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【オークス】「距離が延びてこそ」アランカールを本命視 巻き返し期すドリームコアも高評価

2026/05/23 17:00
山崎エリカ
オークスのPP指数,ⒸSPAIA

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例年通りの差し優勢傾向か

オークスはほとんどの馬が距離延長ローテであり、マイラーが逃げるケースが多いため、ラスト5F目でペースが落ちることが大半のレース。このため過去10年で逃げ馬の3着以内は1頭もいない。

先行馬は1勝、2着5回、3着3回と善戦はするが、勝ち切れていない。一方、追い込み馬も1勝、3着2回と苦戦しており、全体的には中団の馬、差し馬が活躍している。

今年は、前走の桜花賞で逃げたロンギングセリーヌがレースを引っ張る可能性が高い組み合わせ。距離延長を意識して後方から捲りを仕掛ける馬もいないと見ており、例年のように中団~差しが有利と見て予想する。

能力値1~5位の紹介

2026年オークスのPP指数一覧,ⒸSPAIA


【能力値1位 スターアニス】
母エピセアロームの短距離血統でデビュー3戦目まで芝1400m以下を使われていたが、その後は阪神JF、桜花賞と阪神マイルでGI連勝。ぶっつけ本番となった前走の桜花賞でも距離不安を一蹴して勝利した。

前走は15番枠からまずまずのスタートを切ったが、じわっと控えて中団やや外目から追走。道中ではかなり折り合いを欠いてバランスを崩す場面もあったが、我慢させた。

3~4角では前に壁を作ったことで折り合いもついて、2~2頭分半ほど外から直線へ。序盤で馬なりのまま3列目付近から一気に伸びて堂々の先頭に立つ。ここで1馬身ほど前に出ると、ラスト1Fでさらに差を広げて2馬身半差で完勝した。

当時は超高速馬場で前後半5F45秒7-45秒8の緩みない流れ。3~4角で最内をロスなく立ち回った13番人気のアイニードユーが4着、12番人気のジッピーチューンが3着に来る、内が圧倒的に有利の展開を、やや外目を立ち回って直線で後続を突き放した内容は褒められる。

今回は桜花賞2着馬ギャラボーグがフレグモーネで回避、ジッピーチューンは故障で戦線離脱、アイニードユーも距離不安で回避、さらに6~8着も不出走。トライアルのフローラS、スイートピーSもレベルが高くなかったここは、「スターアニスに勝って下さい」といったような状況に見える。

しかし、今年の桜花賞はソダシが優勝した2021年のレコードタイムに次ぐ1分31秒5の高速決着で、短距離志向が強かったのは確か。その2021年もソダシや3着馬のファインルージュがオークスで崩れていることから、本馬も安泰ではない。

能力値に関しては堂々の1位。3走前の中京2歳Sでは、ラスト1Fで内に刺さってラチに接触する不利のなか、タイムなし2着だったように成績以上の強さも感じているが、折り合い面で芝2400mには不安がある。

【能力値2位 ドリームコア】
デビュー2戦目のサフラン賞(2歳1勝クラス・中山芝1600m)では4番枠からやや出遅れ、促しても進まず最後方列の外からの追走。4角で外に膨らむロスはあったが、ラスト1Fで先に抜け出した前2頭に離されて3着に完敗だった。しかし、その後はベゴニア賞、クイーンCを連勝し、勢いに乗った。

2走前のクイーンCは1番枠からまずまずのスタートを切り、抑えて2列目の最内を確保。道中では逃げ馬ヒズマスターピースの後ろで我慢させた。

3~4角でも最内を通して直線へ。序盤は進路がなく、ヒズマスターピースの後ろで我慢していると、外からジッピーチューンに前に出られる。ラスト2Fで捌くのに苦労しながらようやく進路を確保すると、ラスト1Fで先頭列2頭の間を突き抜けて1馬身半差で完勝した。

当時は超高速馬場で前後半4F46秒8-45秒8のスローペース。前有利の展開だったが、ラスト2Fで進路を確保してからの末脚は非凡だった。

前走の桜花賞は前述したように、緩みなく流れての高速決着。9着に敗れたが、やや内有利の馬場でロスが許されない展開のなか、14番枠から出遅れて中団馬群の一番外からの追走となり、3~4角では4頭分外を回るロスが致命的となってのもの。

