【日本ダービー】ジャスティンミラノは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

2024年、日本ダービーの消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

オークスは当日人気で3頭が脱落し、残ったクイーンズウォーク、チェルヴィニア、ライトバック、ステレンボッシュの3連複ボックスで勝負した。結果は見事に1-4着独占で的中。堅いが4点で16.9倍なら大満足といえよう。日本に4連複があればもっとよかったところだ。

今週は5月26日に東京競馬場で行われる日本ダービーを予想する。過去10年のデータから複勝率10%未満の凡走データを5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去する。登録馬のうち、東京ダービーに回るサトノエピックを除いた18頭を対象とする。

『前走皐月賞』×『前走9着以下』 ★0.0%★

まずは第一冠にしてダービーの「最有力ステップ」でもある皐月賞組から。同組に関する凡走データは色々存在するが、今回はもっともシンプルな「前走9着以下」【0-0-0-31】を採用する。ダービーで好走するためのデッドラインは8着以内。素直すぎて怖いくらいのデータだ。

今年は5頭が消去となった。毎日杯の勝ちっぷりで一躍評価を高めたメイショウタバルだが、前走は1000m通過57.5秒で暴走してしまった。あのレースぶりからさらに距離が延びていいはずもなく、消しが妥当だろう。

【今年の該当馬】
・サンライズアース
・サンライズジパング
・ビザンチンドリーム
・ミスタージーティー
・メイショウタバル

『前走皐月賞以外』×『前走4番人気以下』 ★0.0%★

今度は逆に「皐月賞以外」から来る馬をふるいにかける。そもそも、前走が皐月賞でなかった馬は【2-1-4-78】(複勝率8.2%)と確率的によろしくない。ちらほら出る好走馬はいずれも前走3番人気以内で、同4番人気以下なら【0-0-0-39】。馬券に絡んだ馬がいない。

この項目では3頭が脱落した。京都新聞杯を勝ったジューンテイクも前走はやや手薄な相手関係に恵まれ、初角で他馬が膨れるアクシデントを尻目に自身はインの好位で完璧に立ち回れた。強力な皐月賞組と合流する今回は厳しいと見る。

【今年の該当馬】
・ゴンバデカーブース
・ショウナンラプンタ
・ジューンテイク

『前走上がり6位以下』×『前走4角4番手以下』 ★2.0%★

3つ目はどのレースかを問わず、前走時の末脚に注目。前走上がり6位以下だった馬は【0-1-3-72】(複勝率5.3%)と大苦戦している。先週のオークスと似ているが、青葉賞組を除いてほぼ距離延長となること、直線の長い東京コースを使用することから、終いの脚がとにかく重要だ。

しかも、上記のうち前走4角4番手以下だった馬は【0-0-1-50】(複勝率2.0%)。要するに「前でガンガン運んだわけでもないのに上がりが目立たなかった馬」はNGということだ。

新たに3頭が消去となる。ジャスティンミラノがここで退場だ。先行策から位置取りの利を得て勝った皐月賞馬といえば、ロゴタイプ、アルアイン、サートゥルナーリア、ジオグリフなどダービーで馬券圏外に沈んだ例も少なくない。消して勝負する価値はある。

【今年の該当馬】
・(サンライズアース)
・(サンライズジパング)
・ジャスティンミラノ
・シュガークン
・シンエンペラー
・(ビザンチンドリーム)
・(ミスタージーティー)

『4月以降生まれ』×『父・非サンデーサイレンス系』 ★0.0%★

続いては生まれ月のデータを。一般的に2歳~3歳春の重賞は「早生まれ」の馬が有利とされるが、このダービーもその傾向が見られる。4月以降に生まれた馬は【3-2-2-50】(複勝率12.3%)で、1~3月生まれ【7-8-8-98】(同19.0%)に対して見劣る。また遅生まれのうち、父がサンデーサイレンス系でなかった場合【0-0-0-22】と不振。4つ目はこれを採用する。

既に消去されたシンエンペラーに加え、ダノンデサイルがこれに当てはまった。皐月賞が競走除外のため「前走◯◯」系のデータをかいくぐってきたが、遅生まれと血統のマイナスデータからあえなく消去となる。

【今年の該当馬】
・(シンエンペラー)
・ダノンデサイル

『キャリア4戦以下』×『当日5番人気以下』 ★0.0%★

4つの項目を終えた時点で残っているのは6頭。最後はキャリアと当日の人気を絡めたデータを紹介しよう。

「キャリア4戦以下」でダービーを迎えた馬が「当日5番人気以下」だと【0-0-0-27】と全滅している。少ないキャリア……言い換えれば“とんとん拍子”でダービーにたどり着いた馬は戦績のキレイさから人気になりやすい。にもかかわらず上位人気に推されない馬は、やはりどこか足りない部分があるのだと推測される。

6頭のうち、キャリア4戦以下でここまで来たのは以下の4頭。ただしアーバンシックとレガレイラは4番人気以内(=消去回避)になる可能性が高い。シックスペンスとダノンエアズロックはともにギリギリのラインとなるが、ジャスティンミラノの1番人気も間違いないだろうから、回避馬でも出ない限り両方とも残るパターンはない。

【今年の該当候補】
・アーバンシック
・シックスペンス
・ダノンエアズロック
・レガレイラ

全ての条件を終えて消去を確実に免れたのはエコロヴァルツ、コスモキュランダの2頭。あとは人気次第だが、レガレイラとアーバンシックが残り、最後ひと枠がシックスペンスorダノンエアズロックといった陣容になりそうだ。

ジャスティンミラノを除く上位人気馬、別路線の有力馬、皐月賞上位馬、皐月賞上がり最速馬というラインナップ。まさに「ジャスティンミラノ包囲網」と呼ぶのがふさわしい。

馬券は残った馬の馬連と3連複ボックスにしよう。とにもかくにも「皐月賞馬消し」の勝負手がダービーの命運を握る。包囲網が機能してくれることを祈る。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴13年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮崎敏郎。

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