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【皐月賞】複勝率60.0%ローテで参戦のリアライズシリウスが有力 弥生賞組バステールには“連軸向き”のデータ

2026/04/12 18:00
勝木淳
過去10年のデータから見る皐月賞,ⒸSPAIA

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大混戦の三冠初戦

皐月賞登録馬を見渡すと、重賞を複数ものにした馬はリアライズシリウス1頭。朝日杯FS覇者カヴァレリッツォは4カ月の休み明け。ホープフルSを勝ったロブチェンは共同通信杯に出走し、3着に敗れた。

さらに3歳になってから世代限定重賞で1番人気が勝利したケースはチャーチルダウンズC終了時点で、きさらぎ賞(ゾロアストロ)、ファルコンS(ダイヤモンドノット)、毎日杯(アルトラムス)の3頭しかいない。

トライアルは弥生賞ディープインパクト記念(以下、弥生賞)、スプリングSを3、8番人気が勝った。若葉Sこそ1番人気マテンロウゲイルが制したものの、とにかく主役が勝てない。勝ち馬が目まぐるしく変わり、1番人気が苦戦する。典型的な混戦のクラシックといっていい。

ただでさえ近年は有力馬が前哨戦でぶつかる機会が減り、皐月賞でようやく初対決を迎え、その結果を受けてようやく確固たる構図、序列ができあがる。皐月賞が終わらなければわからない。

今年は皐月賞の前から大混戦であり、皐月賞が終わってもすっきりと並びかけられない可能性すらある。ダービーまでの約1カ月半、頭を悩ませる時間が長引きそうで、それはそれで幸せだ。

ここからは過去10年分のデータを使用し、今年の皐月賞を展望する。


人気別成績,ⒸSPAIA


人気別成績では1番人気【2-1-3-4】勝率20.0%、複勝率60.0%、2番人気【3-0-0-7】勝率、複勝率30.0%、3番人気【1-3-2-4】勝率10.0%、複勝率60.0%と上位は割れて拮抗しているものの、崩れる場面は想定しにくい。

8番人気【1-1-2-6】勝率10.0%、複勝率40.0%など人気薄の割り込みもなくはないが、5番人気以内の壁は厚い。混戦と謳われ、主役なき皐月賞と称される年もあるが、終わってみれば上位人気という年は案外多い。とはいえ、上位人気に偏りがなく、本命の打ちがいのある一戦になりそうだ。


キャリア別成績,ⒸSPAIA


キャリア別の成績も正直いうと、さほど傾向がない。2戦以下【2-1-0-11】勝率14.3%、複勝率21.4%は数が少ないため、数字が大きく出ており、際立つと表現できるほどではない。3戦【3-4-2-25】勝率8.8%、複勝率26.5%、4戦【3-2-7-44】勝率5.4%、複勝率21.4%、5戦【2-2-1-29】勝率5.9%、複勝率14.7%も候補になる。

特に4戦組の3着7回は目につく。2勝+重賞+GⅠ、もしくはGⅠ+重賞といった戦歴が理想的。賞金をしっかり稼ぎ、その上である程度、ハイレベルな舞台で経験を積むといったプロセスがよさそうだ。


令和の定説「皐月賞は共同通信杯から」

GⅠ馬カヴァレリッツォはマイル3戦で2歳シーズンを終え、皐月賞に進む。距離というより、中距離戦への対応力が求められる。似た境遇のアドマイヤクワッズは弥生賞で3着に敗れており、マイルからの距離延長の難しさを露呈した。さて、カヴァレリッツォはこれを乗り越えて一発回答となるか。


前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別をみると、前走GⅠは【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%。悪くないが、内訳はホープフルS【2-1-0-4】、さらに1着馬が【2-1-0-2】。今年は該当する馬がいない。

朝日杯FSは【0-1-0-2】。馬券に絡んだのは20年サリオスだけ。サリオスの朝日杯FSはどう考えてもマイラーのレースぶりではなく、距離延長の可能性に含みをもたせた。その意味ではカヴァレリッツォも似た雰囲気はある。母の母はバラダセールなので、サトノフラッグ、サトノレイナスの近親にあたる。むしろ中距離向きの血脈だ。


前走GⅡ、GⅢ・レース別成績,ⒸSPAIA


ではGⅠ以外の重賞組はどうか。すっかり有名になったが、前走共同通信杯が【4-0-5-13】勝率18.2%、複勝率40.9%と抜けた存在になりつつある。ここは1着【3-0-3-4】勝率30.0%、複勝率60.0%、2着【1-0-1-4】勝率16.7%、複勝率33.3%。重賞2勝馬リアライズシリウスはやはり有力だ。

父ポエティックフレアの初年度のうち血統登録されたわずか37頭から出現した同馬はGⅠタイトルをつかめるのか。父は受胎率の低さからシンジケートが解散された。父に捧げるGⅠ勝利。物語を感じる一頭だ。

前走弥生賞は【1-5-2-30】勝率2.6%、複勝率21.1%。ミュージアムマイルがこのローテで勝利したが、その前は2010年ヴィクトワールピサまで勝ち馬がいないという難しい臨戦過程だ。1着【0-4-0-5】複勝率44.4%、2、3着【0-0-2-15】、4着【1-1-0-3】。バステールを連軸とするのは悪くない。

昔から弥生賞はダービーにつながるレースとされており、その流れは今も変わっていない。弥生賞好走→皐月賞惜敗→ダービー制覇は有力な流れであり、弥生賞組の皐月賞での走りには注目したい。

スプリングSは【1-0-1-33】勝率2.9%、複勝率5.7%ともっと厳しく、1、2着【1-0-1-14】、3着以下【0-0-0-19】。連対も決して買い材料とはいえず…。


前走共同通信杯以前GⅡ、GⅢ1着馬の着差別成績,ⒸSPAIA


少し視点を変える。共同通信杯より前のGⅡ、GⅢから皐月賞に向かうと【1-1-2-18】勝率4.5%、複勝率18.2%。このうち1着馬が【1-1-2-13】勝率5.9%、複勝率23.5%であり、休み明けの重賞勝ち馬を買う基準は着差にある。

0.0差【0-0-0-3】、0.1~0.2差【0-0-1-7】、0.3~0.5差【1-1-0-3】、0.6~0.9差【0-0-1-0】。完勝は買い材料といっていい。共同通信杯より前の重賞はメンバーレベルがマチマチで、場合によっては高くないケースもある。ゆえに着差で区別していくと評価しやすい。


過去10年のデータから見る皐月賞,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。

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