本馬はこれまで一貫して芝1600mを使われてきたが、サフラン賞のレースぶりを見ると、本質的に芝1600mは短いと感じさせる。距離が延びるこの舞台で一気の巻き返しに期待が高まる。後述するアランカールとの本命馬選択に迷ったが、デビュー当初に見せた素質の差で今回は対抗評価とした。

【能力値3位 ラフターラインズ】
これまでの5戦全てで出遅れているが、いずれも最速の上がり3Fタイムを記録している素質馬。敗れたのは新馬戦、2歳1勝クラスのこうやまき賞(中京芝1600m)、きさらぎ賞の3戦だが、どれもかなりのスローペースで前有利の展開だった。

特に、もっとも着差があったこうやまき賞(1馬身差)は、前後半4F50秒3-46秒5の超スローで、2馬身出遅れて4角でも最後方列に構えたまま。アーモンドアイ級の末脚だとしても届かなかった可能性が高く、物理的に勝ち負けするのが難しいレースだった。

2走前のきさらぎ賞は前後半4F49秒2-45秒8のかなりのスローペース。ここでは大きくアオって3馬身ほど出遅れてしまった。道中で抑えながらも前に離され過ぎないように進め、ラスト1Fはよく伸びたがアタマ+ハナ差で3着に敗戦。桜花賞出走は叶わなかった。

牝馬限定の前走フローラSでは順当に勝利。5番枠からいつものように出遅れ、抑えて後方内目からの追走。道中でスタニングレディが先頭に立って少しペースが上がったが、ここでも後方の中目で我慢した。

3~4角でペースダウンする展開のなか、中団の中目を通してスムーズに4角出口で外に誘導して直線へ。序盤で馬なりのまま中団まで上がり、ラスト2Fで追われると、すっと伸びて先頭列。ラスト1Fで抜け出して1馬身1/4差で完勝した。

当時はコンクリートレベルの高速馬場で、前後半61秒3-58秒0のスローペース。前有利の展開を差し切った内容は高評価できる。ただ、ラスト1Fでエンネに差を詰められた辺りに物足りなさを感じたのも確かである。

今回は大外18番枠。出遅れ癖があるので中途半端な枠よりも自由に動ける外枠の方が好ましい。こうやまき賞では追走にやや忙しさを見せていただけに、ある程度、距離があった方が良いと見てはいるが、芝2400mで前に取り付いていった場合に、これまでのように鋭い脚が使えるのかという不安がある。

【能力値4位 ジュウリョクピエロ】
2走前から芝に転向して2連勝。休養明けの前走でトライアルの忘れな草賞を勝利し、一気に牝馬クラシック路線に台頭した。

その前走は大外14番枠から五分のスタートを切り、抑えて最後方に下げて追走。向正面ではニシノサリーナがかなり掛かってペースを引き上げるなか、最後方付近で脚を溜めた。

3角で後方の外々からじわっと進出し、4角で仕掛けて好位列で直線へ。序盤で楽に抜け出して3馬身差、ラスト1Fも踏ん張って2馬身半差で完勝した。

当時は桜花賞当日の超高速馬場で、前後半5F59秒7-59秒4の平均ペース。ただラスト6F目(向正面)から一気にペースが上がっており、後方有利の展開だった。3~4角で外々を回るロスを作っているが、ここではペースが落ち着いており、そこまで致命的なものではなかった。

2走前の3歳1勝クラス(京都芝2000m)では、中団最内から仕掛けながら最後の直線に入ると、序盤の伸びこそ地味だったが、ラスト1Fで2馬身あった先頭との差を一気に詰めて1馬身半差で勝利。このように、本馬はエンジンが掛かってからが強いタイプだ。

このタイプは、基本的に距離延長は歓迎だが、仕掛けのタイミングが鞍上頼みという側面もある。芝のキャリアが浅く、底を見せていない点は魅力だが、休養明けで展開に恵まれて勝利した後の一戦となると、ここへの余力にも不安がある。

