい。

たとえば昨年であれば大阪杯2着だったクロノジェネシスが天皇賞(秋)では3着であった。4年前はキタサンブラックが大阪杯と天皇賞(秋)を両方勝ち、1年で2000mGⅠを連勝している。大阪杯で連対している馬ならば、東京と阪神の違いは多少あれども、大きく違わないよね、となるはずだ。18年スワーヴリチャードは10着に敗れたが、これはスタート後に寄られて大幅な不利を受けたことが大きかった。

だがさらに困ったのは、今年の大阪杯が重馬場だったことだ。大阪杯2着であったモズベッロも36.8という上がりで最速タイ。今週の天気は週間予報を見る限り下り坂ではあるが、日曜東京は雨がしっかり降るまでには至らなさそうである。そもそも参考にしてよいのか? といった感じだ。

こうなると安定感が頼みの綱である。今年のGⅠを勝った馬が2頭出走を予定しているが、ワールドプレミアは3200mの天皇賞(春)の勝ち馬、グランアレグリアは1600mのヴィクトリアマイルの勝ち馬であり、どちらも距離的には離れたGⅠだ。もちろん通用の可能性はあるのだが、安定感で軸を探すとなると他をあたりたい。

距離も東京も問題ないエフフォーリア

となると菊花賞に向かわず天皇賞(秋)を選択した皐月賞馬・エフフォーリアに期待をかけたくなる。皐月賞馬なので当然2000mは大丈夫。ダービー2着もハナ差で紙一重といったものだったため、東京も大丈夫。順調に夏を過ごして成長していればという条件はつくが、安定感といった意味ではこれほど東京2000mの天皇賞(秋)で軸にしやすい馬はいないだろう。

そしてもう1頭はカレンブーケドール「師匠」だ。デビューしてから一度も掲示板を外しておらず、その安定感と2着の多さから一部で師匠の異名がつけられるようになった。私はこれを決して馬鹿にした意味では思っておらず、安定感の鑑といっていい。2年前の秋華賞以来となる2000m戦。このときも2着だった。前走の宝塚記念は4角4番手からそのままゴールした形だったが、2000mへの短縮でキレを増していける期待はある。

エフフォーリアとカレンブーケドール。安定感に期待できる2頭から3連複で流しても、充分な配当は期待できるだろう。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。



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