【天皇賞(春)】クロワデュノールが父に次ぐ偉業へ 複勝率77.8%の王道ローテで臨むアドマイヤテラも有力

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3番人気以内10勝
春のGⅠシリーズはセカンドステージへ。格式高い天皇賞(春)でその幕を開ける。舞台は新緑の淀、芝2マイル。3、4コーナーに待ち受ける淀の丘を2度越えていくレイアウトは平坦のイメージが強い京都のなかでももっともタフなコースだ。
ステイヤーに必要な体力、心肺機能はもちろんのこと、スローペースに対応できるコントロールと末脚比べで屈しないスピードも求められる。サラブレッドに必要な資質のすべてが詰まったコース。それが京都芝3200m。まずは挑戦する馬たちに敬意を表したい。
そして、競馬の魅力を詰め込んだ天皇賞(春)というレースをじっくり堪能しよう。ここからは過去10年分のデータを使用し、今年の天皇賞(春)を展望する。

人気別成績では1番人気【5-3-0-2】勝率50.0%、複勝率80.0%、2番人気【4-0-1-5】勝率40.0%、複勝率50.0%と強力で、勝ち馬は3番人気【1-0-1-8】勝率10.0%、複勝率20.0%まで。上位人気の支持を集めるだけの格が問われる。
以下、4番人気【0-1-5-4】複勝率60.0%から6番人気【0-2-2-6】複勝率40.0%まで。7番人気【0-0-0-10】からは一気に好走確率が下がる。人気薄の一発への期待は近年、ことごとく弾き飛ばされる。格式あるレースにふさわしい馬が好走する。そんなGⅠだ。

年齢では4歳が【5-3-5-30】勝率11.6%、複勝率30.2%と断然の成績をあげている。以下、5歳【4-3-1-37】勝率8.9%、複勝率17.8%が続き、6歳【1-3-1-33】勝率2.6%、複勝率13.2%、7歳以上【0-1-3-33】複勝率10.8%。気力充実の世代を素直に上にとりつつ、決して6歳以上を軽視しすぎない。天皇賞(春)に挑戦するすべて馬への敬意を馬券に反映させるような心持がちょうどいい。
上昇見込める前年覇者ヘデントール
なんといっても大阪杯を勝ったダービー馬クロワデュノールが一番手。大阪杯との連勝は父キタサンブラックが2017年に達成したのが最後。父子による偉業達成がかかる。

前走重賞組のクラス内訳をみると、前走GⅠが【2-1-0-7】勝率20.0%、複勝率30.0%。このうち大阪杯は【1-1-0-5】勝率14.3%、複勝率28.6%で、1着馬は【1-0-0-0】。この一頭がキタサンブラック。裏を返すなら、キタサンブラック以降、大阪杯勝ち馬が天皇賞(春)に出走した例すらない。
クロワデュノールの挑戦はそれだけ異例ではあるものの、キタサンブラックを父に持つダービー馬というプロフィールを踏まえれば、それにかける価値は十分ある。できすぎなストーリーのようでもあるが、夢であることは事実であり、得てして競馬はそんなストーリーを完成させることもある。
今年はもう一頭、4着タガノデュードも登録した。キタサンブラック以外で大阪杯組の好走は18年大阪杯13着から2着に巻き返したシュヴァルグランだけ。前年ジャパンCの勝ち馬だった。やはり格は問われる。

前走GⅡ(国内)【7-8-8-92】勝率6.1%、複勝率20.0%のうち、阪神大賞典が【3-6-5-49】勝率4.8%、複勝率22.2%と好走馬の約半数を占める。その着順内訳は明確で、1着【3-2-2-2】勝率33.3%、複勝率77.8%が断然。今年の勝ち馬アドマイヤテラが該当する。
阪神大賞典は内を巧みに立ち回り、勝負所で順位を上げて最後は抜け出すという理想的な競馬だった。長距離に必要な資質は十分証明した競馬であり、当然、クロワデュノールの対抗格になる資格はある。
1着馬以外は9着以内であれば、好走確率はほぼ同じ。1頭ずつぐらい好走馬を送っている程度でここから本命馬を絞り出すのはちょっと難しい。まずは1着アドマイヤテラだろう。

関東のステップレースである前走日経賞は【2-1-2-33】勝率5.3%、複勝率13.2%。こちらは1着【1-0-1-7】勝率11.1%、複勝率22.2%、3着【1-1-0-3】勝率20.0%、複勝率40.0%と馬券圏内なら勝機はある。ただ、今年の登録は4着エヒト、14着ミステリーウェイの2頭。上位馬不在とあってはやや劣勢だろうか。どちらも先行する力をもっており、自力で道を拓くチャンスはある。
また前走京都記念は【0-0-1-5】複勝率16.7%。19年パフォーマプロミスが京都記念4着から着順をひとつあげた。同じ京都でも芝2200mに対応しきれなかったことが天皇賞(春)につながった。前年覇者ヘデントールの前走8着は長期休養明けであり、悲観材料ではない。3200mならもっと流れに乗って競馬に入れるだろう。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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