【ファンタジーS】7F戦だけど6F戦? "最も荒れる"2歳短距離重賞はスプリンターを狙え
逆瀬川龍之介
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キーワードは「スプリント」
最も荒れる重賞といっても過言ではない。それぐらい近年のファンタジーSは波乱が目立つ。一昨年のリバーラ、昨年のカルチャーデイと2年連続で2桁人気馬が勝利。特に昨年は2着が9番人気、3着が12番人気で、3連単は230万円超えの超高配当の馬券となった。同じ2歳牝馬限定の重賞でも、本命決着が多いアルテミスSとは全く性質の異なるレースといえるだろう。
では、馬券は見送るのが正解かというと、決してそんなことはない。いや、それどころか積極的に手を出したいレースといえる。高額配当を仕留めるためのキーワードは「スプリント」。近10年(阪神開催の20~22年を含む)の前走距離別の成績を見てみよう。
<ファンタジーS 前走距離別成績>
1400m未満【5-3-2-39】
勝率10.2%/複勝率20.4%/単回収率497%/複回収率139%
1400m【1-4-4-41】
勝率2.0%/複勝率18.0%/単回収率27%/複回収率71%
1400m超【4-3-4-17】
勝率14.3%/複勝率39.3%/単回収率65%/複回収率87%
※過去10年。20~22年の阪神開催を含む
勝率や複勝率では前走1500m以上の距離短縮組が優位だが、回収率は低い。これは馬券に絡んだ11頭中、実に10頭が5番人気以内だったため。つまり、距離短縮組は穴狙いに適さない。
一方、距離延長組は安定感こそないが、回収率が単勝で497%、複勝で139%と優秀。実は一昨年の勝ち馬と2着馬、さらには昨年の馬券圏内3頭も全て延長組だったので、要注意といえる。
もう一つの注目点は血統だ。マイル戦よりもスプリント戦での実績が問われるからか、現役時代に高松宮記念orスプリンターズSを制した種牡馬の産駒が頑張っている。同じく近10年で見ると、キンシャサノキセキ産駒が【2-0-1-4】、ファインニードル産駒【1-0-0-1】やビッグアーサー産駒【0-1-0-1】などが連対馬を送り出している。
なぜかロードカナロア産駒は【0-0-0-6】と不振だが、スプリンターの産駒が走りやすいレースであることは間違いない。
では、今年の登録馬を見てみよう。
<前走が1200mの登録馬>
・オイランブチ(父タワーオブロンドン)
・カルプスペルシュ(父シュヴァルグラン)
・カワキタマナレア(父ヘニーヒューズ)
・タマモティーカップ(父デクラレーションオブウォー)
・ニシノクードクール(父ホークビル)
・ハイファイスピード(父ビッグアーサー)
・ベルビースタローン(父ストロングリターン)
・モズナナスター(父モズアスコット)
上記8頭が前走1200mで、このなかで父が芝スプリントGⅠを制しているのはオイランブチ、ハイファイスピードの2頭だ。また、前走は1400mだが、1200mで勝ち鞍があり、かつ父がスプリントGⅠ覇者のスリールミニョン(父ミスターメロディ)も無視できない存在となる。
最後にオススメの馬券だ。まずはオイランブチ、ハイファイスピード、スリールミニョンの単勝を3点。さらには馬連&ワイドの3頭ボックスもしっかり買う。馬連的中なら相当な払い戻しが期待できそうだ。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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