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【日本ダービー】“勝ちパターン”狙えるリアライズシリウスが本命 穴はフォルテアンジェロ

2026/05/30 20:00
山崎エリカ
日本ダービーのPP指数,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

B→Cコース替わりで内が復活

先週は雨量に対してかなりの内空け馬場だったが、今週からB→Cコースに替わって内が復活。土曜の時点では馬場の三分どころが伸びていたが、ペース次第では内からでも残れていた。

今回のメンバーは逃げ、先行馬が手薄。素直に考えれば、枠なりでリアライズシリウスが逃げ、その外にアスクエジンバラ、ロブチェンが続く形だろう。ただ、松山弘平騎手の「“ダービーだから絶対に逃げません”とは思わない」という発言からは、ロブチェンが逃げる可能性が高そうだ。

その場合はロブチェンが逃げて2番手の外がリアライズシリウス、3番手がアスクエジンバラという隊列が濃厚。リアライズシリウスは2番手で折り合いがつくタイプで、陣営は距離延長に対してやや不安を持っているので、早い段階からロブチェンに競っては行かないとみる。

大舞台なので極端にペースが遅くなることはないにせよ、平均よりもスローよりの流れになるとみて予想したい。

能力値1~5位の紹介

2026年日本ダービーのPP指数一覧,ⒸSPAIA


【能力値1位 ロブチェン】
これまでGⅠ・2勝を含む、4戦3勝、3着1回の実績馬。唯一、3着に敗れた共同通信杯は、逃げたくないなかで、ロケットスタートとなり(突進したタイミングでゲートが開いたとのこと)、抑えて控えたことでかなり掛かり、折り合い重視で進める形に。結果、3~4角のペースアップで置かれ、2着ベレシートには伸び負けした。

前走の皐月賞では共同通信杯の勝ち馬リアライズシリウスに逆転勝利。ここでは4番枠から五分のスタートだったが、押して二の脚の速さでハナを主張した。ハナを取り切ると1~2角でペースを落としたが、向正面でリアライズシリウスに早々とプレッシャーをかけられ、じわっとペースを引き上げて3角に入る。

3~4角で外からリアライズシリウスに並びかけられると、4角で抵抗しながら直線へ。リアライズシリウスと一騎打ちの形になると、序盤は前に出られる場面もあったが、踏ん張ってクビ差ほど前に出る。ラスト1Fでじわじわ差を広げて3/4差で勝利した。

当時はコンクリートレベルの高速馬場で前後半5F58秒9-57秒6。ややスローペースで前有利の展開だった。

また、終始好位の2~2.5頭分外を回って15着に敗退したアドマイヤクワッズが次走のNHKマイルCで3着に巻き返したのに対し、好位の最内を立ち回って13着だったカヴァレリッツォは、NHKマイルCでも12着と巻き返せなかった。この結果からも、B→Cコース替わりで内有利の馬場でもあった。

つまり、ロブチェンは逃げたことでやや展開に恵まれ、馬場にも恵まれた勝利だったといいえる。また、ここではハナへ行ったことで折り合いもついていた。本馬は控えると前の馬を追い駆けて酷く掛かる一方、ハナへ行くとコントロールが利いており、生粋の逃げ馬タイプと見ている。実際、鞍上も「“ダービーだから絶対に逃げません”とは思わない」とコメントしている。

しかし、相手が強くなるほど逃げ切るのは難しく、ましてダービーは皐月賞から距離延長になるため、歴史的にも「ダービーでの逃げ」はタブー視されてきた。

本来この枠なら本馬より内のリアライズシリウス、アスクエジンバラ辺りを行かせて3、4番手を追走するのが理想的だが、前述のように掛かるリスクがある。だからといって位置を下げ過ぎると、今度はキレ負けするリスクが生じる。鞍上視点で考えると乗り難しい馬であり、評価を下げたい。

【能力値2位 リアライズシリウス】
その後の活躍馬を数多く輩出している新潟2歳S、共同通信杯をともに2番手から早めに仕掛けて抜け出す形で勝利。今年のクラシック路線をリードしてきた馬だ。

5着に敗れた朝日杯FSは休養明けで馬体重12kg増。さらに、レースでは13番枠からやや出遅れて内の馬と接触。その後、立て直して緩みない流れを好位の外まで挽回するが、3~4角でも外を回るロスがある競馬だった。

前走の皐月賞では2着。ここでは15番枠からまずまずのスタートを切り、積極的に促してロブチェンの外2番手を確保した。向正面で早々とロブチェンにプレッシャーをかけ、同馬と半馬身差で3角に入る。

3~4角で外からロブチェンに並びかけ、4角からは同馬とのマッチレースに。直線序盤で一瞬先頭に立ったが、ロブチェンがしぶとく抵抗してクビ差ほど前に出られる。ラスト1Fでじわじわ離されて3/4差で敗れた。

向正面からペースが上がっていく展開のなか、3~4角でひとつ外を回ってロブチェンと3/4差なら、ほとんど差はない。実際、2走前の共同通信杯では2番手外から早めに仕掛けていく正攻法で同馬を下している。

距離が延びて良いかはやってみないとわからないところがある。だが、この舞台で有力視していた共同通信杯の2着馬ベレシートは故障により回避。ダービーの前哨戦でも強烈な勝ち方をした馬は現れなかった。

