【天皇賞(秋)】注目“3強”の取捨は? 当日馬体重次第でポタジェ、ヒシイグアスなどにもチャンス

八木遊

2021年天皇賞(秋)の消去法データ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『菊花賞』は、残った6頭からエアサージュに「◎」を打った。単騎逃げからの粘り込みに期待したが、そう甘くはなかった。タイトルホルダーとオーソクレースを真っ先に消していたため、またも完敗。個人的に最も思い入れが強い天皇賞(秋)で挽回したい。

今週も過去10年(11~20年)のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。登録馬16頭から、当てはまった馬を順番に消していく。

『キャリア16戦以上』×『前走4角8番手以下』★0.0%★

最初はキャリアに関わるデータから。このレースは6歳以上(過去10年で【0-0-1-56】)の馬が大苦戦しているように、キャリアは浅い方がいい。キャリア16戦以上の馬は、過去10年でのべ96頭が走り、【5-1-5-85】(複勝率11.5%)という成績。この96頭を前走時の4角位置で分けると、7番手以内での通過なら【5-1-5-51】(同17.7%)。一方、8番手以下は【0-0-0-33】(同0.0%)と1頭も馬券に絡んでいなかった。

今年このデータに当てはまったのは以下の5頭。近走充実のトーセンスーリヤ、GⅠでも好走歴があるモズベッロなどをまず消去する。

【今年の該当馬】
・カデナ
・サンレイポケット
・トーセンスーリヤ
・ムイトオブリガード
・モズベッロ

『関西馬』×『前走時馬体重減 or 増減なし』★4.8%★

続いて東西別のデータを見てみたい。過去10年の関東馬成績は【5-4-4-47】(複勝率21.7%)で、関西馬の【5-6-6-85】(同16.7%)をやや上回っている。関西馬のうち、前走時の馬体重が増えていた馬は【4-3-5-41】(同22.6%)と好走率はアップ。一方、前走時の馬体重がマイナスもしくは増減なしだった馬は、本番で【1-0-1-40】(同4.8%)と苦戦していた。

今年は5頭がこのデータに当てはまったが、うち3頭は最初のデータで消去済み。新たにカイザーミノルとワールドプレミアが対象となった。天皇賞春秋連覇を狙うワールドプレミアは、栗東に帰厩後もしっかり乗り込まれているようだが、いかんせん前走から一気の距離短縮はマイナス。昨年のフィエールマンと同じにおいはするが、ここでは消しとしたい。

【今年の該当馬】
・カイザーミノル
・(カデナ)
・(サンレイポケット)
・(モズベッロ)
・ワールドプレミア

『前走3番人気以下』×『前走時馬体重490kg以上』★6.9%★

続いては前走時の人気順とその時の馬体重の組み合わせから。前走3番人気以下で、490kg以上だった馬はのべ59頭いて、【2-0-2-54】(複勝率6.9%)。過去5年間に限れば【0-0-1-18】(同5.3%)と3着が1度だけだ。

今年は3頭がこれに当てはまった。新たに消去リストに加わったのはペルシアンナイトとユーキャンスマイルの2頭。3つのデータを終えて、16頭中9頭の消去に成功した。

【今年の該当馬】
・ペルシアンナイト
・(ムイトオブリガード)
・ユーキャンスマイル

『前走から馬体重増』×『今回単勝オッズ10.0倍以上』★4.2%★

残る2つは執筆時点(26日)で不確定な要素が含まれるため、あくまでも該当候補としての扱いとなる。4つ目のデータは、当日の馬体重が前走から増加、かつ当日最終の単勝オッズが10.0倍以上という組み合わせだ。過去10年でのべ48頭がこれに該当し、その成績は【0-1-1-46】(複勝率4.2%)。同じ単勝10.0倍以上でも、当日馬体重減か増減なしなら【4-2-4-65】(同13.3%)とまだチャンスはある。当日の馬体重増減と単勝オッズをぎりぎりまで確認して、取捨選択したい。

残っている7頭のうち、3強を除く4頭は当日の最終単勝オッズが10倍以上になるだろう。もし馬体重減なら消去リスト行きとなる。

『母父SS系(ディープインパクト系を除く)』×『今回5~8枠』★5.3%★

最後は血統に注目した。母の父がディープインパクト系を除くサンデーサイレンス(SS)系の馬は過去10年で【3-0-1-32】(複勝率11.1%)とやや苦戦傾向。ただし枠順次第で好走も可能だ。真ん中より内目、1~4枠に収まったときは【2-0-1-14】(同17.6%)と水準以上。一方、5~8枠のときは【1-0-0-18】(同5.4%)と好走率が下がってしまう。

最後のデータは木曜日の枠順発表待ちだが、未消去の馬で可能性が残っているのはエフフォーリアだけ。もし5枠から外に入ったときは消去リストに追加する。

【今年の該当候補】
・エフフォーリア

5つの消去データを経て、確実に残るのは単勝10倍未満が濃厚のグランアレグリアとコントレイルだけになりそうだ。エフフォーリアは枠次第、他の4頭(カレンブーケドール、ヒシイグアス、ポタジェ、ラストドラフト)は、当日オッズと馬体重増減次第となった。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(10月24日時点の回収率は31.9%)。



《関連記事》
【天皇賞(秋)】コントレイル、グランアレグリア、エフフォーリア 三強が挑むそれぞれの偉業、可能性が高いのは?
【天皇賞(秋)】アーモンドアイなど歴戦の名馬が制した一戦!今年は牡馬か?牝馬か?3歳馬か? 歴史を振り返る
【スワンS】このコースは逃げ馬、距離短縮組! 狙ってみたい3歳勢とファーストフォリオ

おすすめ記事