【宝塚記念】ローシャムパークが「所属」、「年齢」など好データに合致 大阪杯2着から上半期の頂点へ

門田光生

宝塚記念の年齢別成績(過去15年),ⒸSPAIA

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「美浦所属馬」「5歳馬」が有力

2024年6月23日に第65回宝塚記念が、2006年以来となる京都競馬場で開催される。2006年の宝塚記念を振り返ると、ディープインパクトが単勝1.1倍の断然人気に応えて優勝。2着馬のナリタセンチュリーを見てピンとこなかったので、恐らく私は馬券を外したのだろう。

それはともかく、久しぶりの京都開催ということで、何かと話題になりそうな今年の宝塚記念。果たしてどんな傾向が出ているのか、過去15年の成績を基にして検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬が5勝(9連対)、栗東所属馬が10勝(20連対)。2018年に香港所属馬ワーザーが2着している。勝率、連対率ともに美浦所属馬の方が上で、近5年だとその差がさらに広がっている。

宝塚記念出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牡馬、セン馬が11勝(22連対)、牝馬が4勝(8連対)。勝率、連対率、複勝率では牝馬が上回っている。特に、牝馬の複勝率は4割を超えており、馬券に絡む確率がかなり高い。

宝塚記念出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
勝ち馬が出ているのは4~6歳。全15勝中14勝を4、5歳馬が占めている。この2世代を比較すると、勝率、連対率、複勝率といずれも4歳馬より5歳馬が上なので、年齢のデータは5歳馬が中心としたい。7歳以上(41頭が該当)で馬券に絡んだのは、2018年の2着馬ワーザーだけだ。

宝塚記念出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
勝ち馬が出ているのは前走がオープン、重賞、そして海外組。重賞の中でも、前走GⅠ組が8勝、2着7回。連対馬の半分を占めている。オープン経由で連対したのは、2010年の勝ち馬ナカヤマフェスタだけ。海外からの帰国初戦という馬も多く、2019年リスグラシュー(香港)、2021年クロノジェネシス(ドバイ)、2023年イクイノックス(ドバイ)の3頭が勝っている。3頭が勝ったのはここ5年でのことで、近年のトレンドといえるだろう。

宝塚記念出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
今回はドバイ帰りの馬が2頭登録していて、ドバイシーマクラシック(ドバイSC)が【2-1-2-6】、ドバイターフが【0-0-0-2】となっている。国内組では、6頭の勝ち馬を出している天皇賞(春)、4頭の連対馬を出している大阪杯が有力。大阪杯は、GⅡ時代は1頭も馬券に絡んでいなかったので、GⅠに昇格して出走馬の質が上がったのだろう。

宝塚記念出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
ここでは顕著な傾向は見られなかった。ただ、美浦所属馬に限れば、前走2着以内は【4-2-0-8】で連対率は4割を超える。

宝塚記念出走馬の前走着順(美浦所属馬),ⒸSPAIA


☆前走人気
前走3番人気以内だった馬が17連対で、10番人気以下だと連対馬なし(前走海外は除く)。美浦所属馬の勝ち馬4頭は前走3番人気以内で、4番人気以下から勝ち馬は出ていない。

宝塚記念出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走着差
前走1着馬は45頭いる。前走コンマ2秒以内で勝った馬は0勝、コンマ3秒以上で勝った馬が3勝(前走海外の一部を除く)。前走で負けた馬はコンマ5秒差以内の馬が8勝、2着5回。1.2秒以上の差で負けた馬は1勝、2着なし(今回は前走海外を除けば該当馬なし)。牝馬に限ると、コンマ2秒差以内で負けた馬は【3-1-0-1】。サンプル数は少ないが、勝率6割、連対率8割は特筆すべき数字だろう。

宝塚記念出走馬の前走着差,ⒸSPAIA


☆前走馬体重
これも牝馬に限ったデータになるが、前走馬体重が462kg以上だった馬で、連対したケースはない(前走海外の一部は除く)。

宝塚記念出走馬の前走馬体重(牝馬),ⒸSPAIA


唯一の牝馬は割引データに該当

宝塚記念のデータをまとめてみよう。

【好走データ】
A「美浦所属」
B「牝馬」
C「5歳」
D「前走がドバイSC、天皇賞(春)、大阪杯」
E「前走2着以内(美浦所属馬)」
F「前走3番人気以内」
G「牝馬でコンマ2秒差以内の負け」

【勝ち馬なし】
H「前走4番人気以下(美浦所属馬)」

【連対なし】
I「日本馬で7歳以上」
J「前走10番人気以下」
K「牝馬で前走馬体重が462kg以上」

今年の登録馬は13頭で、牝馬はルージュエヴァイユだけ。牡馬より馬券に絡む確率が高いだけに、まずはこの馬から見ていこう。7つあるプラスデータのうち、ABCDGを満たしており、これはローシャムパークと並んで最多。ただし、マイナスデータも多い。

該当しているJ「前走10番人気以下」とK「牝馬で前走馬体重が462kg以上」は、どちらも連対馬が出ていないデータ。プラスデータのG「牝馬でコンマ2秒差以内の負け」は【3-1-0-1】と強いデータだが、唯一着外になった2014年メイショウマンボもK「牝馬で前走馬体重が462kg以上」に引っかかっていた。データ的に注目の高い牝馬で、しかも紅一点。後ろ髪を引かれる思いだが、今回はノーマークとしたい。

となると、最多のプラスデータを5つ持つもう1頭、ローシャムパーク(ACDEF)が最有力となる。2019年キセキ(2着)、2020年クロノジェネシス(1着)も、大阪杯2着からの参戦だった。

続いて、ローシャムパークに次ぐプラスデータ(ACEF)を持つシュトルーヴェ。マイナスデータもなく、これが対抗でいいだろう。2016年マリアライト以来となる目黒記念組から勝ち馬が出るかに注目だ。ジャスティンパレスは近3年で2頭の勝ち馬を出しているドバイSC組というのが強調材料。何らかの形で馬券に絡むことが多い天皇賞(春)組は、ディープボンドとブローザホーンの2頭が参戦。ディープボンドは年齢の項目(日本馬で7歳以上は連対なし)に引っかかるので、プラスデータ2つ、マイナスデータなしのブローザホーンを最後に付け加えたい。

◎ローシャムパーク
◯シュトルーヴェ
▲ジャスティンパレス
△ブローザホーン

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
個人的に一番印象に残っている宝塚記念は、メイショウドトウ、テイエムオペラオーで決着した2001年。逃げれば最強と思っていた、3着馬のホットシークレットの単勝と馬連に、過去最高金額を突っ込んだのを覚えています。覚えているというか、忘れられない間違いですね。自分の形に持ち込めたときは「こりゃ、やった!」と小躍りしたのですが……。

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