【天皇賞(春)】上がり3F5位以内が複勝率48.1%、複勝回収率156% 京大競馬研の本命はクロワデュノール

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春の長距離王者決定戦
5月3日(日)に天皇賞(春)(GⅠ)が行われる。大阪杯を制したクロワデュノール、阪神大賞典を制したアドマイヤテラ、昨年の勝ち馬ヘデントールをはじめとする実力馬15頭が集結し、春の長距離王者決定戦にふさわしい好メンバーとなった。
以下では、本レースが行われる京都芝3200mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
高い機動力と末脚の持続力が重要な舞台
まずは京都芝3200mのコース形態をみる。向正面左側からスタートし、初角となる3コーナーまで距離は約400m。直線半ばから緩やかな坂を上って3コーナーで頂上を迎え、4コーナーにかけて下る。スタンド前の直線は平坦で、1~2コーナーを回ってスタート地点に戻り、1週目と同じコースでゴールを目指す。最終直線は約399m(Cコース使用時)で平坦。これが今回のコースレイアウトだ。
まず注目すべきは初角までの距離がやや長い点だ。3200mという距離に対する意識もあって、鞍上が押して激しい先手争いをすることは少ない。しかし、その後の下り坂で速度がつきやすいため、折り合いをつけることが難しく、序盤の先行負荷はそれなりに大きい。スタンド前の直線は平坦で、下り坂からの惰性でペースは落ちにくい。
1~2コーナーに入った後にペースは落ち着く。向正面半ばからの上り坂を登り切るまで中盤はゆったりと進む。
加速するのは2周目の3コーナーの頂上から。ここからの下り坂で、中盤で脚を溜めた先行勢が一気にスピードを上げていくため、後方勢が先行勢とのポジション差を埋めにくい。このようなコースの場合、通常は先行勢が押し切りやすいが、京都芝3200mでは異なる。この長距離に加え序盤の先行負荷もまずまず大きいため、地力のない先行勢は直線半ばで脚が止まり、一気に脱落する。
したがって、下り坂を生かして前目の位置までマクれる機動力の高い差し馬が恵まれやすく、次点がポジション差を生かして押し切れる地力の高い先行馬となる。どちらも激しいロングスパート戦で長く良い脚を使う、末脚の持続力が重要だ。これが今回のレースの質だ。
上位の上がりを使った馬が馬券圏内25頭を占める

<天皇賞(春)上がり3F5位以内馬の成績>
【8-9-8-27/52】
勝率15.4%、連対率32.7%、複勝率48.1%、
単勝回収率53%、複勝回収率156%
※京都開催の直近10回
この傾向は数字にも表れている。京都開催の天皇賞(春)における上がり3F5位以内馬の成績は上記の通り優秀だ。馬券圏内25頭を該当馬が占めており、地力のない先行馬の残り目はかなり少ない。やはり下り坂からのロングスパート戦における末脚の持続力が最重要だ。
瞬発力というより、スタミナと持続力が問われる3F34秒後半から35秒台の上がりを持つ馬を評価したい。とにかく「長く良い脚を使えるか」を意識したい。
また、該当馬が8勝を上げているのにもかかわらず単勝回収率があまり伸びていない。つまり、地力の高い人気馬が順当に能力を発揮しやすい条件であるということも押さえたい。
これらの点を踏まえて展開予想をしていく。
逃げ馬は不在だが先行馬多数
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は直近の国内戦におけるコーナー通過順位に3番手以内のある先行馬が6頭と、出走馬全15頭に対して多い。絶対に逃げたいという明確な逃げ馬は不在ながら、前述のコース形態と合わせて先行負荷はそれなりに大きいとみる。
展開面でも、道中動いていける機動力の高い差し脚確かな馬、次点で地力の高い先行馬が恵まれるとみる。先行力や機動力のない、終始後方待機の馬は届きにくい。
