【高松宮記念】香港スプリント組の3連覇なるか サトノレーヴ、ウインカーネリアンが参戦

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
参考レース振り返り
3月29日(日)、中京競馬場では春のスプリント王者を決める一戦、高松宮記念(GⅠ・芝1200m)が行われる。過去10年のデータとともに、出走を予定している馬たちの主な参考レースを振り返る。
なお、データランクは好走率や勝利数をもとに、レースレベルはレーティングや出走馬の成績などを考慮してランク付けしている。
香港スプリント【データ:A レースレベル:A】
過去10年の成績【3-0-1-6】勝率30.0%、連対率30.0%、複勝率40.0%
・直近2年連続で勝利
【2025年レース回顧】
好スタートから楽にハナを切ったのは断然の支持を集めていた地元香港のカーインライジング。200mを過ぎたところで気合をつけてウインカーネリアンが馬体を併せて2番手につける展開となった。
600m通過は34.33とペースは遅く、カーインライジングは直線に向いてから後続を楽に引き離し、2着レイジングブリザードに3馬身3/4差をつける完勝。勝ちタイムは1:07.70での決着となった。
前年の香港スプリントで3着、春のチェアマンズスプリントプライズでも2着という結果を残していたサトノレーヴは出負け気味のスタート。すぐに巻き返して7番手から運び、直線は内に進路を取ったが伸びきれず9着。前日の夜に雨が降った影響なのか、内があまり伸びない馬場だった影響もあってか案外な結果だった。
今回は昨年優勝時と同じローテーションでの参戦で連覇を狙う一戦となる。コースも含めて実績最上位の存在だが、先週末の中京競馬場で行われた芝1400mの2重賞はファルコンSが1:19.8、愛知杯が1:19.6と速いタイムでの決着で、昨年よりも速い馬場になることも考えられる。天候も含めて馬場状態がどうなるのか見極める必要はあるが、超高速馬場への対応力という面で若干の不安材料は残る。
スプリンターズステークスを制して挑んだウインカーネリアンは、カーインライジングのダッシュ力に加えて馬場の違いもあってか、行き脚がつくまでに時間を要してしまった。これしかないと果敢に挑んだ内容は評価したいが、直線に向いてからも後続に飲み込まれてしまい11着と力を発揮できずに終わった。今回も先行タイプが多く揃うが、2年前の高松宮記念で4着という実績があり、左回りは得意だ。
シルクロードS【データ:A レースレベル:C】
過去10年の成績【5-2-0-25】勝率15.6%、連対率21.9%、複勝率21.9%
・最多勝利
・直近では2023年ファストフォースが優勝
・単勝回収率258%
【2026年レース回顧】
好スタートを切ったイコサンを制してフィオライアが逃げる展開。600m通過は34.5とスプリント戦の重賞としては遅いペースで流れた。
4角では外からロードフォアエースが先頭に立ったが、直線では失速。再び巻き返したフィオライアがそのまま押し切り、勝ちタイム1:08.0で重賞初制覇を飾った。
中団から運んだヤマニンアルリフラは直線、大外から伸びて3着。4走前に北九州記念を制して以降は結果が振るわなかったが、近走では最も流れに乗ってレースができた。
トップハンデ58.5kgを背負って出走したエーティーマクフィは、これまでとは一転して好位につけて先行する競馬で0.3秒差の8着に敗れた。高速決着になるとタイム面での限界はあるタイプだが、京阪杯を制した実績もあり、この一戦の内容だけで軽視してはいけない。
ダノンマッキンリーは中団よりやや後ろのインを追走するも、折り合いを欠いていた。そのままロスなく立ち回ったが15着。脚が溜まれば瞬発力があるが、折り合いの難しさも抱えており展開に注文がつくタイプだ。
オーシャンS【データ:C レースレベル:C】
過去10年の成績【1-0-5-50】勝率1.8%、連対率1.8%、複勝率10.7%
・2022年ナランフレグが優勝
・直近では2025年ママコチャが3着
・複回収率228%
