【ニュージーランドT】前走GⅢ組は着順で明暗分かれる 中山マイル連勝のロデオドライブに期待

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マイル重賞が続く春の中山
春の中山は同じ距離の重賞やオープンが続く。前半は芝1800mの重賞が4レースもあり、後半は芝1600m。アネモネS、ダービー卿CT、そしてニュージーランドTだ。3歳のトライアルは優先出走権がかかるが、ダービー卿CTには安田記念の優先権はない。つまり前哨戦と言えるかどうか微妙である。
そして、同一距離の大きなレースが集中するのは中山特有の問題らしい。変えられるレースは変えてもいいのではと思わないでもない。なぜなら、これだけ同一距離の重賞が続くと、どうしても前のレース結果から導かれる傾向のようなものが予想に影響を与える。
だが、中山競馬場はそれほど単純ではない。先行決着の次は平気で差し決着になったりするからややこしい。ダービー卿CTの結果からみえるものをニュージーランドTに当てはめてはいけない。
古馬のハンデ戦と3歳限定のトライアルをひとつの言説で語り切るのはナンセンスだからだ。むしろダービー卿CTのことは忘れたほうがいい。
こういった思考の切り替えさえも中山競馬場から試されているような気がしてならない。データは過去10年分を使用する。

昨年、2歳GⅠを制したアドマイヤズームが敗れ、とうとう1番人気は【0-4-0-6】複勝率40.0%になってしまった。それこそ古馬のハンデ戦ならわかるが、3歳マイル路線の重要トライアルとして1番人気未勝利は意外だ。
GⅠ馬ですら勝てない状況を考えると、マイル路線は一層、固定観念を捨て、新しい馬を探す方向へシフトした方がいいかもしれない。
一方で2番人気は【6-0-1-3】勝率60.0%、複勝率70.0%と超がつくほど強力。これも実績馬VS冬に賞金を加算した上がり馬という図式になり、後者に軍配が上がりがちであることを示す。
今年はもう少し混戦模様のようであり、3番人気【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%、5番人気【0-2-2-6】複勝率40.0%などもう少し下の人気にも気を配る必要がありそうだ。10番人気以下【1-1-2-56】勝率1.7%、複勝率6.7%など人気薄の一撃もケアしないといけない予感もある。

キャリア別成績では2戦【1-1-1-4】勝率14.3%、複勝率42.9%、3戦【3-3-1-12】勝率15.8%、複勝率36.8%など確率でみると、少ないキャリアにボリュームゾーンがある。
だが、6戦【2-2-1-29】勝率5.9%、複勝率14.7%や5戦【0-3-2-22】複勝率18.5%などある程度経験を積んだ馬たちとて好走してくる。クラシック路線と比べ、マイル戦線はキャリアを重ねた馬たちの反転攻勢もあり得る。舞台が中山芝1600mだからか、経験がモノを言うケースも考えられる。
無敗馬ロデオドライブに期待
今年のメンバーはスプリングS大敗組やクイーンC3着の牝馬ヒズマスターピースなどクラシックを目指し、ちょっと流れに乗りきれなかった馬たちが目につく。平場戦で2勝目をあげた馬たちとの差はないとみるべきだろう。

前走クラス別でみると、主要トライアルが含まれる前走GⅡが【0-2-1-14】複勝率17.6%と苦戦を強いられている点に目がいく。
弥生賞ディープインパクト記念【0-1-1-0】、チューリップ賞【0-1-0-2】のほかはフィリーズレビュー【0-0-0-6】、スプリングS【0-0-0-6】と出走間隔を詰め、かつ距離変化が生じる馬の成績がよくない。データは前走重賞といえど易々とは飛びつけないという事実を示している。

重賞では前走GⅢが【4-5-5-31】勝率8.9%、複勝率31.1%と数字を残す。その前走距離内訳をみると、やはり同距離のマイルが【2-3-1-8】勝率14.3%、複勝率42.9%とよく、短縮も【1-1-2-3】勝率14.3%、複勝率57.1%と数は少ないが、成績を残す。
前走GⅢ同距離1、2着なら【2-2-0-2】と自信をもてるが、3着だと【0-0-0-3】と一気に落ちる。重賞は2着以内であれば賞金を加算できるが、3着だと収得賞金の上積みはない。
この2、3着の差は我々が考える以上に大きく、賞金を加算できず、こちらに回ってきたという事実に対しては冷静に考えたい。

最後に前走1勝クラス【4-2-3-50】勝率6.8%、複勝率15.3%について。頭数が多いので、なんでも買うわけにはいかないが、前走がマイルだった馬は【4-1-3-37】勝率8.9%、複勝率17.8%なので、評価の対象になる。かつ1着馬だと【3-1-2-26】勝率9.4%、複勝率18.8%である。
中山で勝利したとなると【2-0-1-17】。2連勝中のディールメーカーや2戦2勝ロデオドライブが面白い。開幕週とはいえ、好位から抜け出し、1.32.1を叩き出したロデオドライブは遅れてきた大物感すらある。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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