【能力値5位 アランカール】
福島芝1800mの新馬戦を4馬身差、続く野路菊Sを3馬身半差で圧勝した馬。野路菊Sでは4番枠から出遅れ、促したが二の脚で置かれて単独最後方からの追走。道中も前から離れた位置で軽く促しながら進め、3角手前で最後方列の外に取り付いた。

3角でじわっと前との差を詰めてひとつ外に誘導し、4角で前の馬の外に出して直線へ。序盤で追われると、しぶとく伸びて2番手に上がり、ラスト1Fでは3/4差ほど前にいたスウィッチインラヴを捉えて突き抜けた。

当時は超高速馬場で、前後半4F47秒9-45秒6のかなりのスローペース。前有利の展開を出遅れ、最後方から早い段階で前に取り付く大味な競馬ながら、3着馬には7馬身以上の差を付けている。また、上がり3F2位のスウィッチインラヴよりも1秒2も速い3F33秒3を記録しており、圧巻の内容だった。

上記2戦の圧勝劇が評価されたこともあり、続く阪神JF、チューリップ賞でそれぞれ1番人気、前走の桜花賞でも4番人気とここまで過剰人気だった。しかし、五分のスタートを切っても二の脚で置かれて位置が下がっており、本質的に芝1600mでは忙しい。

実際、緩みない流れで高速決着となった阪神JFや桜花賞では、二の脚で置かれて最後方からの追走。いずれも3~4角で4頭分外を回るロスを作って5着に敗れている。それでも最後の直線でバテずに伸びてくるのはスタミナがあればこそだろう。

本馬は今回のメンバー内で距離延長がもっとも吉と出る可能性が高い。また、二の脚で置かれて最後方付近からの追走になっているが、直近3走は五分のスタートを切っている。芝2400mのここでは絶望的な位置からの追走にはならないと見る。本命候補だ。

穴馬はフローラS2着のエンネ

エンネは既走馬相手の阪神芝1800mでデビュー。10番枠からやや出遅れ、内から接触を受けて後方外からの追走となったが、やや速い流れのなか、大外から直線一気で前を飲み込み、1馬身3/4差で完勝した。2着馬も次走で勝ち上がっており、相手が弱かったわけでもなく、長くいい脚を使っていた。

2戦目の前走フローラSは2着。大外13番枠からまずまずのスタートを切ったが、無理をさせずに後方外からの追走。道中はかなりのスローで団子状態だったが、後方2列目の外で我慢させた。

3~4角でも後方2列目の外でコウギョクの後ろを通し、4角出口で同馬の外に誘導して直線へ。序盤で追われたが、置かれてまだ後方2列目の外。ラスト2Fでようやく伸び始めて中団に上がると、ラスト1Fで2馬身半ほどあったラフターラインズとの差を1馬身1/4差まで詰めた。

ラフターラインズの項目でも言及したが、当時は高速馬場でかつ、かなりのスローペース。前有利の展開だったなか、ラフターラインズよりも後ろで進め、3~4角で同馬よりも外を回るロスを作ったうえで、ラスト1Fは同馬との差をしっかり詰めている。

後方からの追走となったのは枠が悪かったからであり、ゲート自体は問題がなかった。今回はラフターラインズよりも内の枠に入ったので、同馬よりも前の位置で進める形になるだろう。エンジンの掛かりがかなり遅いため、ペースが上がらないと脚を出し切れないリスクもあるが、距離が延びてこそのタイプだ。

他では、オークスは前走で芝2200mの矢車賞勝ち馬を穴で狙うというのが筆者の中では定番。2021年のハギノピリナは16番人気で3着、昨年のタガノアビーは10番人気で3着と健闘している。

桜花賞組が大幅な距離延長となるなかで、 芝2200mを経験して結果を出していることは大きく、出走してくれば高い確率で掲示板入りする。今年はトリニティがこれに該当する。

ただ、今年の穴候補としてより魅力を感じるのはエンネ。キャリア2戦目ながらにフローラSで2着に健闘した素質と伸びしろを高く評価する。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)スターアニスの前走指数「-18」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.8秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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