【葵S】近8年で逃げ馬が複勝率62.5% 橘S組タガノアラリア、フォーゲルらが中心

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先行力がカギ
今年で9回目を迎える葵Sは勝ち馬を振り返ると、なかなかの出世レースだ。初代勝ち馬ゴールドクイーンはかきつばた記念を勝ち、JBCレディスクラシック2着とダートで走った。
その後もディアンドルは福島牝馬Sを勝ち、ビアンフェは函館SSを勝ち、レイハリアは次走キーンランドCを勝利、ウインマーベルはその年スプリンターズS2着、阪神C、阪急杯を連勝し、マイルCS3着とハイレベルな戦いで奮戦してきた。
モズメイメイ、ピューロマジックも重賞タイトルを重ねており、若きスプリンターたちの登竜門のようなレースに育ってきた。一方で昨年は15番人気アブキールベイが勝つなど、馬券的にはすんなりと収まらない。しっかり傾向をつかみ、ダービーの資金を捻出したい。データは過去8回分を使用する。

1番人気は【3-0-1-4】勝率37.5%、複勝率50.0%と信頼できるものの、2番人気【0-2-1-5】複勝率37.5%など一気に数字が落ちる。
2~8番人気の数字は差がなく、9番人気【1-1-1-5】複勝率37.5%、10番人気以下【2-3-0-57】勝率3.2%、複勝率8.1%と穴馬の数字がいい。1番人気と人気薄を検討するところからスタートさせるという珍しい重賞だ。

レースの位置取り、いわゆる決まり手がさらに癖が強い。逃げ【4-1-0-3】勝率50.0%、複勝率62.5%と逃げ馬の半数が勝利している。スプリント志向の強い同世代同士の争いで、先手をとれるスピードは武器そのもの。
加えてこの時期の京都芝は時計が速く、特に1200mは逃げ切りが目立つ。今開催も4週目の鞍馬Sで1.06.4のレコードタイムが出るほど速い。鞍馬Sは2番手のフリッカージャブが勝ち、逃げたディアナザールは3着と先行型が上位を占めた。
高速決着の京都芝1200mを差して上位に好走するのは難しく、葵Sの逃げ切り4勝はその象徴のようなもの。先行【2-2-3-20】勝率7.4%、複勝率25.9%、中団【2-5-4-47】勝率3.4%、複勝率19.0%と逃げ以外に大きな偏りはなさそう。
さすがに後方は【0-1-0-40】複勝率2.4%と厳しいが、逃げ馬を探しつつ、ほかは脚質を気にせず選んでいきたい。
今年もキーになりそうなのはこの開催3週目に行われた芝1400mのオープン特別橘Sだ。タガノアラリアが逃げきり、2着は3番手につけたフォーゲル、3着は後方から差したスぺルーチェで決着した。前半600m34.8に対し、後半800mは33.2。スローの前残りだった。

橘Sの検討を具体的に進める前に、上のクラスからここに来る馬から考える。前走GⅡ【0-0-0-6】、GⅢ【1-2-0-22】勝率4.0%、複勝率12.0%のうち、ファルコンSは【1-1-0-21】。好走2頭は9着に敗れたビアンフェと16着に大敗したクラスペディアだった。1400mは距離が長いというタイプを狙いたい。
6着タマモイカロスは福島2歳SとマーガレットSを勝っており、距離短縮は大歓迎だが、速い時計の決着での実績がない点は懸念点。まだ3歳なので適性を決めつけるのも早計だが、この点は気になるところだろう。

前走オープン・リステッドはマーガレットS【3-1-3-13】勝率15.0%、複勝率35.0%、橘S【2-4-0-23】勝率6.9%、複勝率20.7%の二強。マーガレットSからは2着ヒシアイラ、橘Sからタガノアラリア、フォーゲルらが参戦する。

両レースは着順より位置取りに注目する。どちらかを逃げきった馬は【1-0-0-5】勝率、複勝率16.7%で、勝ち馬は出ているものの、やや頼りない。
であれば、先行【3-3-1-6】勝率23.1%、複勝率53.8%に注目しよう。先行して勝った馬は【2-1-1-2】勝率33.3%、複勝率66.7%で、3着以内なら【3-2-1-2】。
該当するのは橘S2着フォーゲル。2勝はすべて1200m、マーガレットS3着という戦歴から距離短縮は歓迎であり、安定した取り口も魅力だ。なにかに逃げ切られる可能性は残されているが、大きく崩れないのではないか。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 世界への挑戦』(ガイドワークス)に寄稿。
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