【セントウルS】豪州GⅠ馬を3馬身差完封したシーイズトウショウ “サマースプリント”創設の2006年をプレイバック
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【セントウルS】豪州GⅠ馬を3馬身差完封したシーイズトウショウ “サマースプリント”創設の2006年をプレイバック

2026/08/31 17:00
緒方きしん
プレイバック2006年 セントウルステークス,ⒸSPAIA

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サマースプリントシリーズ創設年に実力馬が集結

今週はセントウルSが開催される。過去にはマイネルラヴやビリーヴ、タワーオブロンドンらが制したレース。今回はそんな中から2006年の一戦をピックアップして当時を振り返っていく。

中京競馬場での開催となった2006年のセントウルSは、様々な路線からスプリンターが集まり、単勝10倍未満が4頭という4強の構図。1番人気4.4倍、4番人気7.2倍と、ファンの悩ましさが表れたオッズになっていた。

そんな混戦模様で1番人気に支持されたのは6歳牝馬のシーイズトウショウだった。5代母が名牝シラオキという良血馬で、父は名スプリンターのサクラバクシンオー。母のジェーントウショウはダンディルートの3×2というかなり濃いクロスを持つ血統でもあった。

シーイズトウショウは3歳春には桜花賞でスティルインラブの2着、同年末にはCBC賞(当時は12月開催)を制覇。4歳シーズン以降も、函館スプリントS連覇をはじめ、スプリント路線で着実に実績を積み上げてきた。直近3走もすべて連対と安定感抜群で、ここでも期待されていた。

2番人気となったのは、テイクオーバーターゲット。こちらはなんと、オーストラリアからの遠征馬で、既に同年のGⅠ(ライトニングS・ニューマーケットH)を2勝と、勢いもあった。日本で果たしてどんな走りを見せるのか、未知の実力はファンも計りかねるところであった。

3番人気ロードアルティマは、この2頭とは対照的に重賞初挑戦。名種牡馬Gone Westの半弟という良血ながら故障続きで、6歳ながらキャリアはわずか10戦。それでも、ここまで【6-1-2-1】という安定感でファンを惹きつけていた。

4番人気には岩手出身の8歳馬ネイティヴハート。長く低迷が続いたが、2006年オーシャンSで内田博幸騎手とコンビを再結成すると14番人気で復活勝利と一変を果たした。以降も堅実に走り、ここでも上位人気に食い込んできた。

さらにメイショウボーラーやゴールデンキャスト、リミットレスビッドといった役者も加わり、まさに好メンバーがそろった一戦となった。しかもこの年はサマースプリントシリーズの創設年で、これがシリーズ最終戦。関係者・ファンともに、その行方を大いに注目していた。

外回しのロスをものともしない差し切り劇

揃ったスタートからスプリント戦らしく各馬が勢いをつけて進む。8枠のウインレジェンドが先頭を確保。2番手争いはテイクオーバーターゲットとコスモフォーチュン、その後ろをリミットレスビッド、シーイズトウショウらが追う。上位人気2頭が先行する一方、ネイティヴハート、ロードアルティマは中団以降に控える。

スピードが緩むことなくレースが展開されていく。3コーナー入口で、先頭のウインレジェンドとの差を詰め始めたのがコスモフォーチュン。並走するテイクオーバーターゲットはそのまま内側で仕掛けずに見送る。それを睨む形でリミットレスビッド、さらに外をシーイズトウショウ。馬群は徐々に縦長となり、後方勢にとってはやや苦しい展開に見える。

4コーナーでは中団にいたネイティヴハートが進出を開始。先行集団も各馬が仕掛けて5頭が横に並んで直線へ。シーイズトウショウは外、外を回る。

内から2頭目、テイクオーバーターゲットの手応えが良い。ウインレジェンドを交わして先頭に立つ。そのまま独走体制に入ってもおかしくない脚色だ。このまま圧倒してしまうのか。

しかし、外回しのロスを挽回してシーイズトウショウが、外からグングンと追い上げる。これは2頭のマッチレースか──。そう思ったのも束の間、並ぶ間もなく、シーイズトウショウが抜け出した。

そこからはシーイズトウショウの独壇場。後続に3馬身差をつけてゴールした。ラスト1Fで見せた末脚には、多くのファンが度肝を抜かされた。

2着には、テイクオーバーターゲットがそのまま残し切る。さらに半馬身差の3着にはネイティヴハートが入り、ファンを悩ませた混戦は1番人気→2番人気→4番人気と、結果的には上位人気馬による決着となった。

ただオッズが割れていたことで、馬連配当は1,320円、3連単配当も10,420円の好配当となった。また、3歳馬、4歳馬と若い馬も多く出走している中で、6歳牝馬→7歳セン馬→8歳牡馬と、ベテランが意地を見せた一戦でもあった。

サマースプリント優勝争い、香港馬の参戦など今年も熱い

シーイズトウショウはセントウルSの勝利でサマースプリントシリーズ初代チャンピオンにも輝く。その後は3戦して引退し、繁殖入りを果たした。

産駒からは名古屋グランプリ勝ち馬のヴェルテックス、函館2歳Sで3着のトウショウピストなどを送り出し、孫世代からもファルコンS2着のカルロヴェローチェらが活躍している。様々な種牡馬との配合が試されたこともあって、今後も枝葉が広がっていくことだろう。

2着のテイクオーバーターゲットは、続くスプリンターズSを2馬身半もの差をつけて制覇。スプリント大国オーストラリアの力を日本の競馬ファンに見せつけた。J.フォード騎手とのコンビは今でも多くのファンに強烈な印象を残している。

今年のセントウルSは、ピューロマジックとフリッカージャブがサマースプリントシリーズ優勝もかけて争う。歴代チャンピオンに名を連ねるのはどちらか。

さらに、GⅠ好走歴を持つ香港のファストネットワークも参戦。次走にスプリンターズSを予定しているといい、強豪がどんな走りを見せるかにも注目が集まる。

2006年を想起させる悩ましいメンバーがそろった2026年セントウルS。秋の到来を告げる一戦は、今年も熱い決着になりそうだ。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、ビッグアーサー、ドウデュース。

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