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【皐月賞】ドゥラメンテが鬼脚強襲 リアルスティール、キタサンブラックをのみ込んだ2015年をプレイバック

2026/04/13 17:00
緒方きしん
プレイバック2015年 皐月賞,ⒸSPAIA

タレント勢揃いの2015年牡馬クラシック

今週は皐月賞が開催される。過去にはセイウンスカイやテイエムオペラオー、ゴールドシップらが制した牡馬クラシックの第一戦。今回はそんな中から2015年のレースをピックアップし、当時のレースを振り返っていく。

2015年の皐月賞は、いわゆる3強対決の様相を呈していた。

1番人気はサトノクラウン。3戦3勝に加え、東京スポーツ杯2歳S、弥生賞と出世レースを制しての参戦であり、鞍上はC.ルメール騎手との初コンビで臨む。

過去2戦でサトノクラウンに騎乗した福永祐一騎手は、同馬ではなく2番人気のリアルスティールとのコンビで挑む。新馬戦、共同通信杯を連勝後のスプリングSでは2着に敗れたが、良血馬の母ラヴズオンリーミー×ディープインパクトといった血統背景もあり、高い素質を評価されていた。

単勝オッズ3.1倍のサトノクラウン、同3.8倍のリアルスティールを追うのが、単勝4.6倍のドゥラメンテ。新馬戦、共同通信杯では2着に敗れたものの、全4戦で上がり3F最速を叩き出していた。父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴ。こちらも日本を代表する良血馬であり、荒削りながらも垣間見せる才能の片鱗に多くのファンが期待を寄せた。

他にも、スプリングSでリアルスティールを撃破し、目下3連勝中のキタサンブラック、朝日杯FS を制した2歳王者ダノンプラチナなど多くの実力馬が顔を揃えた。

出走馬の血統にも目を向けると、ディープインパクト産駒はリアルスティールとダノンプラチナの2頭。一方、その兄ブラックタイドの産駒はキタサンブラック、タガノエスプレッソ、コメートの3頭が出走しており、“兄弟種牡馬対決”にも注目が集まった。


皐月賞史に残る、衝撃的な末脚

ほぼ揃ったスタートも、サトノクラウンはややスピードに乗り切れず、先行して押し切った弥生賞とは異なる競馬となる。先頭にはキタサンブラックが一旦収まりかけるが、さらに外から横山典弘騎手騎乗のクラリティスカイが主張して先頭を奪う。リアルスティールは5番手、一方のドゥラメンテは後方2、3番手付近を追走する。

やや縦長の隊列をクラリティスカイが引っ張り、キタサンブラックが2番手で追走。向正面ではベルラップが位置を押し上げるも、呼応する馬も出てこない。ただ、馬群は徐々に一団にまとまっていく。

そして3、4コーナー。キタサンブラックが前のクラリティスカイに並びかけていく。リアルスティールも仕掛けて3番手まで浮上。後方勢も動き出し、サトノクラウンが大外から一気に加速する。

逃げるクラリティスカイも鞍上の叱咤激励に応えて粘るが、直線に入るとリアルスティールがキタサンブラック、クラリティスカイをまとめて交わし先頭へ。抜かれたキタサンブラックも食らいつき、2頭の脚色が際立つ。後方からはサトノクラウンとドゥラメンテが大外から追い込むが、中山の短い直線で届くかどうか。

ゴールまで200mを切る。突如、ドゥラメンテの末脚に火がついた。次元の違う脚でキタサンブラックを交わすと、先頭のリアルスティールを並ぶ間もなく抜き去った。ゴールを前に鞍上のM.デムーロ騎手がガッツポーズを見せながら流す余裕すらある完勝。その後のダービーまで見えるような、圧倒的な走りだった。

上がり3Fのタイムを見ると、リアルスティール、サトノクラウンらが記録した34.5が2番手タイ。しかし、ドゥラメンテの叩き出したタイムは33.9と、数字の上でも際立っていた。まさに鬼の末脚で掴み取った勝利といえる。

2着には2番人気のリアルスティール、3着は4番人気のキタサンブラックが入った。1番人気のサトノクラウンこそ、6着と馬券圏外に敗れたものの、結果的には2〜4番人気による決着となった。ただ、それでも3連単は12,360円と万馬券であり、ドゥラメンテとキタサンブラックのワイドは1,130円の好配当。その後を知る我々からすれば、おいしい馬券だった。


リアルスティール産駒アドマイヤクワッズ、キタサンブラック産駒バステールら参戦

2015年クラシック世代のその後の活躍は説明不要かもしれない。

ドゥラメンテはダービーを制するも、翌年の宝塚記念2着を最後に故障のため引退。種牡馬入り後も早逝してしまう。しかし、残された僅かな世代からタイトルホルダーやリバティアイランド、マスカレードボールといった競馬界を代表するような活躍馬が登場し、その大いなるポテンシャルを改めて証明した。

キタサンブラックは三冠目の菊花賞を制すると、古馬になってさらに才能が開花。2016年、2017年の年度代表馬となると、2020年にはJRA顕彰馬に選出される。現在は種牡馬としても活躍し、イクイノックスやクロワデュノールら大物を輩出している。

サトノクラウンは続くダービーも3着に敗れ、クラシック未勝利に終わるも、古馬になってからは香港、日本でGⅠを制する活躍を見せた。種牡馬としては、ダービー馬のタスティエーラを輩出。同馬も父と同じく香港GⅠを制し、種牡馬入りを果たしている。

そしてリアルスティールは翌年のドバイターフでGⅠを制覇。引退後は種牡馬として、世界のダート界を牽引する名馬フォーエバーヤングを輩出。日本競馬史に、深くその名を刻み込んだ。ほかにもレーベンスティールやビダーヤなど、多彩な活躍馬を送り出している。

今年の皐月賞にはリアルスティール産駒からアドマイヤクワッズとサウンドムーブが、キタサンブラック産駒からはバステールと実力馬が延べ3頭登録している。

一方、ドゥラメンテ産駒は現4歳世代がラストクロップのため、今年からはクラシックで見られなくなる。牡馬クラシックでは菊花賞をタイトルホルダー、ドゥレッツァ、エネルジコで3勝したものの、皐月賞とダービーは未勝利に終わった。

今後はタイトルホルダーの産駒たちがクラシックを目指すようになるだろう。さらに、他の活躍馬たちも種牡馬入りを果たし、その血を受け継ぐ世代がターフを賑わせる可能性もある。

2015年クラシックを盛り上げた優駿たちの戦いは続いていく。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、ダイワスカーレット、アパパネ、ドウデュース。

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