【京都金杯】京都開催の直近10回中9回を1~9番枠が勝利 京大競馬研の本命馬はキープカルム

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例年かなり荒れやすい重賞
1月4日(日)に京都金杯(GⅢ)が行われる。最高潮の盛り上がりを見せた有馬記念からはや一週間、今年の中央競馬もここから始まる。昨年は阪神競馬場の改修工事に伴う変則日程で中京での施行となったが、今年は京都競馬場へと帰ってきた。
メンバーはランスオブカオスをはじめとする明け4歳世代から、9歳を迎えたエアファンディタまで6世代がぶつかる混戦模様。例年、かなり荒れやすい本レースを丁寧に紐解いていきたい。
以下では、本レースが行われる京都芝1600mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
差し有利なコースだが……
まずは京都芝1600m(外回り)のコース形態をみる。向正面の2コーナーポケットからスタートし、初角までの距離は約700m。向正面半ばから徐々に坂を上り、3コーナーで頂上を迎え、4コーナーにかけて下る。最後に約404m(Aコース使用時)の平坦な最終直線を駆け抜ける。これが今回のコースレイアウトだ。
同舞台のマイラーズCやマイルCSの予想記事で述べた通り、このコースは初角までの距離が長く、序盤、中盤で淀みないラップを刻むため先行負荷が大きくなりやすい。したがって「中団〜後方を追走した、地力の高い差し脚確かな馬」が順当に好走しやすい、というのがこのコースが持つ基本的なレースの質である。
<京都金杯 上がり3F4位以内馬の成績>
【5-8-1-33/47】
勝率10.6%、連対率27.7%、複勝率29.8%、
単勝回収率89%、複勝回収率87%
<京都金杯 4角4番手以内馬の成績>
【3-3-6-34/46】
勝率6.5%、連対率13.0%、複勝率26.1%、
単勝回収率32%、複勝回収率95%
※京都開催の直近10回
しかし上記の通り、この京都金杯においてはメンバー上位の末脚を使った馬もそこまで優秀な数字が出ていない。かといって開幕週の高速馬場らしく4角時点で前にいる馬が残りやすいわけでもない。
ロスの小さい内ラチを走れるかが重要
ここで伝えたいのは、京都金杯で好走するためには脚質以上に「いかに内ラチ沿いを通せるか」が重要だということだ。
昨秋の京都芝はA→B→Cコースの順で内から使われた。つまり最内約4mの部分はBコース替わり以降のおよそ2ヶ月間全く使われていない。そのため、1月開催で仮柵が外れAコースに戻ると、「グリーンベルト」と呼ばれる、馬場の外側と比べて芝が良好な部分が内ラチ沿いに出現する。
大前提として内ラチ沿いを通れば距離ロスが小さい上に、ロスが大きい外側よりもキレイな馬場を走れるという二重の有利が生まれる。したがって京都金杯では脚質よりも、その部分を走れるかどうかが重要である。
1~9番枠が馬券圏内に23頭

<京都金杯 馬番1~9番の成績>
【9-6-8-67/90】
勝率10.0%、連対率16.7%、複勝率25.6%、
単勝回収率70%、複勝回収率85%
※京都開催の直近10回
この傾向は数字にも表れている。京都金杯におけるフルゲート18頭の半分より内側、馬番1~9番馬の成績は上記に示した通り優秀だ。勝ち馬10頭中9頭、連対馬20頭中15頭、馬券圏内30頭中23頭を該当馬が占めており、単勝回収率70%、複勝回収率85%という圧倒的な数字を出している(※10~18番は単回2%、複回40%)。
コースの基本的な質と沿う「上がり3F4位以内馬」で絞ると【5-6-1-18/30】勝率16.7%、連対率36.7%、複勝率40.0%、単勝回収率140%、複勝回収率97%と数字はさらに上昇する。
ただ、恵まれやすい脚質に関してはコース形態以上に展開に大きく依存するため、次章の展開予想で考察していく。
先行馬がかなり手薄なメンバー構成
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が3頭と出走馬全18頭に対して少ない。その中でも徹底先行タイプはシンフォーエバーのみ。この馬が単騎で引っ張る形となるだろう。
初角までの距離が長くペースが上がりやすいコース形態とはいえ、ここまで先行馬が手薄だと隊列はすんなりと決まる。序盤、中盤はかなり緩いペースで流れると見る。
