【皐月賞】末脚が最重要もCコース替わりの前残りに注意 京大競馬研の本命はグリーンエナジー

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好メンバーが揃った牡馬クラシック一冠目
4月19日(日)に皐月賞(GⅠ)が行われる。暮れの2歳GⅠを制したカヴァレリッツォ、ロブチェンをはじめ、出走馬18頭中9頭が重賞で勝利を挙げており、例年以上に好メンバーが揃った印象だ。どの馬が牡馬のクラシック一冠目を手にしてもおかしくない大混戦模様だ。
以下では、本レースが行われる中山芝2000mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
ロングスパート戦で末脚の持続力が試される
まずは中山芝2000mのコース形態をみる。正面スタンド前からスタートし、初角までの距離は約400m。内回りコースを使用する。
スタート直後に急坂、1~2コーナー中間まで上り坂、そこから向正面半ばまで下り坂。道中は起伏がありながら平坦な3~4コーナーを回ると、直線は中央主場4場の中で最短の310m、ゴール前に高低差2.4mの急坂がある。これが今回のコースレイアウトだ。
注目すべきは初角までの距離が約400mとそこそこ長い点と、スタート直後に急坂がある点だ。初角までの距離が長いコースは通常、序盤の争いが激化しやすい。しかし、このコースは坂で最初のダッシュが付きにくい。
加えて本レースは世代限定戦らしく、スローペースからの瞬発力戦を勝利してきた馬が例年多く集まる。一昨年のメイショウタバルのようにテンの速さが突出した逃げ馬がいない限り、序盤は速くなりにくい。
一気にペースが上がるのは3コーナーに入ってから。ここからゴールまでロングスパート戦になりやすい。一瞬のキレ味よりも末脚の持続力が求められる。
序盤~中盤のペースから3コーナー時点で馬群が凝縮し、先行勢と後方勢にそこまで大きなポジション差はないことが多い。純粋なポテンシャル勝負になりやすい。
位置取り以上に、コーナーでの加速力を含めた末脚の持続力、ロングスパート戦で急坂をものともせず伸び続ける粘り強さが求められる。これが今回のレースの質だ。
Cコース替わりで先行馬の残り目にも注意

<皐月賞 上がり3F5位以内馬の成績>
【9-7-8-31/55】
勝率16.4%、連対率29.1%、複勝率43.6%、
単勝回収率183%、複勝回収率146%
※過去10年
この傾向は数字にも表れている。皐月賞における上がり3F5位以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。
馬券圏内30頭中24頭を該当馬が占めており、中山のレースでありながら、速い上がりを使えなかった先行馬の残り目は少ない。メンバーレベルが高い中でも上位の上がりを使うポテンシャルを持っているかがまず重要だ。
本来は「ダービーではなく中山の皐月賞なら」と期待されて過剰人気するような、現時点の能力で見劣る先行馬は嫌いたいレースだったが、今年も昨年に引き続きCコース替わり初週の施行となる。先行馬の残り目にも十分に注意して印を打ちたい。
先行馬がかなり手薄なメンバー構成
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が3頭と出走馬全18頭に対して少ない。
近2走で逃げた馬はいない。最もテンの速いロードフィレールも前走は1000m通過60.2秒のミドルペースを2番手追走だった。距離延長馬が多いとはいえ、先行馬がここまで手薄だと序盤から競り合ってのハイペースは考えにくい。
展開としては3コーナー付近からゴールまでラスト4~5Fのロングスパート戦になることが濃厚だ。序盤、中盤はどの馬にとっても比較的追走しやすいペースとなるだろう。
この展開で恵まれるのは、やはりロングスパート戦で末脚の持続力を発揮できる馬だ。ただし例年以上に位置取りが重要になるペースで、相当高い地力がなければ最後方からまとめて差し切るのは厳しい。近走における追走力も意識して印を打っていく。
京成杯で示したGⅠ級のポテンシャル
◎グリーンエナジー
前走の京成杯は好スタートを決めるも11番手からの追走。道中は内ラチ沿いを追走し、直線は他馬の間を捌いてきた。追い出してからの伸びは明らかに別格で、上がり3F最速33.8秒をマークして勝利。4角4番手以内の馬が2、3、5着に残る前残りの展開であり、タイム差以上に力の差を感じる内容だった。
京成杯において「1:59.3以内」かつ「上がり3F33.8秒以内」で勝利したのはグリーンエナジーだけ。特に上がりが優秀で、次点が日本ダービー馬ダノンデサイル、皐月賞馬ソールオリエンスと続く。本馬も間違いなくGⅠ級のポテンシャルを秘めている。
新馬、未勝利戦も時計、上がり、内容全てがハイレベルで、今回の好メンバーの中でもポテンシャルは随一と評価する。
中山芝2000mの舞台適性も高く、想定されるロングスパート戦も長く良い脚を使える本馬に向く。外目からスムーズに追い出し、ポテンシャルを最大限発揮できれば勝ち負け必至とみて本命を打つ。
◯カヴァレリッツォ
デイリー杯2歳Sは内から進出していき3番手での追走。前に馬を置く教育騎乗を徹底し、道中は行きたがる様子も見せた。直線に向くと早め先頭で抜け出し、上がり2位の脚を使いタイム差なし2着。1:33.1はデイリー杯2歳Sのレースレコードかつラスト2F11.2-11.2と次走以降に期待が高まる走りだった。
その期待に違わぬ完勝となったのが朝日杯FS。ハイペースで差し有利な展開が向いたとはいえ、外伸び馬場で最内を突いて上がり最速で快勝。負かした馬の次走以降の内容を見てもやはり世代最高峰の一戦であったことは間違いない。今回のメンバーでも上位のポテンシャルを持つ一頭だ。
やや折り合いに不安がある馬の距離延長ではあるが、最内枠から前に馬を置いて追走できそうな点はプラス。新馬戦と朝日杯FSで急坂に対応できていて、中山適性がそれなりに高そうな点もいい。道中スムーズに折り合いをつけて直線で早めに抜け出す競馬ができれば勝ち負け可能とみる。
▲マテンロウゲイル
2走前の京成杯は前有利な展開が向いたとはいえ、グリーンエナジーとタイム差なしの2着。能力の高さを示した。若葉Sはミドルペースを6番手で追走し、上がり最速で2着に0.4秒差をつける完勝。ラスト4F11.6-11.5-11.5-11.5という優秀なラップを楽々と差し切る衝撃の末脚だった。今回想定されるロングスパート戦でもこのラスト4Fの末脚の持続力は生きる。
△パントルナイーフ
東スポ杯は時計、上がり、ラップ全てが優秀でGⅠ級のポテンシャルを示していた。その際に負かした馬の次走以降を見てもここでは地力上位。
×リアライズシリウス
新潟2歳Sを高く評価。安定した先行力を持ち、ここは好位から運べる。位置取りのアドバンテージを最大限に生かせれば。
×ロブチェン
ホープフルSの内容だけ走れば引き続きクラシック主役級の一頭。ただ、やや過剰人気の見込みで今回は相手まで。
買い目は◎◯単勝2点、◎-◯▲△×馬連5点、◎-◯▲△-◯▲△×3連複9点で勝負する。
▽皐月賞予想▽
◎グリーンエナジー
◯カヴァレリッツォ
▲マテンロウゲイル
△パントルナイーフ
×リアライズシリウス
×ロブチェン
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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