【シルクロードS】重賞でも内枠、逃げ先行を重視 東大HCが京都芝1200mを徹底検証

東大ホースメンクラブ

京都芝1200mのコースレイアウト,ⒸSPAIA

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コース紹介

今週日曜、京都芝1200mでシルクロードSが開催される。来たるGⅠ高松宮記念に向けて、前走阪神C3着のアグリや京阪杯2着のルガルなど、粒揃いのメンバーが参戦予定だ。京都競馬場の改修工事の影響から、この舞台で開催されるのは4年ぶりとなる。

当該コースの重賞はシルクロードSを含め3レース。他の2レースは、3歳スプリント王決定戦のGⅢ葵S、ジャパンCの裏開催でお馴染みのGⅢ京阪杯だ(使用するデータは2019年1月27日~2024年1月13日)。

データ解説の前にコース紹介。向正面の直線半ば付近でスタートしてから、3コーナーにかけていきなり上り坂になっている。3コーナーの入り口付近にある坂の頂上から下り坂を一気に駆け下りて最終直線へ。今回使用されるBコースでは最終直線が323.4mの長さで、これは中央場所では中山競馬場に次ぐ短さである。

内枠の逃げ先行が優勢

京都芝1200m・過去5年の枠別成績,ⒸSPAIA


<京都芝1200m・過去5年の枠別成績>
1枠【10-6-7-87】勝率9.1%/連対率14.5%/複勝率20.9%
2枠【8-5-11-90】勝率7.0%/連対率11.4%/複勝率21.1%
3枠【9-11-11-88】勝率7.6%/連対率16.8%/複勝率26.1%
4枠【7-6-12-96】勝率5.8%/連対率10.7%/複勝率20.7%
5枠【4-7-8-107】勝率3.2%/連対率8.7%/複勝率15.1%
6枠【8-11-4-107】勝率6.2%/連対率14.6%/複勝率17.7%
7枠【15-15-8-118】勝率9.6%/連対率19.2%/複勝率24.4%
8枠【8-8-8-136】勝率5.0%/連対率10.0%/複勝率15.0%

まずは枠別成績。複勝率で見ると内枠が有利。少しのロスが命取りになるスプリント戦では、やはりロスなく立ち回りやすい内枠の恩恵が大きいのだろう。中、外枠は全体的に低調だが、7枠だけは成績が良い。

過去10年の重賞に限定すると、内枠有利の傾向が顕著になる。1枠【5-4-2-23】勝率14.7%、2枠【5-1-1-28】同14.3%が優秀。3枠【2-4-3-26】複勝率25.7%、4枠【2-3-5-26】同27.8%とここまでは馬券的にも狙いやすい。しかし5枠から外の枠は勝率3%以下、複勝率も15%以下と苦戦しており、大きく割り引く必要がある。

京都芝1200m・過去5年の脚質別成績,ⒸSPAIA


<京都芝1200m・過去5年の脚質別成績>
逃げ【12-11-1-45】勝率17.4%/連対率33.3%/複勝率34.8%
先行【26-16-22-176】勝率10.8%/連対率17.5%/複勝率26.7%
差し【25-34-36-336】勝率5.8%/連対率13.7%/複勝率22.0%
追込【6-8-10-269】勝率2.0%/連対率4.8%/複勝率8.2%

次に脚質別成績について。スプリント戦らしく逃げ、先行が有利。前走逃げた馬が1、2枠に入ると【3-0-1-13】で勝率17.6%、単勝回収率105%とプラス域だ。逃げや先行で結果を残してきた馬が内枠に入った場合は軸に最適である。

過去10年の重賞でも、逃げが【6-3-0-9】で単勝回収率520%と大幅黒字。上級条件ではペースが厳しくなることが多いため、差しが決まりやすいのが普通だが、意外にも差し【4-9-8-109】勝率3.1%、追込【1-4-6-78】同1.1%と、後方勢は全体成績より数字を落とす形になった。素直に前で競馬ができる馬を狙うのが得策だ。


中穴で輝く岩田望来騎手

京都芝1200m・過去5年の種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<京都芝1200m・過去5年の種牡馬別成績>
ロードカナロア【9-8-4-49】勝率12.9%/連対率24.3%/複勝率30.0%
キンシャサノキセキ【4-3-4-34】勝率8.9%/連対率15.6%/複勝率24.4%
キズナ【3-3-0-21】勝率11.1%/連対率22.2%/複勝率22.2%

種牡馬別成績では、ロードカナロアが2位に5勝差をつけて独走。19年のシルクロードSを産駒のダノンスマッシュが制している。下級条件に滅法強く、未勝利戦【3-1-1-5】単勝回収率233%、1勝クラス【2-2-1-3】同107%の好成績。出走があれば要注目だ。

2位はキンシャサノキセキ。牝馬が【1-3-1-16】で勝率4.8%、単勝回収率14%なのに対して、牡馬は【3-0-3-15】で勝率14.3%、単勝回収率188%と性別で好走率に差があるのが特徴だ。

3位には意外にもキズナが入った。スプリント戦のイメージが薄い同産駒。前走から距離短縮している場合は【1-0-0-9】で複勝率10.0%、複勝回収率16%と苦戦している。一方、前走と同距離では【2-3-0-8】で複勝率38.5%、複勝回収率118%とプラス域だ。継続して短距離を使われている産駒を狙っていきたい。

今週のシルクロードSでは、ロードカナロア産駒のエターナルタイム、キンシャサノキセキ産駒のリバーラが出走予定。その他、ルガルの父ドゥラメンテは【0-3-0-3】、アグリの父カラヴァッジオは過去5年の出走歴がなく、バースクライの父ハーツクライは【0-2-1-12】だ。

京都芝1200mのコースデータ,ⒸSPAIA


<京都芝1200m・過去5年の騎手別成績>
武豊【8-1-3-12】勝率33.3%/連対率37.5%/複勝率50.0%
北村友一【6-3-1-21】勝率19.4%/連対率29.0%/複勝率32.3%
岩田望来【6-1-4-21】勝率18.8%/連対率21.9%/複勝率34.4%
C.ルメール【0-2-0-6】勝率0.0%/連対率25.0%/複勝率25.0%

最後に騎手別成績について。トップは8勝で武豊騎手。逃げると【3-0-0-0】で単勝回収率573%、差しに回っても【4-0-2-5】勝率36.4%、単勝回収率155%と驚異的な成績である。今年のシルクロードSでは騎乗しないが、今後見かけたら必ず押さえておきたい。

2位は北村友一騎手。19年のシルクロードSをダノンスマッシュで制している。5番人気以内だと【6-3-1-9】で勝率31.6%、単勝回収率157%と黒字域を記録しており、人気馬に騎乗する際は信頼できる。

3位は岩田望来騎手。2番人気以内だと【0-0-3-3】と連には絡めていない。しかし、3~6番人気だと【5-0-1-9】で勝率33.3%、単勝回収率352%と成績をグンと上げる。本命サイドではないそこそこの人気馬に騎乗する際には要警戒だ。

今週のシルクロードSでは岩田望来騎手がバースクライに騎乗予定。その他、エターナルタイムに騎乗予定のC.ルメール騎手は意外にも【0-2-0-6】と勝ちきれていない。平均3.6人気に対して、平均着順は5.9着なので、過剰人気なら思い切って馬券から外すのもアリだ。

京都芝1200m・過去5年の騎手別成績,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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