また、3コーナー頂上からのロングスパート戦となることも間違いないだろう。4角時点で前目に付けたうえで、長く良い脚が使えるかをやはり重視したい。まずは能力比較を徹底した上で、これらの点とオッズ妙味を考慮して印を打っていく。
大阪杯では最も強い競馬
◎クロワデュノール
前走の大阪杯は大外枠から8番手で追走。内に上手く入れられず終始外を回し続ける、かなりロスのある厳しい競馬だった。コーナー通過順位8-8-6-4と終盤は高い機動力で外から進出し、上がり2位の脚を使って差し切った。
ハイペースとはいえ内前有利な阪神芝2000mで、内ラチ沿いを通した馬が2、3着に来る展開だった。最も強い競馬をしており、着差以上に評価できる。
2走前のジャパンCは前半1000m57.6秒の超ハイペースを4番手で先行。4角9番手以下の馬が1、2、3、5、6着に来る非常に差し有利な展開を0.6秒差4着に粘った。これも着順、着差以上に評価できる内容だ。世界最高峰の一戦で展開不利の中、能力の高さを示した。
近2走は本馬の武器である強靭なスタミナと末脚の持続力を遺憾なく発揮できており、今回のレースでもそれは大きな強みとなる。また、ホープフルS、皐月賞、大阪杯と安定して高い機動力を示している点も魅力的だ。
一回使って状態も上げてきている。中団を追走し、終盤は前目まで押し上げ、持ち前のスタミナと末脚の持続力を最大限発揮できれば勝ち負け必至とみて本命を打つ。
◯アドマイヤテラ
ロングスパート戦における末脚の持続力が非常に高い。前走の阪神大賞典は1000m通過62.5秒のスローペースで馬群が大きく伸びることもなく、ポジション差以上に最後のロングスパートでの末脚で着順が決まる競馬だった。
本馬はコーナー通過順位6-6-5-3と徐々に進出。上がり2位の馬より0.6秒速い脚を使い、2着に0.5秒差の快勝。高い機動力と末脚の持続力を示した。
菊花賞の内容からも、京都の長距離戦で下り坂を生かして前目の位置までマクっていく力はメンバー随一だ。中団から外目をスムーズに追い出せれば好走可能とみる。
▲タガノデュード
前走の大阪杯はクロワデュノールに次いで強い競馬をしたと評価する。8枠14番から後方3番手を追走し、終始外目を回されていた。
4コーナーでは力強く動いていく機動力を見せ、そのまま大外から上がり最速で0.3秒差4着。着順、着差以上に評価できる内容だった。上位3頭がGⅠ馬で、メンバーレベルを考えればここでも上位に食い込めるだけの能力がある。
コーナーで進出する機動力はあるものの、序盤の追走力には課題がある。その点で、3200mの距離が持てば、距離延長で近走よりも前を追走しやすくなることは大きなプラス材料とみる。前走の敗戦でオッズ妙味が見込まれる。
△アクアヴァーナル
高い京都適性の持ち主。阪神大賞典は上がり4位でアドマイヤテラから0.5秒差の2着。2走前の万葉Sはラスト4F11.6-11.4-11.0-11.6と後半ラップが優秀だ。近2走の内容から地力は十分。安定した先行力があるので、今回も好位から運べれば。
×ヘデントール
前走の京都記念は長期休養明けかつ大幅な距離短縮で後方からの競馬。加えてスローペースの展開不利もあり、完全に度外視可能。昨年の天皇賞(春)の内容を見れば能力は最上位だ。ただ、どこまで戻せているかの不安があり、あまりに人気するようなら嫌いたい。想定オッズ段階では相手に押さえておくが、最後までオッズを注視したい。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△馬連3点、◎-◯▲-◯▲△×3連複5点で勝負する。
▽天皇賞(春)予想▽
◎クロワデュノール
◯アドマイヤテラ
▲タガノデュード
△アクアヴァーナル
×ヘデントール
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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