【チューリップ賞】勝ち馬10頭中9頭に1800m重賞実績あり 京大競馬研の本命はタイセイボーグ

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桜花賞切符を懸けたトライアル競走
3月1日(日)にチューリップ賞(GⅡ)が行われる。3着馬までに桜花賞の優先出走権が与えられる。これまで多くのGⅠ馬を輩出しており、春の牝馬クラシック戦線を占う上で非常に重要なトライアル競走だ。
メンバーはタイセイボーグをはじめ、世代重賞で力を示してきた馬から、重賞初挑戦の素質馬まで揃って混戦模様。各馬のポテンシャルを的確に見抜いていきたい。
以下では、本レースが行われる阪神芝1600mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
現時点での総合力が試される舞台
まずは阪神芝1600mのコース形態をみる。向正面左寄りからスタートし、初角までの距離は約440m。外回りコースを使用し、ゆったりとした3~4コーナーを回った後、勾配1.8mの急坂がある473.6m(Aコース使用時)の最終直線を駆け抜ける。これが今回のコースレイアウトだ。
まず注目すべきは初角までの距離が約440mと比較的長い点だ。序盤の先手争いは長く続き、序盤のペースは平均からやや速めで流れやすい。コーナーに入った中盤でペースは緩み、4コーナーからの緩やかな下り坂で徐々に加速していく。
変動するペースに対応しながら脚を溜める操縦性と、最後に急坂をものともせずメンバー最上位の末脚を引き出す能力が必要とされる。地力がない馬には非常に厳しく、中長距離に似た「総合力」が問われる。これが今回のレースの質だ。
メンバー上位の末脚が好走の鍵

<チューリップ賞 上がり3F4位以内馬の成績>
【8-8-4-27/47】
勝率17.0%、連対率34.0%、複勝率42.6%、
単勝回収率135%、複勝回収率201%
※過去10年
この傾向は数字にも表れている。チューリップ賞における上がり3F4位以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。
勝ち馬11頭(※同着1回)中8頭、連対馬20頭中16頭、馬券圏内30頭中20頭を該当馬が占めている。脚質に依らずメンバー最上位の末脚を引き出すことが好走の鍵だ。
ただ、速い上がりを持たない先行馬の3着も目立っており、展開次第で残り目には十分注意したい。この点も踏まえて展開予想をしていく。
最後方からの逆転は至難
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が6頭と出走馬全15頭に対して少なくない。
河津桜賞で前半4F45.7秒のハイペースを1、2、3番手で先行した3頭が前走同様引っ張る形になるだろう。ペースが上がりやすいコース形態と相まって引き締まった展開を想定する。
この展開で恵まれるのは、やはり高い操縦性を備え、メンバー最上位の末脚を出せる「総合力が高い馬」だ。また、この引き締まった展開では中団以前につける追走力も必要だ。最後方から直線だけで一気に逆転するのは至難の業で、相当な地力の高さがなければできない。
<チューリップ賞 4角12番手以下の馬の成績>
【1-1-0-21/23】
勝率4.3%、連対率8.7%、複勝率8.7%、
単勝回収率42%、複勝回収率27%
※過去10年
4角12番手以下だった23頭中、馬券圏内に好走した馬は2頭のみ。重賞級の能力を持つ馬がメンバー上位の末脚を使っても追走力不足で馬券内に届かない敗戦パターンは、阪神JF、桜花賞とも共通して見られる。この点で一定程度の追走力も重視して印を打っていく。
安定感と弱点の少なさが強み
◎タイセイボーグ
世代最上位の実力を持つものの中々勝ち切れていない一頭。前走の阪神JFは鞍上の指示に応えて6番手で先行する積極的な競馬。前半600m33.7秒のハイペースで4角9番手以下の馬が2、4、5、6、7着に来る差し有利な展開を、4角6番手からスムーズに追い出して0.3秒差3着に粘った。着順、着差以上に評価できる内容だった。
2走前のアルテミスS、3走前の新潟2歳Sはどちらも差す競馬でそれぞれ3着、2着。脚質の幅も広く、展開次第で臨機応変に対応できる高い操縦性を持つ。常に能力を安定して発揮できる、弱点の少なさが最大の強みだ。
近3走の内容から今回のメンバーでは総合力が一枚抜けていると評価する。追走力も申し分なく、前走で速い流れに対応できたことからも、大きく崩れる要素が少ない。スムーズな追い出しで能力を最大限発揮できれば勝ち負け必至とみて本命を打つ。
◯ソルパッサーレ
安定した先行力と堅実な末脚を併せ持つ。前走の河津桜賞を時計、内容ともに高く評価する。今回も前走同様の流れが想定され、好位から運べれば順当に能力を発揮しやすい。近2走で見せた末脚を発揮できればここも勝ち負けできる能力がある。
▲スマートプリエール
前走の河津桜賞はかなり行き脚がつき、先行して展開不利の中0.2秒差3着。着順、着差以上に評価できる内容だった。上がり最速の脚を使ったアイビーS、牝馬ながら馬券内に食い込んだ札幌2歳Sの内容を高く評価。高いオッズ妙味が見込まれる。
△アランカール
メンバー最上位の瞬発力を持つ。2走前の野路菊Sは時計、内容ともにかなり高く評価できる。ポテンシャルはGⅠ級である一方、やはり課題はスタートと追走、そして前走の多頭数替わりで見せた不器用さだ。ただ、その中でも阪神JFで5着に食い込んだ実力は確か。
×コニーアイランド
前走の白菊賞で2着スウィートハピネス(次走以降、阪神JF4着、エルフィンS1着)と0.1秒差。操縦性が高く、ここでも通用するポテンシャルを秘めている。高いオッズ妙味あり。
×ナムラコスモス
前走は初の1600m戦で後方に控え、上がり3F最速33.6秒の末脚を生かす競馬。先行力もある馬だが、ここは前走の教育競馬を生かし後方から末脚を伸ばせれば。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△馬連3点、◎-◯▲-◯▲△×3連複7点で勝負する。
▽チューリップ賞予想▽
◎タイセイボーグ
◯ソルパッサーレ
▲スマートプリエール
△アランカール
×コニーアイランド
×ナムラコスモス
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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