【帝王賞予想】1番人気が意外に勝てない 交流重賞巧者・クリンチャーと森泰斗に期待

2022-06-29 06:00:41SPAIA編集部 鈴木佑也
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今年は少頭数

2022年6月29日に大井競馬場で帝王賞が行われる。今年は出走9頭、うち7頭が中央勢、残る2頭が元中央馬というメンバー構成になった。

前年覇者のテーオーケインズを筆頭に、オメガパフューム、チュウワウィザード、クリンチャーなど、この路線でおなじみの顔ぶれがそろった一戦。過去の傾向も見ながら予想していこう。

意外に荒れる?

帝王賞、過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA



メンバー間の実力差が大きく、「事実上の」少頭数戦になりやすい中距離のJpnⅠでありながら、直近の5年間、勝ち馬の単勝人気は6,2,3,2,4番人気。1番人気は過去10年で【1-6-1-2】、連軸としては信頼できるが、優勝は2015年の1回だけ。この年は2番人気のGⅢ・3勝馬クリノスターオーを、単勝1.5倍、当時のGⅠ・8勝馬(JpnⅠ含む)のホッコータルマエが迎え撃つ構図だった。

裏を返せば、このくらい格の違いがなければ、1番人気は意外に勝てないということでもある。有力馬がドバイ遠征帰りだったり、4歳馬(【5-3-1-12】。中央馬に限ると【5-3-0-4】)が力をつけてくる時期にあたったり、原因は年によりさまざまだが、勢力図に変動がある可能性は意識したい。ちなみに、昨年は4→10→6番人気の決着で3連単238万円の波乱となった。

また、レース創設以降、帝王賞を2勝した馬はチヤンピオンスター(1988・91年)、フリオーソ(2008・10年)、ホッコータルマエ(2013・15年)がいるものの、連覇を達成した馬はいない。おそらく1番人気になるであろう前年覇者・テーオーケインズにとっては気になるデータだ。



地方での安定感を評価

本命はクリンチャー。先行すればめっぽうしぶとい反面、器用さに欠けるのがウィークポイント。そのためスピードや立ち回りの巧さが求められる中央のレースでは今一つだが、交流重賞では【3-1-1-0】。実質、少頭数での争いになりやすい交流の競馬は合う。そして今回は9頭立てで外枠。先行策が容易にとれるだろう。

昨年の東京大賞典はオメガパフュームと半馬身差の2着に敗れたものの、ラスト2F11.9-12.4という上がり勝負は決してこの馬が好む展開ではない。道中で自らペースを引き上げていき、最後の直線をバテ合いに持ち込めれば逆転があってもいい。南関リーディング・森泰斗騎手の手腕に期待する。

対抗はテーオーケインズ。3歳暮れの東京大賞典で0.2差の6着と健闘すると、それ以降は【5-0-0-2】とメキメキ実力をつけた。この間、負けたのは初海外だったサウジCと、小回りの金沢で痛恨の出遅れがあったJBCクラシックのみ。大崩れは考えにくいが、比較的上がりの速い競馬で勝ってきた馬であり、消耗戦になった際の対応には未知の面が残る。

3番手はオメガパフューム。昨年のこのレースは状態面がいまひとつの上、4コーナーで外を回されすぎた。大井【5-3-0-1】という圧倒的なコース実績は頼もしい。ただし、ゲートがそこまで速いタイプではなく、この枠だと一旦下げてから外に切り替えるロスはありそう。

穴で抑えたいのはスワーヴアラミス。中山、函館、中京という小回り系のコースで重賞を勝っているが、それが不思議なくらい、とにかくズブい。初コースとなるが、大箱の2000mに距離延長するのはプラス材料だろう。

以下、昨年秋からの成長著しいメイショウハリオにも印を回す。

人気馬で1頭切るならチュウワウィザードか。左回りではドバイワールドカップで2度の好走、川崎記念2勝、チャンピオンズC、浦和のJBCクラシック勝ちなど輝かしい戦績を残すが、右回りでは直近5走2,3,3,6,3着と一枚劣る。昨年もドバイ遠征明けでこのレース大敗を喫しており、遠征の反動も心配だ。

10歳でなお健在のノンコノユメだが、前走の大井記念(2着)は残り5Fから12.1-12.1と刻んでいく、この馬向きのロングスパート戦。そのなかで3~4コーナーは内に潜り、直線入り口で一気に外へ持ち出した真島大輔騎手の騎乗があまりにも完璧であった。相手強化で前走以上の結果までは、さすがに望みにくいのではないか。

▽帝王賞予想▽
◎クリンチャー
◯テーオーケインズ
▲オメガパフューム
△スワーヴアラミス
×メイショウハリオ


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