【JBC回顧】JBCクラシックはミッキーファイトが3馬身差で完勝 アンモシエラはJBCレディスクラシック連覇達成

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
C.ルメール騎手「またGⅠレベルで良いパフォーマンスができる」
2025年のJBCは船橋競馬場を舞台に3レース、2歳戦においては例年どおり門別競馬場で行われた。メインレースだったJBCクラシック(JpnⅠ・ダート1800m)はC.ルメール騎手騎乗で単勝1.7倍の支持を集めたミッキーファイトが勝利。帝王賞に続き、GⅠ級競走連勝を果たした。
スタートを決めて主導権を握ったのはサントノーレ。12.0-11.3-12.2と速いペースでの入りで、その後は12.7-12.4と少し息が入るペースとなったものの、1000m通過は1:00.6だった。
5番手の外を追走していたミッキーファイトはレース後半に入って徐々に進出を開始して、3角では3番手。4角ではサントノーレを射程圏に入れて先頭へと並びかけていく手応えの良さで、直線に向いたところでは完全に抜け出す。最後まで余裕十分の走りで後続に3馬身差をつける完勝、勝ちタイムは1:52.0(稍重)だった。
前走の帝王賞もハイペースの流れを早め先頭で押し切る強い内容だったが、今回の勝ち方は4歳秋を迎えてさらに充実度を増している印象を受けた。
ルメール騎手もダートで一番レベルの高いレースにも行けるという感触を得るとともに「能力がありますので、またGⅠレベルで良いパフォーマンスができる」と今後について語った。
2着は中団追走から向正面のペースが少し落ち着いたところで自らポジションを押し上げていったメイショウハリオ。そこからさらに5馬身離れた3着には逃げたサントノーレが残った。
何がなんでも逃げるという意思を感じた騎乗が連覇に導く
牝馬限定戦のJBCレディスクラシック(JpnⅠ・ダート1800m)は横山武史騎手が騎乗したアンモシエラが勝利。昨年佐賀競馬場で行われた同レースも制しており連覇達成となった。
前走のレディスプレリュードは勝負どころで失速して勝ち馬から2.3秒差の9着に敗れるなど、牝馬特有の気難しさを覗かせていた。
今回鞍上は「何がなんでも逃げるというつもりで馬にとっては苦しい展開でしたが、敢えて息を入れずに淡々としたペースを刻もうと心がけて騎乗していました」と振り返ったように、スタートしてから1角までの400mで11.9-11.8というラップを刻んで強気にハナを奪う。
オーサムリザルトのマークを受けながらも12.6-12.4-12.3-12.3-12.4とほぼ一定のペースを刻み続け、ラストは13.4-14.2と苦しくなったことが数字からも分かる。
しかし、道中で後続に脚を使わせたことでゴール前はセーフティーリードを保ちながら2馬身半差、勝ちタイム1:53.3で1年ぶりの勝利となった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
テンカジョウは前走ほどではなかったものの、スタートで出遅れて中団のインを追走。向正面で動いていき直線も大外から伸びたが、及ばず2着まで。1番人気のオーサムリザルトは2番手から運んだが、直線は失速してしまい3着に終わった。
笹川翼騎手「自信があった」
JBCスプリント(JpnⅠ・ダート1000m)は大井所属で笹川翼騎手が騎乗したファーンヒルが逃げ切り勝ちを果たした。
快速馬揃いのメンバーの中でまずまずのスタートを決めると、エンテレケイアとの激しい逃げ争いは3角手前まで続き、400mは22.6(11.9-10.7)で通過する。
このレースが初のダート挑戦となったママコチャが4角で外からポジションを押し上げ、徐々にファーンヒルに迫ったが、勝ちタイム58.8で1馬身差をつけてそのまま押し切り。さらに1馬身離れた3着には最内枠からロスなく立ち回ったサンライズアムールが入るという結果に終わった。
ファーンヒルはJRAから移籍した2走前の習志野きらっとスプリントが後続に3馬身差(0.7秒差)をつける快勝で1000mへの適性の高さを披露、前走のアフター5スター賞も2馬身差(0.4秒差)をつけての勝利でいずれも好位から抜け出すという内容。
勢いに乗っての参戦も、笹川騎手はゲートを出てから作戦を決めようと考えていたとのことで「自信があったので、これでだめならしょうがないという気持ちで乗りました」と腹を括った逃げの作戦が功を奏したGⅠ級初制覇となった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
4番手から外に持ち出して差し切り
2歳馬による戦い、JBC2歳優駿(JpnⅢ・ダート1800m)は田口貫太騎手が騎乗したルヴァンスレーヴ産駒のタマモフリージアが勝利した。
前走、10月12日の京都ダート1800mの新馬戦を4番手追走から後続に3馬身半(0.6秒差)で制しての参戦だった。
レースは最内枠からスタートしたシーズザスローンが逃げる展開で2番手にフルールドールが続く。スタートで出遅れたタマモフリージアだったが、巻き返して道中は4番手のインから運ぶ展開となる。
4角でうまく外へと持ち出して直線に向くと、ゴール前は残り50mでフルールドールがわずかに抜け出したかと思われたところ、外からクビ差捉える差し切り。牝馬ながら馬体重504kgという馬体で、最後まで力強い末脚を見せた。勝ちタイムは1:55.5(重)だった。
2番手から運んだフルールドールもゴール前で先行勢が苦しくなる展開の中で、最後まで粘りきった点は評価できる内容。3着に入った地元北海道のアヤサンジョウタロは後方4頭目となる8番手のインを追走、直線で外に進路を切り替えてからは鋭い末脚が目についた。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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