【オークス】前走の上がりが「34.6秒以上で2位以内」の馬は複回収率276% データで導く穴馬候補3頭

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データで見る「穴候補3頭」
今週は牝馬のクラシック第2戦・オークスが行われる。距離不安を囁かれながらも桜花賞馬スターアニスが参戦。これにフローラS勝ち馬ラフターラインズや、母仔制覇を狙うアランカールらが挑む構図となった。
毎年、鍵を握るのは一冠目から4ハロンも延びる2400mの距離。そのせいもあって、データ面では単純かつハッキリとした傾向が表れているGⅠだ。様々な切り口のデータを駆使して3頭の穴候補を導き出した。
桜花賞組は「上位人気で後ろから行った馬」を買え ドリームコア
まずはクイーンCの勝ち馬ドリームコアを取り上げる。桜花賞では2番人気に推されるも9着に敗退。関東圏、東京コースに戻って巻き返しを狙う。

オークスを予想する上で桜花賞の着順など関係ない……というのは過言だが、どちらかといえば着順より「人気」の方が重要である。過去10年で、桜花賞連対馬は【5-2-1-7】複勝率53.3%、複回収率72%。桜花賞1~2番人気馬は【5-2-3-5】同66.7%、複回100%と、こちらの方が優勢だ。
また、オークスは大幅な距離延長となる馬が多いこと、直線が長い東京コースであることなどが重なって、顕著に差し有利なレースである。桜花賞で後ろから行っていた馬の方がいい。桜花賞1~2番人気のうち、前走4角10番手以下にいた馬は【3-1-2-1】複勝率85.7%、複回収率148%とほとんどがオークスで馬券に絡んだ。
今年はドリームコアがバッチリ当てはまる。桜花賞は初の関西圏。高速かつ内を通った馬が有利な馬場で、枠なりに馬群の一番外を回らされてしまった。着順ほど悲観する内容ではない。レース後には「左回りの方がいい」というコメントもあった。逆襲に期待だ。
「消耗戦の上がり2位以内」がオークスの穴資格 ジュウリョクピエロ
2頭目はジュウリョクピエロ。芝に転じて2戦2勝で、忘れな草賞は大外を進出して豪快に差し切った。上がりはメンバー中最速の35.2秒だった。

先にも触れたがオークスは差し有利。それに伴い、前走で上がり上位だった馬の成績がいい。具体的には「前走上がり2位以内」なら【5-5-6-43】複勝率27.1%、複回収率129%(過去10年)だ。
そして上がり上位といっても33秒台の瞬発力勝負で切れる馬より、タフな競馬のなかで相対的に伸びた馬の方がいい。「前走上がりが2位以内かつ34.6秒以上」だと【2-3-3-12】複勝率40.0%、複回収率279%。道悪での記録を除くと【1-3-2-5】同54.5%、複回420%だ。良馬場の持続力勝負で他馬よりいい脚を使う差し。そういう資質がオークスでは武器になる。
ジュウリョクピエロの忘れな草賞も桜花賞当日の阪神芝、すなわち内を通った馬が有利な馬場だった。内回りの3~4コーナー、ラチから数えて5~6車線目を押し上げていっての2.1/2馬身差完勝。メンバーレベルはともかく、あの中では一枚も二枚も上手だった。脚質的にもこのレースとピッタリ。一発あっていい。
芝中長距離GⅠ×距離延長のキズナ産駒 エンネ
最後にフローラSの2着馬エンネを選んだ。父はキズナ、母ルパンⅡはファントムシーフ、ディスペランツァと重賞馬を2頭出し、今のところ産駒は全て勝ち上がりという名繁殖牝馬である。

芝の中長距離GⅠ、なおかつ距離延長で強い種牡馬と言えばキズナ。JRAの芝2200m以上GⅠでは【1-8-4-55】複勝率19.1%、複回収率104%。距離延長なら複回収率は120%にアップし、戦績を「前走7着以内」と限定すれば【1-7-4-26】複勝率31.6%、複回収率179%となる。オークスでも2021年にハギノピリナが16番人気3着と穴を開けた。
エンネはデビュー戦で1000m通過58.3秒のハイペース、レース上がり3F35.7秒という競馬を大外から差し切った。前項述べた「タフな差し」の素養は持っている。上位人気が想定されるラフターラインズとの前走0.2秒差は位置取りのアヤだけ。決して侮れない。
《ライタープロフィール》
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xなどで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
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