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【アイビスSD】“逃げて上がり最速”カルストンライトオの衝撃 2004年をプレイバック

2026/07/27 17:00
緒方きしん
プレイバック2004年 アイビスサマーダッシュ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

カルストンライトオが二度目の制覇へ

今週はアイビスサマーダッシュが開催される。過去にはサンアディユやカノヤザクラ、ライオンボスらが制したレース。今回はそんな中から2004年の一戦をピックアップして当時を振り返っていく。

2004年のアイビスサマーダッシュは12頭立て。単勝一桁オッズの馬が5頭、その一方で三桁オッズも4頭と、人気サイドと伏兵サイドの二極化構図となっていた。創設4年目を迎え、いよいよデータも揃い始めた直線1000m重賞の傾向を探りながら、競馬ファンは予想を組み立てていった。

1番人気に推されたのは、6歳馬カルストンライトオ。創設年の3歳時に3着、翌年には「53秒7」のコースレコードで勝利を挙げており、前年こそ不参戦だったが、既に高いレース適性を見せていた。

6歳シーズンもバーデンバーデンCで2着→函館スプリントSで3着と順調な臨戦過程を辿っていた。さらに、鞍上の大西騎手とはこれまで7回コンビを組んで【2-1-2-2】と抜群の安定感を誇っており、単勝2.2倍の支持も頷けた。

2番人気は同年に連勝してオープン入りを果たしたコスモラブシック。オープン入り後も4着→2着と通用する力はみせていて、勢いに乗っての一発を狙う。快速馬カルストンライトオ同様、先行力もあり、先行争いにも注目が集まっていた。

3番人気のタカオルビーも先行力豊かな牝馬。同舞台の新潟日報賞を制し、適性は証明済み。前年は牝馬のワンツーだったことも相まって期待を集めた。ほか、末脚鋭いネイティヴハートが4番人気、オーシャンS勝ち馬で、高松宮記念にも挑戦したシルキーラグーンが5番人気で続いた。

スタート直後に外へ切り込んだ黄色いメンコ

ゲートが開くと、電撃戦とあって即座に攻防が始まる。次の瞬間、大きな歓声とともに、 黄色い帽子に黄色いメンコの人馬が、真ん中の枠から外ラチに向けて一気に切り込んでいく。快速馬カルストンライトオが早くもラチ沿いの先頭を確保した。

他馬も負けじとフルスロットルで駆ける。2枠2番のドローアウターは内目から良い脚を見せ2番手を追走、人気のコスモラブシックとタカオルビーは3番手からカルストンライトオを追った。

各馬、横に広がって思い思いの位置取りで展開。レースも終盤に差し掛かり、スタンドからの歓声も近づいてくる。しかし、カルストンライトオのスピードは緩むことがない。
──このままいくのか。
──誰かが捕まえるのか。

残り200m。後続も必死に追い上げるが中々差は詰まらない。カルストンライトオの鞍上・大西騎手の鞭が入る。それに呼応して、さらにひと伸び、もうひと伸びと後続を突き放す。これがダメ押しとなり、勝負あり。

圧倒的なスピードを見せつけ、カルストンライトオが3馬身差で勝利。あまりの強さに思わずどよめきが起こるほど、前々年覇者の走りは凄まじかった。上がり3Fは逃げながらも31.9の最速タイを記録。逃げて突き放す強さは、アイビスサマーダッシュの名レースとして今も語り継がれる。

2着は大外枠を利して好位から粘り込んだタカオルビー、3着は8番手から上がり最速タイの末脚で伸びたネイティヴハートが入った。配当は単勝220円、馬連580円と堅実な決着。かつての王者が再びこの舞台の頂点に立ち、夏の新潟に大きな声援が響き渡った。

逃げるのか差すのか、ピューロマジックが連覇を目指す

カルストンライトオにとって、重賞制覇は2年前のアイビスサマーダッシュ以来となった。これで快速王が復活といわんばかりに、次走のスプリンターズSでGⅠ初制覇。サニングデールやデュランダル、シーイズトウショウといった強豪相手に、前走を超える4馬身差の圧勝を演じてみせた。

現役ラストイヤーとなった翌年の7歳シーズンもアイビスサマーダッシュに出走。しかし、結果は4着で連覇とはならなかったものの、世代交代の波に最後まで抗い続けた。引退後は種牡馬となり、産駒数こそ少なかったが、JRAダート1200m・5勝のメイショウテンセイなどを出した。

さて、今年は連覇を目指すピューロマジックが参戦。昨年はJRA史上最速となる上がり31.3でアイビスサマーダッシュを勝利。2002年のカルストンライトオに並ぶ勝ち時計53秒7を記録した。

今年は2004年のカルストンライトオと同じ函館スプリントSからのローテーションで臨む。前走は逃げての押し切り勝ち。同馬のように「逃げて上がり最速」の走りを見せられるだろうか──。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、ベルカント、ドウデュース。

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