中山芝1600mのコースデータを紹介 「1枠×戸崎圭太騎手」が単勝回収率157%

東大ホースメンクラブ

中山芝1600mのコースレイアウト,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

コース紹介

今週末は2025年最初の世代限定重賞であるGⅢフェアリーSが中山芝1600mで開催される。春のGⅠを目指して、函館2歳S2着のニシノラヴァンダや同コースのアスター賞を制したジャルディニエなどが冬の中山に16頭が集結した。

中山芝1600mコースでは、フェアリーSのほかにGⅢのダービー卿チャレンジトロフィーや京成杯オータムハンデキャップにターコイズステークス、さらにGⅡのニュージーランドトロフィーといった4重賞が行われる。本記事では同コースのデータを取り上げる(使用するデータは特筆ない限り2020年1月11日〜2025年1月6日の過去5年分)。

まずはコース紹介。1コーナー横のポケットからスタートし、最初のコーナーに向けて緩やかに下っていき、さらに外回りコースのバックストレッチで約4.5mの勾配を駆け下りていく。スタートから最初のコーナーまでわずか240mしかなく、スローペースになりやすいのが特徴。最終直線は310mと中央4場のなかで最短であり、ゴール前には高低差約2.2mの急坂が待ち受けている。

6枠から外は割引、とにかく前を狙え!

中山芝1600m 枠番別成績,ⒸSPAIA


<過去5年の中山芝1600m 枠別成績>
1枠【41-34-49-384】
勝率8.1%/連対率14.8%/複勝率24.4%/単回収率83%/複回収率83%
2枠【44-39-30-413】
勝率8.4%/連対率15.8%/複勝率21.5%/単回収率99%/複回収率86%
3枠【44-35-39-423】
勝率8.1%/連対率14.6%/複勝率21.8%/単回収率55%/複回収率72%
4枠【54-42-31-441】
勝率9.5%/連対率16.9%/複勝率22.4%/単回収率92%/複回収率64%
5枠【47-47-38-455】
勝率8.0%/連対率16.0%/複勝率22.5%/単回収率68%/複回収率77%
6枠【30-37-46-490】
勝率5.0%/連対率11.1%/複勝率18.7%/単回収率40%/複回収率58%
7枠【33-39-42-504】
勝率5.3%/連対率11.7%/複勝率18.4%/単回収率79%/複回収率68%
8枠【28-48-48-504】
勝率4.5%/連対率12.1%/複勝率19.7%/単回収率35%/複回収率74%

まずは枠順別成績について。スタートしてからわずか240mで最初のコーナーに差しかかるため、外枠が不利になりやすい。データ上でも「5枠より内か外か」で明暗が分かれており、1〜5枠は勝率8.4%、複勝率22.5%だが、6〜8枠は勝率4.9%、複勝率19.0%と劣勢だ。

OP以上でも1〜5枠が勝率8.7%、複勝率22.1%、6〜8枠が勝率4.2%、複勝率18.1%と内枠有利、外枠不利は変わらない。特に1枠は【8-3-9-52】複勝率27.8%、複回収率96%と優秀な数字を残している。

ただし、矛盾しているようだが、妙味の面では外枠が優秀。7枠の単回収率は159%、8枠の複回収率は115%とプラス域であり、妙味を考えるなら外枠で嫌われすぎている馬を恐れずに狙っていくべきだ。

中山芝1600m 脚質別成績,ⒸSPAIA


<過去5年の中山芝1600m 脚質別成績>
逃げ【63-56-36-233】
勝率16.2%/連対率30.7%/複勝率39.9%/単回収率218%/複回収率170%
先行【152-148-132-690】
勝率13.5%/連対率26.7%/複勝率38.5%/単回収率100%/複回収率115%
差し【73-94-128-1353】
勝率4.4%/連対率10.1%/複勝率17.9%/単回収率48%/複回収率64%
追込【24-20-25-1319】
勝率1.7%/連対率3.2%/複勝率5.0%/単回収率23%/複回収率20%
マクリ【9-3-2-16】
勝率30.0%/連対率40.0%/複勝率46.7%/単回収率119%/複回収率80%

