【スパーキングレディーC回顧】馬場傾向を踏まえた松山弘平騎手のクレバーな騎乗が光る タガノミストが重賞初制覇

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3角先頭から押し切る
川崎競馬場で行われたスパーキングレディーC(JpnⅢ・ダート1600m)は松山弘平騎手騎乗のタガノミストが勝利し、重賞初制覇を飾った。
前走京都ダート1400m戦の栗東Sは、前半600m通過33.4(11.8-10.5-11.1)、後半600mが37.1(12.1-12.2-12.8)を要するハイペースで、差し馬が上位を占めるなかを逃げ切った。この内容が評価され、単勝1.7倍と1番人気の支持を集めた。
この日の川崎競馬は12レースが行われて、逃げ切りは1レースのみ。小回りコースであることから勝負所で前につけていた馬の好走が多いのは当然だが、差しも決まっており外が伸びやすい馬場傾向でもあった。
タガノミストは好スタートを決めたが、内からプラウドフレールが行く構えを見せたことで、前述の馬場傾向を踏まえて松山騎手は無理にハナを主張することなく2番手からの競馬を選択。また揉まれる競馬になると脆さがあるが、10頭立ての8番ゲートだったということからもこれは正しい選択だったと言える。
前後半800mのレースラップを比較すると前半50.1(13.0-11.4-12.6-13.1)に対し、後半は51.5(11.8-12.7-14.0-13.0)ながら、タガノミストにとっては楽な展開だった。逃げ馬を前に見ながら向正面でペースが上がったところで差をつめていき、残り600mを切って3角に差しかかったところで先頭へ。
「川崎の急なコーナーも上手に回ってくれましたし、最後は手応えも良かったので、早めに抜けて自分で外を選んで走りました」と松山騎手は振り返り、直線は内を開けた進路取りで後続に1馬身半差をつけて押し切った。勝ちタイムは1:41.6(稍重)、馬自身が充実期を迎えていることを感じさせるとともに、松山騎手のクレバーさが際立ったレースでもあった。
このレースまでにあげていた6勝はいずれもダート1400m以下だったが、2走前に福島ダート1700mの吾妻小富士Sで2着という実績もあったように距離は全く問題にしなかった。加えて初めてのナイター、地方競馬の小回りコースにも難なく対応したことから、活躍の場はさらに広がっていくだろう。
3歳馬タマモフリージアが2着
3歳馬のタマモフリージアは、道中後方3番手からレースを進めたが、直線では開いていた内のスペースをロスなく立ち回ってメンバー中唯一の上がり38秒台の末脚で伸びて2着に入った。前走の関東オークスでは勝負所の反応が悪く失速して4着に敗れていたが、距離短縮と52kgという軽量を味方に変わり身を見せた。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3着には2番人気だったアピーリングルックが入った。道中はタガノミストを前に見ながら好位を追走するも、勝負所ではやや反応の鈍さものぞかせた。直線は外に持ち出してジリジリと伸びてはきたが、タマモフリージアにはクビ差及ばなかった。牡馬相手の名古屋大賞典を勝利しているように能力はあるが、もう少しタフな展開になって良さが活きるタイプだと感じる。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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