ここも先行馬が手薄で皐月賞同様にややスローが見込める組み合わせ。本馬の勝ちパターンである2番手からなら上位争いが期待できる。今回の本命候補だ。

【能力値3位タイ アスクエジンバラ】
前走の皐月賞で4着。ここでは5番枠からまずまずのスタート。ひとつ内のロブチェンよりもスタートが速く、促してハナも狙える入り方だったが、内のロブチェン、外のリアライズシリウスがハナを主張すると、控えて好位の中目に収める。道中も好位の中目でリアライズシリウスの後ろで我慢させた。

3~4角でもリアライズシリウスの後ろからひとつ外で我慢して直線へ。序盤で追われて3番手に上がったが、前2頭との差は詰まらず。ラスト1Fでも2着リアライズシリウスとの差は詰まらず、最後はライヒスアドラーにクビ差差されて4着まで。

既に書いたように今年の皐月賞はコンクリートレベルの高速馬場でやや前有利な展開。最内の絶好ポジションこそ1番枠のカヴァレリッツォに取られたものの、そのひとつ外を追走できている。

ただ、ここで楽に好位を取れたことは大きく、今回のメンバーでこの枠の並びならリアライズシリウスの外を狙って行ける。スローよりの流れとみているだけに、重い印を打ちたい。

【能力値3位タイ ライヒスアドラー】
前走の皐月賞で3着。ここでは9番枠からやや出遅れ、内の馬と接触したが立て直してコントロールする。各馬の出方を窺いながら進めて、最終的には中団中目を追走。向正面で包まれると3角手前で外に誘導した。

3角では3頭分外、4角では外から上がってきたグリーンエナジーに抵抗しながら4~5頭分外から押し上げる。好位の外付近から直線へ入ると、序盤で4列目から3列目の4番手に上がり、ラスト1Fではしぶとく伸び続けたが、アスクエジンバラをクビ差で捉えての3着までだった。

前述したように皐月賞は前有利な展開かつ、内有利の馬場だった。3~4角で内から2頭目以内の馬が1着、2着、4着、5着、6着に入る展開を、かなりのロスを作って3着に食い込んでいる。

長くいい脚が使えるという点では、距離延長は歓迎。ただ、Cコース替わりで先週から内はだいぶ回復したものの、出遅れ癖があって器用さに欠ける本馬にとって1番枠は減点材料となる。警戒は必要だが、全幅の信頼は置けない。

【能力値3位タイ コンジェスタス】
ホープフルSと同週の中山芝2000mでデビュー。新馬戦ではそこまでの強さを感じさせなかったが、2戦目の3歳1勝クラス(阪神芝2000m)では2番手からラスト1Fで一気に突き抜けて3馬身半差の完勝と一変した。

前走の京都新聞杯も勝利。5番枠からまずまずのスタートを切ったが外の馬と接触してしまう。立て直して好位の中目を追走したが、外枠各馬が内に切る動きをしたことで狭くなって下がり、道中は中団中目で我慢させた。

3角手前で先に外のラディアントスターを行かせ、3~4角では同馬をマークして4角出口で外へ誘導。序盤で中団から追われて一気に2番手に上がると、ラスト1Fでは内で踏ん張るベレシートとの差をしぶとく詰めてクビ差で捉え切った。

共同通信杯の2着馬で、ダービーでも有力候補と目されていたベレシートを下しており、とてもインパクトがあった。しかし、当時はレースレコード決着だったように超高速馬場で前後半5F58秒7-59秒5の緩みない流れ。かなり前が不利な展開を先行したベレシートに対し、コンジェスタスは展開の後押しがあった。

本馬はデビューから上昇一途で3戦3勝。キャリアが浅く、まだ伸びしろがありそうだが、さらに相手が強化されることを考えると過信は禁物だ。


皐月賞の上がり最速馬フォルテアンジェロに注目

フォルテアンジェロはデビュー3戦目のホープフルSで2着。ここでは11番枠から五分のスタートを切り、押し進めて好位の外を追走。道中では好位の中目で抑えながら進めた。

3~4角でも好位の中目でジーネキングの後ろから進出したが、4角で進路がなくなり、外からも蓋をされて3列目の中目で直線へ。序盤でいったん外に誘導して3列目。ラスト1Fで外に出し切って追われると、先に抜け出したアスクエジンバラを捉え切ったが、外からロブチェンに差し切られて3/4差の2着まで。

当時は標準的な馬場で前後半5F61秒3-59秒7。スローペースで前有利の展開だった。ここでは直線序盤で進路確保に苦労したにせよ、ラスト1Fでロブチェンに差されており、完敗だった。

そこからぶっつけ本番となった前走の皐月賞では5着。前述したように、当時は高速馬場で前後半5F58秒9-57秒6のややスローペース。前有利の展開だった。本馬は上手く最内を立ち回りはしたが、2馬身ほどの出遅れを挽回しながら最後の直線でもよく伸びている。

昔からダービーでは「皐月賞で最速の上がりを使った馬を狙え!」という格言がある。実際、皐月賞が2分を切る高速決着の年に、5着以内かつ最速の上がり3Fを記録した馬は、この舞台でよく好走している。

過去15年の該当馬は以下の5頭。

・2014年 ワンアンドオンリー
・2015年 ドゥラメンテ
・2016年 マカヒキ
・2019年 サートゥルナーリア
・2022年 ドウデュース

このうちサートゥルナーリアを除く4頭がダービー馬となっている。つまり、トップスピードの速い馬は高速馬場の芝2400mに適していると考えられ、フォルテアンジェロも有力な存在とみている。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ロブチェンの前走指数「-18」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.8秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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