この展開で恵まれるのは、好位や中団で内ラチ沿いを追走し、直線に向いて抜け出す形で堅実な末脚を使える馬だ。
メンバー上位の末脚を使っても後方からは差し切りにくいペースであり、道中を前で立ち回りだけの先行力、追走力が必要になる。また、近走において馬群で追走した経験、内から馬群を割って抜け出した経験は重視したい。これらを踏まえて印を打っていく。
中団から常に堅実な末脚を使えるのが強み
◎キープカルム
前走の富士Sは好スタートから無理には押さず8番手での追走。ミドルペースをスムーズな追い出しから上がり3F5位の末脚を使い0.6秒差6着。マイルCS1、2着馬のジャンタルマンタルとガイアフォース、香港マイル2着馬ソウルラッシュというマイルの一線級相手に能力の高さを証明した。
2走前の中京記念は大外枠から上がり最速の脚を使うも馬券内に届かない、中京のスローペースでの典型的な敗戦。評価を下げる内容ではない。
近4走の内容から、地力は今回のメンバーでは随一。2枠3番の絶好枠から前走同様のスタートを決めれば中団の内ラチ沿いで追走できる。3走前のしらさぎSで内ラチ沿いにつけながら馬群の中を追走し、何度も進路を変えて馬群を割って勝利した経験が存分に生きるだろう。その際の鞍上でもある坂井瑠星騎手の継続騎乗は大きなプラス材料だ。
絶好枠から中団内目を追走し、内から馬群を割る形で持ち前の末脚を生かせれば勝ち負け必至とみる。近2走の敗戦でオッズ妙味も見込まれる。
◯キョウエイブリッサ
1枠2番の絶好枠。前走のリゲルSは馬が変わったかのような好スタートからミドルペースを6、7番手で追走。外目に持ち出して上がり3F5位の末脚を使い0.2秒差5着。勝利したランスオブカオスよりも1kg重い斤量を背負い、外目の進路をとりながら最後の伸びは本馬の方がやや優勢だった。
今回は逆にこちらの方が斤量は2.5kg軽いため、前走の内容だけ見れば十分に逆転のチャンスがある。前走より2kg軽い斤量でこの枠から前走以上のスタートを切れれば、好位の内ラチ沿いで追走できる。近4走の馬券外敗戦でこちらも高いオッズ妙味が見込まれる。
▲ランスオブカオス
1枠1番の絶好枠。前走のリゲルSは終始スムーズに能力を出し切った内容。安定した先行力と堅実な末脚を発揮し快勝した。
レコード決着となった2走前のスワンSはハイペースを6番手で先行し0.1秒差3着。着順、着差以上に評価できる内容だった。展開が向いて勝利したオフトレイルは次走マイルCS4着とレベルも高かった。
近4走の内容から本馬も今回のメンバーでは地力上位。斤量増という懸念点もあるが、やはりこの絶好枠からスムーズに内ラチ沿いを追走する形になれば順当に好走可能と見る。
△トロヴァトーレ
近2走はダート戦で完全に度外視。3走前の安田記念こそ望ましい結果が得られなかったものの、4、5走前は今回上位人気想定のキープカルムに完勝、6走前はマイルCS3着馬ウォーターリヒトにタイム差なしと今回のメンバーでも最上位の地力を持つ。
斤量58.5kgが懸念点であるものの、前走と同斤量というのがまだ救い。近走のダートや安田記念での敗戦で想定オッズ段階では高い妙味が見込まれるため、相手に押さえておく。
×ヤマニンサンパ
中団から常に堅実な末脚を使えるタイプで4枠8番と内に潜り込める枠を引いた。それなりに時計がかかった方がいい馬だが、高速上がりにも対応できる。前走からの斤量減も生かし、近走より前目から持ち前の末脚を生かせれば好走のチャンスがある。
×ファーヴェント
前走はハイレベルな富士Sで0.8秒差7着。キープカルム比較で高いオッズ妙味が見込まれる。安定した先行力があるため、ここも斤量減を生かし好位の内目で追走できれば。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△馬連3点、◎-◯▲-◯▲△×3連複7点で勝負する。
▽京都金杯予想▽
◎キープカルム
◯キョウエイブリッサ
▲ランスオブカオス
△トロヴァトーレ
×ヤマニンサンパ
×ファーヴェント
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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