次は脚質別成績について。4角3番手以内の馬が勝率15.5%、複勝率41.1%と好走率が高く、単回収率143%、複回収率138%と収支もプラス域をマークしていることから、最終コーナーで前にいることが重要。前に行ける馬を狙おう。

一方、4角10番手以下の馬は勝率1.8%、単回収率23%と絶望的な数字に。どうしても後方脚質の馬を狙いたい場合は、コーナーでポジションを上げることができる馬を狙おう。マクリは勝率30.0%、単回収率119%と優秀だ。

ただし、今週末のフェアリーSは例外中の例外。冬の中山は3歳牝馬にとってはタフな条件であるため、前がバテて差しが決まりやすい。過去5年のデータでも差し馬は【3-3-3-20】単回収率166%、複回収率130%と妙味十分だ。

トップサイアーやリーディング上位の騎手が◯

中山芝1600m 種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<過去5年の中山芝1600m 種牡馬別成績>
ロードカナロア【24-30-15-152】
勝率10.9%/連対率24.4%/複勝率31.2%/単回収率58%/複回収率81%
ディープインパクト【24-12-10-115】
勝率14.9%/連対率22.4%/複勝率28.6%/単回収率127%/複回収率81%
ダイワメジャー【15-11-18-114】
勝率9.5%/連対率16.5%/複勝率27.8%/単回収率70%/複回収率77%
シルバーステート【13-13-12-61】
勝率13.1%/連対率26.3%/複勝率38.4%/単回収率108%/複回収率127%

この章では種牡馬別成績について述べる。

トップ3はロードカナロア、ディープインパクト、ダイワメジャーと順当にトップサイアー達が名を連ねている。ロードカナロアの産駒は重賞で【3-3-1-23】単回収率133%、複回収率121%とプラス域をマーク。上のクラスでこそ狙いたい。

近年、産駒の数が減ってきているディープインパクトの仔は単回収率127%とベタ買いするだけでプラス。3勝クラス以上では【11-4-5-56】勝率14.5%、単回収率190%とさらに数字がアップする。

ダイワメジャーの産駒は距離短縮が狙い目で、【3-0-0-16】勝率15.8%、単回収率187%とプラス域だ。ほか、シルバーステートの産駒は単回収率108%、複回収率127%と妙味十分。紐に入れておいて損はない。キズナ産駒も複回収率114%だ。

今年のフェアリーSではレイユールがキズナ産駒、ホウオウガイアがシルバーステート産駒に該当する。

中山芝1600m 騎手別成績,ⒸSPAIA


<過去5年の中山芝1600m 騎手別成績>
C.ルメール【30-15-7-68】
勝率25.0%/連対率37.5%/複勝率43.3%/単回収率68%/複回収率63%
横山武史【28-15-13-126】
勝率15.4%/連対率23.6%/複勝率30.8%/単回収率58%/複回収率67%
戸崎圭太【21-24-20-97】
勝率13.0%/連対率27.8%/複勝率40.1%/単回収率80%/複回収率85%

最後に騎手別の成績について。トップ3はルメール騎手、横山武騎手、戸崎騎手。こちらも順当にリーディング上位の騎手が名を連ねている。

ルメール騎手は3番人気以下の馬に騎乗した際は【4-3-0-15】単回収率120%。マークする側に回ったルメール騎手はやはり怖いが、今週も騎乗はない。

横山武騎手は2勝クラスに強く、【9-2-1-18】単回収率110%だ。なお、フェアリーSは騎乗予定だったシホリーンが抽選を突破することができなかったため乗鞍なしとなっている。

戸崎騎手は内枠に入った時が狙い目で、1枠では【6-5-3-10】単回収率157%、複回収率133%と素晴らしい数字を残している。フェアリーSはエリカエクスプレスとのコンビで参戦。無事に抽選も通り、あとは枠順に注目だ。

中山芝1600mのコースデータ,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

《関連記事》
【フェアリーS】高回収率の赤松賞組がやや優勢 レイユールは中山芝1600mへのコース替わり歓迎
【フェアリーS】注目血統は”ディープインパクト” 中山マイルでも主流血統馬の活躍が目立つ一戦
【フェアリーS】過去10年のレースデータ

おすすめ記事