【東京大賞典予想】メイショウハリオが得意の舞台で巻き返す
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今年のダート競馬の総決算
東京大賞典(ダート2000m・GⅠ)が2022年12月29日(木)に大井競馬場で開催される。このレース4連覇と圧倒的な強さを誇っていたオメガパフュームが引退。今年は拮抗したムードだが、6月に同じ舞台の帝王賞でJpnⅠ制覇を果たしたメイショウハリオをはじめ、7月のジャパンダートダービーを制したノットゥルノ、さらに5月のかしわ記念で牡馬を撃破したショウナンナデシコ、地方馬ではJpnⅠで2勝をマークしているカジノフォンテン、重賞連勝で勢いに乗るライトウォーリアなど、年の瀬の大一番にJRAと地方から実績馬が集結した。過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す。
人気別では1番人気が【4-3-2-1】と信頼度は高い。2番人気は【2-3-2-3】、3番人気は【3-2-2-3】で、ともに連対率で50%をマーク。連対馬20頭中17頭が3番人気以内と人気馬が上位を占めている。
所属はJRAが全10勝を含む連対馬18頭(栗東16、美浦2)と圧倒的に有利。地方馬は2019年のノンコノユメ(大井)と2020年のカジノフォンテン(船橋)が2着に食い込んでいた。
年齢は4歳馬が6連対で勝率がトップ。5歳馬が3勝を含む4連対で勝率13.6%と高く、7歳馬が5連対で連対率21.7%と好成績。以下は6歳馬が3連対、3歳馬が2連対だった。
実績面は連対馬14頭がダートのGⅠ(JpnⅠ)勝ち馬で、残る6頭中3頭にはダートのGⅠ(JpnⅠ)で3着以内の実績があった。JRA所属の連対馬18頭は前走がGⅠ(JpnⅠ)、地方所属の2頭はそれぞれ勝島王冠で連対していた。脚質別の連対数は【逃げ2先行11差し6追込1】と、好位で立ち回れる馬が活躍している。
真の砂王者を襲名する
◎メイショウハリオ
栗東所属の5歳馬で、6月に帝王賞を勝利。テーオーケインズやオメガパフュームなど実力馬を撃破してJpnⅠのタイトルを奪取した。前走のJBCクラシック(盛岡)は5着に敗れたが、休み明けに加えて不得意な左回りが影響した印象。全7勝中6勝をマークしている右回りに替わるのは好材料で、1度使われた上積みも見込める。帝王賞でコース適性は証明しており、データにも合致している点は心強い。自慢の爆発力を繰り出して真のダート王に輝く。
◯ノットゥルノ
7月のジャパンダートダービーを制して3歳ダート王に輝いた。日本テレビ盃(7着)、チャンピオンズカップ(8着)と、秋2戦はともに左回りで好結果が出ていないが、右回りのダートは【3-2-0-0】と高い適性を誇っている。過去10年で3歳馬の優勝はオメガパフュームだけでデータ面はマイナスだが、栄冠をつかんだ舞台に替われば古馬を負かしてもおかしくないだろう。
▲サンライズホープ
GⅠ(JpnⅠ)勝ちこそないが、前走のチャンピオンズカップは最後方から外々を回って0秒7差の6着まで押し上げ、2走前のみやこステークスではオメガパフュームを撃破している能力の持ち主だ。初めての大井遠征だが、500キロを超える馬格から力が要る地方の馬場は合いそう。5歳馬は勝率で高い数字を出しており、好位で流れに乗った競馬ができれば勝機は十分にあるだろう。
ほか、ショウナンナデシコは今年5月のかしわ記念で一線級の牡馬を負かし、JpnⅠのタイトルを手にした。2000年のファストフレンド以来、牝馬の勝利はないが、差のないメンバー構成なら上位をにぎわしても不思議ではない。ライトウォーリアは埼玉新聞栄冠賞、勝島王冠と重賞を連勝。地方所属の連対馬に共通するデータ、勝島王冠の連対を満たしており、今の充実ぶりならJRA勢を脅かす存在になるだろう。JpnⅠで2勝のカジノフォンテンは休み明けを使った上積みが見込める。リズム良く先行できれば一昨年2着の再現も十分に可能だ。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。
近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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