【共同通信杯】ポイントはノーザンF生産とサンデー系 背景も血統も文句なし、ロブチェンの魅力と課題

ⒸSPAIA
傾向解説
過去10年の出走馬から12頭のGⅠ馬が誕生している出世レース・共同通信杯。昨年の1着馬マスカレードボールも同年の天皇賞(秋)を制しており、今後のGⅠ戦線に向けても大注目の一戦です。本記事では血統面を中心に、共同通信杯のレース傾向を整理していきます。
最初に紹介したいポイントは、ノーザンファーム生産馬が強いということ。同週に行われるクイーンカップでも目下10連覇中という圧倒的な成績を挙げていますが、共同通信杯においてもノーザンファーム生産馬の勢いは止まりません。
毎年紛れの少ない東京開催のステップレースに照準を合わせてくる傾向にあり、ノーザンファームグループの素質馬にはいつも以上に注意が必要です。
<ノーザンファーム生産馬>
該当馬【5-6-6-21/38】
勝率13.2%/連対率28.9%/複勝率44.7%/単回収率89%/複回収率106%
※過去10年

血統面ではサンデーサイレンス系産駒が中心。東京芝1800mという直線勝負になりやすい日本の主流条件のひとつですから、日本の主流血統が中心という血統傾向は当然の結果でしょう。
過去10年の3着内馬30頭中18頭がサンデーサイレンス系産駒で、曾孫世代に変わりつつある現在においても中心の血統であることは間違いありません。特にディープインパクト系やハーツクライ系といったリーディング上位種牡馬が狙い目です。
<父系別成績>
ディープインパクト系【3-1-4-19/27】
勝率11.1%/連対率14.8%/複勝率29.6%/単回収率123%/複回収率74%
ハーツクライ系【2-1-2-7/12】
勝率16.7%/連対率25.0%/複勝率41.7%/単回収率58%/複回収率224%
※過去10年

注目血統馬
前記の傾向に合う注目血統馬を2頭ピックアップしました。
☆ロブチェン
ディープインパクト系ノーザンファーム生産馬。母ソングライティングはStorm Cat系×Unbridled's Songという典型的な北米血統で、ワールドプレミア産駒の本馬は父父ディープインパクトの成功パターンを踏襲した形です。
ただ、本馬は母父Giant's Causewayの影響が強い馬力に優れたタイプで、母方にGiant's Causewayの血を持つディープインパクト系産駒にはドーブネ(2024年中山記念2着)やホウオウラスカーズ(2025年京成杯AH1着)など、中山向きの馬が多い傾向も。今回は直線の長い東京コースが課題となりそうです。
☆サノノグレーター
母母ピエナビーナスは2009年クイーンS勝ち馬。ディープインパクト系グレーターロンドン産駒の本馬はサンデーサイレンスの3×4を持つ瞬発力タイプで、さらにトニービンの血も併せ持つため、大トビのフットワークが活きる直線の長いコースがベストでしょう。
特にこの共同通信杯ではトニービン内包馬の活躍も目立っており、舞台適性についてはメンバー中屈指の一頭です。

《ライタープロフィール》
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
《関連記事》
・【東京新聞杯】アイルランドT勝ち馬ラヴァンダ、京都金杯から連勝目指すブエナオンダも消し ハイブリッド式消去法
・【東京新聞杯】過去10年のレースデータ
・【東京新聞杯】好相性のマイルCS組は連覇狙うウォーターリヒトに注目 適距離に戻るエルトンバローズの巻き返しも