【ダイヤモンドS】重賞連勝を狙うホーエリート中心 データで浮上するマイネルカンパーナと万葉S組にも好機

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冬は長距離の季節
冬はダートの季節であり、長距離のシーズンでもある。人間界も真夏に比べると走る環境が整う冬は年始の箱根駅伝をはじめ、春にかけてマラソンレースが多く開催される。競馬の世界もステイヤーズS、万葉S、ダイヤモンドSと続き、春の阪神大賞典、天皇賞(春)へつながる。
ダイヤモンドSはステイヤーズSの次に長い距離で行われるマラソンレースだ。舞台は東京芝3400m。広大な東京芝を1周半する過酷な舞台だ。それゆえに各騎手とも意識的に仕掛けを遅らせる傾向にあり、超スローペースから実質600mの上がり勝負になりやすい。
ステイヤーズSとは仕掛けのタイミングが異なるため、長距離適性だけでは乗りきれない。かといってスタミナがなければ、ラストスパートで瞬発力を生みだせず、独特の長距離重賞といえる。
ここからは過去10年分のデータを使用し、今年のダイヤモンドSを展望する。

人気別では1番人気【4-2-1-3】勝率40.0%、複勝率70.0%、2番人気【3-1-3-3】勝率30.0%、複勝率70.0%とハンデ戦で行われる長距離戦といえど、東京の重賞らしく上位人気は堅い。3番人気以下は人気なりに推移ししていき、10番人気以下は【1-3-1-48】勝率1.9%、複勝率9.4%。ときどき激走してくる人気薄はしっかりつかまえたい。

年齢別では、4歳が【4-2-2-14】勝率18.2%、複勝率36.4%。頭数が少ないため、確率が高く出ている面はあるが、4歳2月に早々に長距離路線にシフトしてくる馬は陣営が確固たる適性を見込んでいる証拠であり、意欲の参戦は軽視できない。
菊花賞2着から参戦した昨年のヘデントールが典型例だ。一方、5歳は【1-3-3-25】勝率3.1%、複勝率21.9%とやや物足りず、むしろ6歳【3-2-4-29】勝率7.9%、複勝率23.7%、7歳以上【2-3-1-45】勝率3.9%、複勝率11.8%を買いたい。
ただし、ここには既に長距離実績のあったフェイムゲーム【1-1-0-1】とアルバートの1勝が含まれる。
東京替わりで見直せるマイネルカンパーナ
今年の注目はステイヤーズSを勝った牝馬のホーエリートだろう。牝馬の優勝は東京芝3400mでの施行になってからはゼロ。東京芝3200m時代に88年ダイナブリーズ、中山芝3200mで80年プリティキャスト、古くは53年中山芝2600mでタカハタが勝った。レース史上3頭しかいない。
ホーエリートは過去に牝馬の優勝が1勝止まりのステイヤーズSを制しており、4頭目になってもなんら不思議はない。

前走クラス別では前走オープン・Lが【4-4-1-32】勝率9.8%、複勝率22.0%、GⅠ【2-2-0-12】勝率12.5%、複勝率25.0%あたりが目立つ。ホーエリートが該当するGⅡは【2-1-6-36】勝率4.4%、複勝率20.0%。勝率はやや低いが、馬券圏内に入る確率は十分ある。

その前走GⅡは同じ長距離戦のステイヤーズSが【2-1-4-19】勝率7.7%、複勝率26.9%と主要路線。好走ゾーンは2~4着【2-1-3-6】の惜敗組。東京2勝、メトロポリタンS2着のマイネルカンパーナが該当する。
ステイヤーズS勝ち馬の出走は過去10年でゼロ。12年マイネルキッツの10着が最後だ。ホーエリートは東京で目黒記念2着、アルゼンチン共和国杯6着。アルゼンチン共和国杯も着差は0.2秒しかなく、適性がないわけではない。
なお、今回が転厩初戦のスティンガーグラスが該当する前走アルゼンチン共和国杯は【0-0-0-4】。データ的には分が悪いが、心機一転してほしい。

長距離戦の前走万葉S組は【3-3-1-21】勝率10.7%、複勝率25.0%。同じハンデ戦の万葉Sはもう少し好走レンジが広く、5着以内なら概ね期待できる。さすがに6着以下は【0-0-0-9】だが、掲示板以内だった馬には注目だ。ヴォランテ、ブレイヴロッカー、ミクソロジーは好走候補となる。
ハンデ戦からハンデ戦なので、斤量に注目すると、斤量増【2-0-0-5】勝率、複勝率28.6%、斤量減【1-0-0-4】勝率、複勝率20.0%、増減なし【0-3-1-12】複勝率25.0%。そう差はついていないが、今回斤量増となる馬は評価ポイントになりそうだ。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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