【青葉賞】「前走阪神芝2400m勝ち」は複勝率50% ブラックオリンピア、シャドウマスターらに注目

陣営の戦略を読み解くダービートライアル
ダービートライアル青葉賞は昨年から皐月賞の翌週に繰り上げられた。ダービーまでの出走間隔は中4週に広がった。この1週間の差がどれほど影響するのか。
昨年は2着ファイアンクランツがダービーに進み、9着。勝ち馬エネルジコはコンディションが整わず、登録を見送った。とはいえ、皐月賞組は中5週であり、単に出走間隔の問題でもなさそうだ。
皐月賞に駒を進めた精鋭たちとそこにたどり着かなかった馬たちの実力差なのか。それとも東京芝2400mをひと月で2度走る消耗が激しいのか。青葉賞とダービーの関係は毎年、必ず議論を呼ぶ。
とはいえ、青葉賞の距離を芝2000mに縮めるというのも気が引ける。青葉賞とはこうあるべきという固定観念が邪魔しているのか。そもそも距離の問題なのか。とにかく考えることが多すぎる。それだけダービーというレースは重い。
本番まで5週間、大いに思考を巡らせたい。ここからは過去10年分のデータを使用し、今年の青葉賞を展望する。

人気別では1番人気【3-2-3-2】勝率30.0%、複勝率80.0%と堅調で、以下、2番人気【1-3-0-6】勝率10.0%、複勝率40.0%、3番人気【2-0-1-7】勝率20.0%、複勝率30.0%、4番人気【2-2-2-4】勝率20.0%、複勝率60.0%と続く。
勝ち馬は6番人気【1-0-2-7】勝率10.0%、複勝率30.0%まで。複勝圏も7番人気【0-2-0-8】複勝率20.0%ぐらいまで。それ以下も好走馬を出しているが、基本的には上位人気を中心に考えていい。

キャリア別成績をみると、3戦が【4-3-0-28】勝率11.4%、複勝率20.0%と一歩リード。4戦【2-3-2-26】勝率6.1%、複勝率21.2%、5戦【1-4-3-26】勝率2.9%、複勝率23.5%も悪くない。
また2戦以下も【1-0-4-9】勝率7.1%、複勝率35.7%と好走馬を出しており、皐月賞路線に進みながら、方向転換をしてダービーへというシナリオも悪くないが、ハナから皐月賞ではなく、ダービーに照準を合わせるか、ややデビューが遅れ、3歳になってから頭角を現してきた馬が好走しやすい。いずれにしても陣営の戦略を読み解くことも青葉賞の馬券ではカギとなる。
キーワードは昇級初戦、阪神芝2400m、大寒桜賞
皐月賞除外のオルフセンはキャリア3戦でホープフルS6着からの転戦。GⅠ出走に必要な権利や賞金を稼ぎにいっておらず、消耗していないのはいい。狙いはダービー一本だ。

前走クラス別をみると、前走重賞【3-3-1-29】勝率8.3%、複勝率19.4%に対し、1勝クラスは【6-5-7-61】勝率7.6%、複勝率22.8%。未勝利【1-0-1-20】勝率4.5%、複勝率9.1%も合わせ、格上挑戦、昇級初戦の壁はさほど高くない。既成勢力を突破する新星を探したい。

とはいえ、前走重賞組とて軽くは扱えまい。その着順内訳は4着以内【2-3-1-11】、5着以下【1-0-0-18】。重賞を好走しつつ、あえて次走に青葉賞を選ぶ。皐月賞をパスするローテーションに注目だ。一方で、重賞敗退から立て直してダービーを目指すというシナリオはありがちながら、険しい道のりであり、軽視してもいい。

次に、前走1勝クラスに注目しよう。2400m【3-3-3-17】勝率11.5%、複勝率34.6%、距離延長の前走2400m未満は【3-2-4-44】勝率5.7%、複勝率17.0%。一見すると2400m組優勢も、分母を考えると、距離延長も互角といっていい。どちらもしっかり検討を重ねたい。
まず、前走が阪神芝2400m1着馬は【2-2-2-6】勝率16.7%、複勝率50.0%と手堅い。外回り、ある程度スタミナを問うコースを突破できた脚力は評価に値する。
アザレア賞を勝ったブラックオリンピアはPOGでも指名者を集めた評判馬。1800、2000mの未勝利戦を勝ち上がれず、2200mで初勝利をあげ、勢いそのまま連勝した。明らかに2400m適性が高く、有力だろう。キャリア4戦も悪くない。
ゆきやなぎ賞を勝ったシャドウマスターは2歳11月新馬Vから年明け1勝クラス平場芝2000mで5着敗退。この時点で2000mは捨て、2400mに適性を見出した。ゆきやなぎ賞での終いの伸びはそれを証明した。キャリア3戦。青葉賞までしっかり休めたのもいい。
距離延長組は1着馬【3-2-4-19】勝率10.7%、複勝率32.1%。2着以下【0-0-0-25】。勝って昇級が理想だ。大寒桜賞1着馬が【2-1-1-3】勝率28.6%、複勝率57.1%であり、テルヒコウは有力候補。大寒桜賞を逃げて勝った場合【2-0-0-0】。リオンリオン、シュガークンがここを突破し、夢の舞台への切符を手にした。
今年の大寒桜賞は後半1000m11.8-11.7-11.5-11.3-11.8。テルヒコウには強気に出て、道を切り拓いてほしい。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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