【七夕賞】「ハンデ58キロ」「小差負け」はむしろ追い風? フェーングロッテンに好データ集まる
門田光生
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「7」絡みの好データは果たしてあるのか?
2023年7月9日に福島競馬場で行われる第59回七夕賞。今年も織姫賞、彦星賞、そして天の川賞がセットで組まれている。織姫賞を牝馬限定で行うのなら、彦星賞は牡馬(セン馬含む)限定で、というわけにはいかないものか。
昔、朝日杯3歳S(朝日杯FSの改名前)が、牡馬・セン馬限定だったので、できないことはないはず。真剣な番組作りと、遊び心の境界線が難しいと思う今日この頃だ。
それはともかく、「サマー2000」の開幕戦となる七夕賞には、いったいどのような傾向があるのか。七夕だけに、「7」絡みの馬の好走率はどうなっているのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。
☆馬番と枠番
まずは気になる「7枠」と「7番」の成績から。枠番の「7」は【0-1-0-19】となっており、勝率、連対率とも最下位。馬番の「7」は【0-0-2-8】で、こちらも同様。完全に死に枠(番)となっている。ちなみに、前走で7枠、もしくは7番だった馬も、勝っていない。七夕賞で「7」がつく馬が活躍する、というロマンチックな出来事は、どうやら期待できないようである。
☆所属、性別、年齢
出走頭数が美浦75頭、栗東が77頭で、ともに1、2、3着が5回ずつ。全くの互角といっていいだろう。天の川を中心にし、さながら牽牛と織女のように真っ二つに分かれたイメージか。
性別は極端なデータが出ており、出走馬152頭のうち、牝馬は13頭だけで、馬券に絡んだのは2021年の2着馬ロザムールだけ。ロザムールは福島牝馬経由組で、同じく牝馬限定のマーメイドS組は全滅している。
最も連対馬を出している年齢は5歳で、4勝、2着4回の合計8連対。続くのは6歳の7連対(3勝)。勝率、連対率で見ると、年齢を重ねるほど悪くなっている。なお、3歳馬の出走はなく(今年も登録馬なし)、8歳以上から勝ち馬は出ていない。
☆前走クラスと前走
連対馬が出ているのは、オープン・Lか重賞。条件戦を経て出走した馬は11頭と少ないこともあって、連対した馬はいない。
これといって相性のいい前哨戦は見当たらなかったが、鳴尾記念組は2勝、2着1回の3連対で、最も連対馬を出している。
☆前走着順
ハンデ戦らしいというか、前走好走馬が全く当てにならないようだ。掲示板組で、勝ち馬を出しているのは前走2着と同5着だけ。前走1、3、4着組から2着馬は出ているが、勝ち馬はいない。前走6着以下から6頭の勝ち馬(2着馬も4頭)が出ている。ここ10年の平均単勝が1600円を超えていることから、前走成績などによって形成される単勝人気を、鵜呑みにしない方がよさそうだ。
☆ハンデ(牡馬・セン馬)
牝馬1頭しか連対していないということで、ハンデは牡馬とセン馬に絞って見ていきたい。荒れやすいレースとはいえ、軽ハンデの馬が活躍しているわけではなく、むしろ苦戦している。
具体的には、53キロ以下に該当する25頭中、最高着順は3着(今年は該当馬なし)。好成績を残しているのは57キロを背負っていた馬で、勝ち馬の過半数である6頭が該当していた。なお、ハンデは今年から基本1キロ重く課せられるようになったので、上記のハンデもプラス1キロとして、好走パターンは58キロとする。
☆その他
その他で気になったデータを挙げていこう。まず前走距離だが、2200mを走っていた馬は2頭いて、2頭とも勝っている。続いて前走人気。1、2番人気に支持されていた馬は4勝、2着2回で、連対率35.3%。前走成績は当てにできなくても、前走人気はそれなりに信用できるようだ。最後に、前走の負けがコンマ5秒以内だった馬が6勝、2着4回と結果を出している。
ハンデ58キロが狙い
では、七夕賞のデータをまとめてみよう。
【好走データ】
A「牡馬・セン馬でハンデが58キロ」
B「前走1、2番人気」
C「前走がコンマ5秒以内の負け」
【好走率ダウン】
D「7歳馬」
【勝ち馬なし】
E「8歳以上」
F「前走が1、3、4着」
【連対馬なし】
G「福島牝馬S組以外の牝馬」
H「前走が条件戦」
今回で強調したいデータはAの「牡馬・セン馬でハンデが58キロ」。前章で触れたように、今年から斤量が1キロ重く課せられているので、昨年までだとハンデ57キロに該当する馬が、勝ち馬の半分以上を占めている。このデータに当てはまる馬は勝率がぐっと上がると考えていい。
今年の登録馬でハンデ58キロはエヒト、サンレイポケット、フェーングロッテンの3頭だけ。この中でサンレイポケットは、勝ち馬なしで、2着馬が1頭しか出ていないE「8歳以上」に当たるので、本命候補から外す。残った2頭はどちらも目立った割引データを持っていない。ここは、C「前走がコンマ5秒以内の負け」のプラスデータも持っているフェーングロッテンを本命、エヒトを対抗とする。
フェーングロッテンは最多の勝ち馬、連対馬を出している鳴尾記念組でもある。強いデータではなくても後押しにはなる。また、対抗で昨年の勝ち馬でもあるエヒトは、前走サウジアラビアで走っていた。海外帰りで参戦したことがあるのは、過去10年でトレイルブレイザー(2013年)だけで、2着と結果を残している。
今回、プラスデータを2つ持っているのは◎を打ったフェーングロッテンと、B「前走1、2番人気」、C「前走がコンマ5秒以内の負け」を持つセイウンハーデスだけ。というわけで、セイウンハーデスも外せない1頭となる。あとは上記で名前が出たサンレイポケットも押さえる必要がある。
ほか、プラスデータを持っている馬のなかで気になるのはヒンドゥタイムズ。D「7歳馬」というのは引っかかるが、前走が7着でもコンマ5秒以内。ちなみに、前走「7」着だった馬は過去に3勝しており、全着順の中で最も勝ち星が多い。最後の最後に、やっとラッキー「7」が見つかりました。
◎フェーングロッテン
◯エヒト
▲セイウンハーデス
△サンレイポケット
×ヒンドゥタイムズ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
先週、園田競馬場に大日本プロレスがやってきました。その中で女子プロも組まれていたのですが、生まれて初めての観戦。感動しました。
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