【福島牝馬S】今年も中山牝馬S組がカギ 8着ケリフレッドアスクの一変警戒

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展開読みがカギを握る福島芝1800m
3週間の春の福島競馬で、唯一の重賞が福島牝馬ステークス。芝1800mは中山牝馬Sと同じ。競馬場は違うが、その構造は正面直線の急坂を除くと、かなり似ている。
1コーナーまでの距離が短く、先行争いの決着次第でペースは揺れる。1コーナー手前で隊列が決まれば、コーナー区間でペースが落ちて流れは落ち着くが、隊列が決まらないまま1コーナーを迎えると、コーナーで速いラップが入ってしまい、遠心力によって外に振られる馬が出てくる。
小回り1800mはスタート直後の各騎手の思惑を解読する力が求められる。枠順やコメント、調教内容などあらゆるヒントを駆使し、展開を読んでいきたい。スローに近い平均と速めの平均ではゴール板の顔ぶれが様変わりするだろう。データは2021年の新潟開催も含めた過去10年分を使用する。

1番人気は【2-4-1-3】勝率20.0%、複勝率70.0%とまずまずも、2番人気が【0-1-1-8】複勝率20.0%と頼りにならない。かといって3番人気が【3-0-0-7】勝率、複勝率30.0%であり、福島の重賞らしく読みにくい。上位人気同士で馬券圏内独占とはいかないが、上位人気総崩れもない。
7番人気【2-0-0-8】勝率、複勝率20.0%や8番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%など伏兵をうまくとりいれたい。10番人気以下も【1-1-3-53】勝率1.7%、複勝率8.6%で大穴を馬券に潜ませるのも手だ。

年齢をみると、4歳【3-3-2-45】勝率5.7%、複勝率15.1%に対し、5歳【4-7-4-43】勝率6.9%、複勝率25.9%と5歳馬が優勢だ。6歳も【2-0-4-24】勝率6.7%、複勝率20.0%と悪くない。
もともとスピード志向の競馬場ではないが、春は芝が生育途中のため、その傾向はより顕著に出る。良馬場の場合、およそ1分46秒台の決着になる。福島のレースレコードは1:46.0。2015年スイートサルサが記録したもので、この年は1000m通過58.8と前半が速かった。
今年も中山牝馬S組に注目
毎年のことだが、今年も中山牝馬S経由がごっそり出走してくる。この取捨は福島牝馬Sを攻略する上で最大のミッション。当欄もここに全力を注ぎたい。

前走GⅢ【9-7-6-62】勝率10.7%、複勝率26.2%のうち、前走中山牝馬Sが【5-6-3-44】勝率8.6%、複勝率24.1%。データを見ると、どうも中山牝馬Sだけを検討するのは危なっかしいが、ここを検討せずには語れない。

まずは着順別内訳を。1着【1-2-0-0】が燦然と輝いているが、今年の勝ち馬エセルフリーダは早々に秋まで休養に入った。2着ビヨンドザヴァレーは引退し、3着パラディレーヌ以下が参戦してくる。
だが、2~3着は【0-0-1-9】と数字が出ておらず、4~5着がいい。ところが、ここも参戦せず。6~9着【2-2-0-12】勝率12.5%、複勝率25.0%に頼るしかない。6着レーゼドラマ、8着ケリフレッドアスクは候補だが、全幅の信頼というわけではない。
そこで、今年の中山牝馬Sを改めて振り返る。レーゼドラマが大外枠から先手を奪い、1000m通過は59.6。そこまで厳しい数字ではないが、600m通過後から11.8-11.7-11.5-11.8-11.8と残り200mまでほぼ一定のリズムを刻んだ。
息を整える区間があったとは思えず、レーゼドラマの6着は悲観材料ではない。一方で、2走前からブリンカーを装着しているように気性面に課題を抱えるタイプであり、あくまでマイペース先行が好走条件になる。
中盤で緩みがない流れを考えると、後方から上がり2位を記録したケリフレッドアスクは微妙。とはいえ、紫苑S勝利は逃げ切りで、後方からの展開は得意パターンではない。昨秋のGⅠ2戦は勝負にならなかったものの、先行策に出るなら見直す面は残る。

2頭のレース振りを確認した上で、中山牝馬Sの位置取り別成績をみる。逃げは【0-1-0-7】複勝率12.5%とイマイチも、先行は【0-3-2-7】複勝率41.7%と安定感がある。だが、狙うなら中団【3-2-1-16】勝率13.6%、複勝率27.3%や後方【2-0-0-13】勝率、複勝率13.3%の差し馬勢だ。
ただし、中団・後方だった馬のうち、福島牝馬Sで一転して先行すると【1-1-0-5】勝率14.3%、複勝率28.6%。ケリフレッドアスクはここか。
もしくは再び中団・後方でも【4-1-1-23】勝率13.8%、複勝率20.7%で、このうち前走6~9着馬は【2-1-0-7】勝率20.0%、複勝率30.0%。ケリフレッドアスクは今回も控えてもいい。好走ゾーンに幅があるのは魅力と考えていい。
ほかでは前走小倉大賞典【1-0-0-2】、小倉牝馬S【0-1-0-2】など前走小倉組が活躍する。小倉牝馬S4着テレサ、小倉大賞典9着パレハも注目。特にパレハは3走前に福島記念で3着と、福島とは好相性だ。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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