【エンプレス杯回顧】充実ぶりが際立つメモリアカフェ 出遅れるもC.ルメール騎手は能力を信頼、豪脚で差し切る

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
「長い距離だから心配していなかった」
川崎競馬場では上半期の古馬牝馬路線を締めくくる一戦、エンプレス杯(JpnⅡ・ダート2100m)が行われ、C.ルメール騎手が騎乗のメモリアカフェが勝利した。通算では重賞3勝目、前走の兵庫女王盃に続く連勝を飾った。
8頭と少頭数ながら、この路線では実績上位で2走前のクイーン賞ではメモリアカフェに完勝したテンカジョウや、昨年末の名古屋大賞典で重賞初制覇を飾ったアピーリングルック、重賞勝ちこそないが堅実な成績を残すプロミストジーンなどが参戦。2番人気の支持を集めたメモリアカフェにとって、決して楽な相手関係ではなかった。
レースはレイナデアルシーラが逃げ、ラップタイムは6.7-10.8-13.0-14.4-13.6-13.7-14.0-12.0-12.7-13.0-12.2。1周目の3角からスタンド前を通過して向正面に入ったところまで超スローペースを刻み、1300mを通過して2周目に入ったところで一気に2秒もペースが上がったことが見て取れる。
前走に続いてあまり良いスタートを切ることができず、行き脚がつかなかったメモリアカフェは道中後方2番手を追走することとなった。しかし、ルメール騎手は「長い距離だから心配していなかった」と能力を信頼し、焦らずじっくりと構えてレースを進めた。
勝負所の2周目3〜4角では5番手までポジションを押し上げ、直線は大外から伸びてテンカジョウを豪快に差し切り。勝ちタイムは2:16.1での決着となった。
昨年の関東オークスを制しているように川崎2100mというコースへの適性は高いが、それでも、テンカジョウが勝ちパターンに持ち込んだかと思われたところを差し切った点からも着実に地力をつけてきており、充実ぶりがうかがえる。レース上がり37.9のところ36.1でまとめ、瞬発力を見せつけた中身の濃いレースだったと言っていい。
テンカジョウは押し切りを図るも
エンプレス杯連覇を狙った1番人気のテンカジョウは、1馬身差の2着に終わった。ここまでこの路線で重賞4勝という実績があるも、スタートに課題があり勝ちきれないレースもあった。しかし、2走前のクイーン賞はトップハンデ57kgを背負うも久々にスタートを決めて、後続に2馬身半差をつける快勝と、好内容を披露した。
今回もしっかりとゲートを出て道中は3番手を追走。勝負所では自ら動いていって押し切りを図るというレースで自分の競馬はでき、松山弘平騎手も最善の騎乗をした。ただ、スローペースでじっくり構えて、テンカジョウより上がり3Fで1.6秒も速い脚を使われてしまうと、お手上げと言わざるを得ない。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
テンカジョウから遅れること1馬身半差の3着にはレイナデアルシーラが入った。キャリア4勝全てが逃げ切りという自分の形を持っているものの、オープン入りしてからの近3走は思い描いた競馬をさせてもらえなかった。しかし、少頭数で同型不在だったこのレースではすんなりとマイペースに持ち込み、能力は出し切った。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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