【2026年レース回顧】
スタートを決めたフリッカージャブを制してピューロマジックが逃げる展開。11.4-10.1-10.5と軽快に飛ばして600m通過32.0の超ハイペースとなった。
直線は2番手を追走していたルガルが抜け出したところ、後方3番手を追走していたペアポルックスが最内から強襲して差し切り。勝ちタイムは1:07.0での決着だった。
これまで先行することが多かったが、道中は最内をピッタリとロスなく立ち回る岩田康誠騎手らしい騎乗がハマった。このレースが完璧すぎた感はあるが、一発の魅力は秘める。
レイピアも中団追走から内をロスなく立ち回っての好走。内枠を味方につけてハマった印象はあるが、シルクロードSに続いて2着と安定した成績を残している。
内枠勢が上位を占めたなか、14番枠だったママコチャは5番手の外を追走しながら0.1秒差4着と地力を示した。16番枠のヨシノイースターも、ママコチャより1列後ろを追走して5着健闘と力は出し切った。
ビッグシーザーは12番手追走から外を回して9着。逃げてシルクロードSを制したフィオライアは出遅れて後方2番手から大外を回すという内容で10着同着。展開を考えればこれが精一杯だろう。
離れた2番手追走のインビンシブルパパは、休み明け初戦だったこともあるかもしれないが、ハイペースで苦しくなって15着。ピューロマジックはこれまで控える競馬を教えてきたが、ここまでハイペースで行ってしまうと16着という結果は致し方ない。
阪神カップ【データ:B レースレベル:B】
過去10年の成績【0-2-1-7】勝率0.0%、連対率20.0%、複勝率30.0%
・複回収率112%
【2025年レース回顧】
好スタートを決めたジューンブレアが12.1-10.4-10.5というラップを刻んで600m通過は33.0。そのまま直線に向いたが、苦しくなって失速。残り200mで先頭に立ったルガルにナムラクレアが強襲して大接戦となったが、わずかにハナ差でルガルが勝利。勝ちタイムは1:19.0のレコード決着だった。
ナムラクレアは10番手追走から直線は馬群を捌いて伸び、一旦は差し切るかという勢いだったがハナ差敗れた。しかし、相手のルガルは2024年のスプリンターズS優勝以降振るわない時期もあったが、上記のオーシャンSでも2番手追走から3着と粘ったように、近走は完全復活を果たしたと言ってもいい。タイム差なしまで迫ったナムラクレアの地力を感じる一戦だった。
ジューンブレアはこのペースだと11着に失速してしまったのは致し方ないが、実績ある1200mに戻るのはプラス。控えても問題ないタイプだが、今回は同型が揃うなかでどう立ち回るかがカギとなる。
1351ターフスプリント【データ:なし レースレベル:A】
過去10年で出走なし
【2026年レース回顧】
サウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場の芝1351mで争われたレースは、日本から参戦のシンフォーエバーが逃げる展開。昨夏にクイーンエリザベス2世ジュビリーSでサトノレーヴを破った実績があるフランス調教馬ラザットが3番手から直線早めに抜け出すも、5番手を追走していたアメリカ調教馬リーフランナーがじわじわと迫ってゴール前で差し切って勝利。勝ちタイムは1:18.23だった。
J.モレイラ騎手とコンビを組んで挑んだパンジャタワーは、好スタートを切るも道中は中団を追走。直線では一旦3番手まで浮上したが、最後は伸びきれず5着に終わった。しかし、勝ち馬がブリーダーズCスプリント4着の実績馬でハイレベルな一戦だったことを考えると、力は出し切ったと言える。
今回は決して楽なローテーションではないが、3走前のキーンランドCを勝利した内容からも1200m戦への適性は高く、あっさりと勝ち切る場面があっても不思議ではない。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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