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【香港国際競走回顧】ロマンチックウォリアーが香港カップ4連覇達成 日本馬はベラジオオペラとソウルラッシュが2着も勝利ならず

2025/12/15 12:00
三木俊幸
ロマンチックウォリアー,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

香港カップ 上位人気で決着

数々の名勝負が繰り広げられた2025年の国際レースを締めくくる香港国際競走。前日夜に雨が降るも馬場発表は良(Good)、風が吹くと肌寒さも感じる一日だった。

レースは香港ヴァーズを除く3レースで地元香港勢のディフェンディングチャンピオンが圧倒的な強さを見せつけて連覇を達成。7頭出走した日本調教馬はまたしても高い壁に跳ね返され2着が最高成績だった。

メインレースの香港カップは出走取消が相次ぎ7頭立て。日本からはベラジオオペラとローシャムパークが出走した。

1周目のスタンド前ではベラジオオペラがハナを奪うも、1角に入ったところでチェンチェングローリーが先頭へ。向正面に入るところで2番手のガレンが外からポジションを押し上げ先頭が入れ替わるも800m通過50.67、1200mは1.15.92と遅い流れとなる。

3番手の外を追走していたロマンチックウォリアーは最後の直線も外に持ち出され、残り300mで先頭に立つと、全く危なげない走りで1.3/4馬身差。勝ちタイム2:02.29で香港カップ4連覇を飾った。

ロマンチックウォリアー,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


2番人気に支持され2着のベラジオオペラはレース中盤4番手、4角では後方2番手までポジションを下げる形となり、決して楽な展開ではなかった。しかし、外に持ち出されると力強く伸びて後続には5馬身をつけた。

ベラジオオペラ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


最後の直線でキジサナの進路を妨害してしまう場面もあったが、香港に入ってからの調整も順調に進んだなかで迎えた一戦で地力は見せつけたと言える。

進路をカットされてしまったキジサナは一旦最後方まで下がってしまったが、そこから巻き返して3着。道中最後方を追走していたローシャムパークはジリジリと追い込んできたが5着に終わった。

ローシャムパーク,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


香港マイル 有終の美を飾ることはできず

香港マイルはプレイフォーマーが800m通過46.83(24.50-22.33)というペースで逃げる展開も、12番ゲートからスタートしてすんなりと2番手の外につけた1番人気のヴォイッジバブルが勝利した。

ヴォイッジバブル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ソウルラッシュはスタート直後、あまり行き脚がつかなかったが徐々にポジションを押し上げて3番手の外を追走。木曜日に池江泰寿調教師が語っていたようにマークする相手でもあるヴォイッジバブルの外につけた。

ソウルラッシュは直線に向いて残り200mを切ったところで一旦は先頭に立ち、勝利に手が届きそうなところまで来たものの、最後はヴォイッジバブルに差し返されて半馬身差の2着。有終の美を飾ることはできなかった。

ソウルラッシュ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


今年の二冠牝馬エンブロイダリーは中団の外を追走するも、直線では伸びきれず11着という結果だった。

エンブロイダリー,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


香港スプリント 絶対的な能力の違いを見せつける

日本からサトノレーヴ、ウインカーネリアンが出走した香港スプリントは、世界最強スプリンターのカーインライジングが好スタートから逃げ切って後続に3.3/4馬身差をつけて16連勝を飾った。

カーインライジングは楽にハナを奪い切り、三浦皇成騎手のコンビで挑んだウインカーネリアンが2番手の外へと迫っていったが、600m通過34.33というマイペースに加えて絶対的な能力の違いを見せつけられライバルたちは成す術がなかった。

カーインライジング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ウインカーネリアンは残り300mを切ったところで一杯になって11着。昨年の香港スプリント3着、春のチェアマンズスプリントプライズ2着と好走していたサトノレーヴは最内を突いたものの、伸びきれず9着。2着には10番人気のレイジングブリザード、3着は5番人気のファストネットワークが入った。

ウインカーネリアン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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サトノレーヴ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


香港ヴァーズ 欧州勢が上位独占

国際競走の幕開けを飾った香港ヴァーズは、M.ギュイヨン騎手騎乗でフランス調教馬のソジーが勝利。前走、凱旋門賞で3着に入った実力はやはり本物だった。

9番ゲートからスタートしたエイドンがハナを奪い、2番手にロスアンゼルスという隊列で流れたが、ペースは落ち着き1200m通過1:17.24(27.02-25.33-24.89)。レース後半に入ってアーバンシックがスローペースに耐えきれず先頭に立ち、レースが動いたがソジーをはじめとした上位馬は動じず。

結果的に2着には昨年の優勝馬ジアヴェロット、3着にゴリアット、4着アルリファー、5着ロスアンゼルスと欧州勢が上位5着までを独占。レベルの高さを改めて見せつけた。

ソジー,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


アーバンシックは最後の直線で失速して10着。1周目のスタンド前ではうまく前に壁を作れず折り合いを欠いてしまい、リズムに乗ることができなかったのが痛かった。

アーバンシック,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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