【ダイオライト記念】力の違いを見せたセラフィックコール 「距離は問題なかった」B.ムルザバエフ騎手は気性面の成長を実感
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
チークピーシーズ着用で挑んだ一戦
今年から4月開催となった川崎記念、5月の名古屋グランプリ、そして6月の帝王賞へと繋がる注目の一戦、ダイオライト記念(JpnⅡ・ダート2400m)はB.ムルザバエフ騎手騎乗の1番人気セラフィックコールが勝利した。
不良馬場で行われたレースは好スタートからエルデュクラージュが先頭に立つが、1周目の4角でテリオスベルがポジションを押し上げていき、前半1000mを1:01.9(12.8-12.0-12.6-12.3-12.2)で通過したところで主導権を奪った。前走チャンピオンズCでキャリア初の黒星を喫し、今回はチークピーシーズ着用で挑んだセラフィックコールは、前3頭から離れた4番手を追走した。
2周目に入ってもテリオスベルはペースを極端に落とすことなく、向正面に差しかかった残り1000m地点から12.8-12.7というラップを刻み3角では後続を引き離す勢い。同じタイミングでセラフィックコールのムルザバエフ騎手の手も動き、4角では前を射程圏に入れ、最後の直線では外へと持ち出した。セラフィックコールは残り200mで苦しくなったテリオスベルを捉えると、ムルザバエフ騎手の右ムチに応えて力強く伸び、勝ちタイム2:33.9、4馬身差の完勝で力の違いを見せた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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2着テリオスベルは今回も自分の形に持ち込みしぶとさを見せた。2番人気ハギノアレグリアスは道中3番手追走から2周目3角で2番手にポジションを上げて前を追ったが、距離が長かったのか直線では苦しくなりテリオスベルから3馬身離された3着だった。
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ムルザバエフ騎手はデビュー時から素質を評価
セラフィックコールは近2走4角11番手以下だっただけに、どの程度の位置が取れるか注目されたが、今回は道中4番手。2400mという距離と前半からペースが流れて隊列が縦長になったことがポジションキープできた要因だったと言える。
騎乗したムルザバエフ騎手は「今回は距離が長かったですが、問題なく走り切ってくれましたし、新馬戦の時からこの馬は重賞級だと言っていたのを証明できてよかったです」と振り返った。
また8馬身差をつけて勝利した新馬戦以来2度目の騎乗となったが、新馬戦と比較して「ナイターということで物見をしたり、幼い部分は見せていましたが、競馬ではそういうところは見せずしっかり走り切ってくれました」と成長を感じたとのことだった。まだ4歳という年齢からもこの勝利を皮切りに重賞、そしてGⅠの舞台での活躍を期待したい。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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