【全日本2歳優駿回顧】ドライスタウトが圧巻の走りでレコードV シニスターミニスター産駒は今年GⅠ級レース3勝目
ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)
従来のレコードを0.8秒上回る1:39.2
川崎競馬場では砂の2歳王者を決める一戦、全日本2歳優駿(JpnⅠ・ダート1600m)が行われ、戸崎圭太騎手騎乗の1番人気ドライスタウトが勝利。勝ちタイム1:39.2(稍重)は2009年にラブミーチャンがマークしたタイムを0.8秒上回るレコードだった。
外枠勢がごちゃつく形となったスタートだったが、10番枠からスタートしたドライスタウトはギリギリ巻き込まれず。12.2-11.5-12.9-13.6(50.2)とゆったりとしたペースで逃げたカイカノキセキをピッタリとマークして2番手からレースを進める。
4角手前で苦しくなったカイカノキセキを馬なりのまま交わし、先頭へ。直線は後続を全く寄せ付けず、最後は余裕十分の圧巻の走りを見せつけた。
2馬身半差の2着には道中5番手からレースを進めたコンバスチョン、さらにそこから5馬身離れた3着には地元南関東のプライルードが入るという結果に終わった。
一口19,800円
ドライスタウトは父シニスターミニスター、母は現役時にJRAのダート短距離で3勝をあげたマストバイアイテムという血統で、日高・下河辺牧場の生産。シニスターミニスター産駒は、帝王賞とチャンピオンズCを制したテーオーケインズに続いて今年のGⅠ級レース3勝目と大活躍の1年となった。
またドライスタウト自身に目を向けると、YGGオーナーズクラブで総額1,980万円(1,000口)、1口あたりの金額は19,800円という非常にお手頃価格で募集された馬。そこから3連勝でのGⅠ級レースの制覇はまさに「夢」であり「これぞ一口馬主の醍醐味」を感じられるもの。
今日の走りは大物感溢れるものであり、大きな舞台でもさらなる活躍が見込めそう。出資している方たちに、そして競馬ファンに大きな夢を与えてくれる走りを期待するとともに、馬名の由来でもある黒ビールで祝杯をあげられる機会が多く訪れることを願いたい。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。
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