【東海S】ハイペース想定で堅実な末脚が生きる 京大競馬研の本命はダノンフィーゴ

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真夏の古馬ダート短距離重賞
7月26日(日)に中京競馬場で東海S(GⅢ)が行われる。一昨年までは「プロキオンS」の名称で行われていたが、フェブラリーSの前哨戦であった冬の「東海S」と名前を入れ替える形で変更となった。昨年は先日引退&種牡馬入りを発表したヤマニンウルスが最後の重賞Vを果たした。今年も比較的少頭数ながら、昨年の2着馬インユアパレスをはじめ実力馬が揃った注目の一戦だ。
以下では、本レースが行われる中京ダート1400mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。特に「二律背反」ともいえる中京ダート1400mのコース形態に注目したい。
先行と差しどちらも有利不利があるコース形態
まずは中京ダート1400mのコース形態をみる。2コーナーポケットの芝からスタートし、初角までの距離は約600m。向正面半ばまで緩やかな上り坂、そこから3、4コーナーは下り坂でスパイラルカーブだ。最終直線は410.7mで、その半ばまで高低差約2mの上り坂。ラスト200m余りはほぼ平坦となる。これが今回のコースレイアウトだ。
まず注目すべきは初角までの距離が約600mと長い点。序盤の先手争いは長引きやすく、先行負荷は大きい。3コーナー手前から直線入口までは下り坂で、直線に入るまでに後方勢が前とのポジション差を埋めにくい。さらに、3、4コーナーはスパイラルカーブだ。無理に外からマクってポジション差を埋めようとすると、大きなロスが生まれる。
直線入り口では先行勢が外に膨らむため、さらに外を回す後方勢は厳しい競馬を強いられる。道中外から位置を上げようとした後方勢はなおさらだ。直線は急な上り坂の後も200mほど続くタフな形態で、全馬終盤の脚色は鈍り、上がりに差が生まれにくい。
これだけだと先行有利に見えるが、序盤の先行負荷とペースが緩まない中盤を考えれば、前も簡単には残せない。地力のない先行馬は直線半ばで脱落する。
先行と差しどちらも有利な点と不利な点が明確にある。枠に関しても、芝を長く走れて序盤のポジションを取りやすい点では外枠有利、道中は中京らしくロスなく走れる内枠有利と、とにかく二律背反なコースだ。
中京ダートで後方大外から一気に差し切る競馬は厳しいが、序盤から最も前で先行し最後まで残し切るのも至難の業だ。したがって、中団インを追走し、内から馬群を捌いて上位の末脚を使える馬が恵まれやすい。これがこのコースが持つレースの質となる。
メンバー上位の末脚を使った馬が順当に好走

<中京ダート1400mOPクラス以上 上がり3F順位別成績>
上がり5位以内
【28-28-23-98/177】
勝率15.8%、連対率31.6%、複勝率44.6%、
単勝回収率151%、複勝回収率133%
※過去10年
この傾向は数字にも表れている。中京ダート1400mのOPクラス以上における上がり3F5位以内馬の成績は上記の通り優秀だ。33レース中28レースで該当馬が勝利している。
また、末脚だけでなく、内目をロスなく回れる器用さや、砂被りを物ともしないタフさも評価したい。近走で内から馬群を捌いて差した経験や、ハイペースを追走した経験も生きるだろう。先行馬も地力次第で残るため、前残りにも注意して印を打ちたい。
先行負荷大のハイペース展開を想定
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が7頭と出走馬全14頭に対して多い。多くが徹底先行タイプであり、前述のコース形態と合わせて序盤はハイペースとみる。先行負荷は大きいだろう。
この展開で恵まれるのは、中団インから馬群を捌いて上位の末脚を使える馬。次点で地力が高く、内前をロスなく立ち回る器用さを持つ先行馬だ。この展開でも後方大外からまとめて差し切るのは難しい。末脚にかけるにせよ、前を捉えきれる位置で運ぶ追走力は必要だ。これらを踏まえ、各馬の地力を比較した上で、オッズ妙味も加味して印を打っていく。
近走内容、相手関係から地力最上位
◎ダノンフィーゴ
前走の黒船賞は好位から脚を使い0.1秒差2着。逃げ馬を捉えきれなかったが、最後は差し切る勢いだった。4着馬ロードフォンスはその後ハイレベルなメンバーが揃ったかしわ記念とさきたま杯でそれぞれ3着、1着。相手関係からも高く評価できる。
そして注目は3走前の根岸Sだ。スローペースの中、砂被りを物ともせず中団インを我慢強く追走。直線では前が壁になっていたものの、内から馬群を捌いて上がり2位の脚を使い0.2秒差3着に入った。ここも勝ち馬はロードフォンスとハイレベル戦だ。2、4走前の内容と相手関係を考えても今回のメンバーでは最上位の地力がある。
中団から常に堅実な末脚を使えるのが強みであり、タフさと器用さを兼ね備えている。今回想定される展開も本馬の脚質には向く。根岸Sと同様に、中団インを追走し、内から馬群を捌いて脚を使えれば勝ち負け必至とみる。
◯インユアパレス
前走の栗東Sは前半600m33.4秒のハイペースを6番手で先行。道中さらに位置を押し上げ4角3番手から0.2秒差3着に粘った。展開と斤量を考えれば、着順、着差以上に評価できる内容だった。1着タガノミストは次走重賞勝ち、2着ベルジュロネットも次走でオープンを快勝している。
2走前の黒船賞ではスタートでバランスを崩し後方からとなったが、高い機動力で位置を押し上げていき0.2秒差3着。ダノンフィーゴとは0.1秒差で、同馬との比較で高いオッズ妙味が見込まれる。好位から常に安定した末脚を使える優等生タイプであり、前走から斤量も減る。昨年同様の競馬でポテンシャルを最大限発揮すれば今年も好走可能とみる。
▲ベルジュロネット
メンバー最上位の末脚を持つ一頭。前走の天保山Sは重馬場のスローペースを先行。上がり2位の脚を使い、2着に0.6秒差をつけて快勝した。一方で2、3走前のオープンクラスはハイペースを中団後方で追走し、馬券内に好走。ペースによって位置取りを変えられる高い操縦性がある。2、3走前にハイペースを追走した経験は今回も生きる。
△ドンインザムード
前走の欅Sは相手関係の面で着差通りには評価できないが、厳しい斤量と展開の中、能力の高さを示した。4走前、今回と同コースのコールドムーンSでダノンフィーゴに0.1秒差と迫ったように地力はメンバー上位。好位からスムーズに追い出せれば。
×バトルクライ
3走前の根岸Sではスムーズに追い出せたとはいえ、4角14番手から上がり最速で0.2秒差2着。ダノンフィーゴに先着している。直近2走は持ち前の末脚が上手く発揮できていない中でどちらも0.6秒差と大きくは負けていない。高いオッズ妙味が見込まれる。
×マテンロウコマンド
ハイペースで前から運んで残すならこの馬。黒船賞、かきつばた記念の内容、相手関係を考えれば十分にチャンスがある。好スタートを決めてハナまで取れれば簡単には止まらない。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△×馬連5点、◎-◯▲△-◯▲△×3連複9点で勝負する。
▽東海S予想▽
◎ダノンフィーゴ
◯インユアパレス
▲ベルジュロネット
△ドンインザムード
×バトルクライ
×マテンロウコマンド
《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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