【エリザベス女王杯】好データそろったエリカエクスプレスを本命視 カナテープ、ココナッツブラウンが続く

門田光生

過去10年のエリザベス女王杯 年齢別成績,ⒸSPAIA

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6歳以上は勝ち馬なし

16日に京都競馬場で行われる第50回エリザベス女王杯。同レースは、イギリスのエリザベス2世女王陛下の来日を記念して創設された伝統の一戦だ。

海外由来のレースという点は関係ないだろうが、直近10年では外国人騎手が8勝を挙げており、今年も外国人騎手の騎乗馬には注目したい。

そんなエリザベス女王杯にはどのような傾向があるのか。ここでは、過去10年の成績データを基に検証していく。

☆所属
ホームの栗東所属が8勝、2着7回。連対率は美浦所属とほぼ変わらないが、勝率と複勝率は栗東所属が上となっている。


エリザベス女王杯出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆年齢
4歳が6勝、2着5回と目立ち、連対馬の半数以上を占めている。一方、6歳から勝ち馬が出ておらず、7歳以上となると連対馬もいない。


エリザベス女王杯出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
勝ち馬が出ているのは、国内重賞を使っていた組に限られる。GIよりGⅡ組の方が連対率は上で、条件戦組とオープン特別組は1頭も馬券に絡んでいない。ほか、リステッド組で連対したのは2024年のラヴェル(2着)だけ。


エリザベス女王杯出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
昨秋まで行われていた(アイルランドトロフィー)府中牝馬Sから10頭の連対馬が出ている。これに続くのがオールカマー。札幌記念組は出走4頭中3頭が馬券に絡んでいる。

上記の通り、基本はGⅡ組が強いという結論でいいだろう。ただし、京都大賞典組に限ると、出走した9頭がすべて馬券外に沈んでいる。


エリザベス女王杯出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走2、3、5着馬の好走率が高い。1着馬も4頭の連対馬を出しており悪くはないが、4着馬に関しては1頭も馬券に絡んでいなかった。ほか、前走10着以下からは勝ち馬が出ていない。


エリザベス女王杯出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


前走人気
前走で5番人気に支持されていた馬の連対率が30%超と抜群だった。


エリザベス女王杯出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走馬体重
前走馬体重が510kg以上の馬は【3-0-1-3】と優秀。逆に、439kg以下だと【0-3-1-15】で、勝ち馬がいない。牝馬重賞は中間くらいの馬体の馬が活躍傾向だが、当レースは大型馬の活躍が目立っている。


エリザベス女王杯出走馬の前走馬体重,ⒸSPAIA


☆前走距離
前走で2400m以上の距離を走っていた馬は連対していない。


エリザベス女王杯出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆前走着差
前走で1.0秒以上離されて負けた馬は1頭も馬券に絡んでいない。


エリザベス女王杯出走馬の前走着差,ⒸSPAIA


本命に浮上したのは3歳馬

エリザベス女王杯出走馬の出走馬のデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは、以下となる。

【好走率アップ】
A「栗東所属」
B「4歳」
C「前走GⅡ」
D「前走2、3着」
E「前走5番人気」

【勝ち馬なし】
F「6歳」
G「前走リステッド」
H「前走10着以下」

【連対馬なし】
I「前走オープン特別」
J「前走京都大賞典」
K「前走4着」
L「前走2400m以上」
M「前走1秒以上負け」

最初に、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。


プラスデータ勝率順,ⒸSPAIA


勝ち馬が出ていないデータ「F~M」の非該当馬で、プラスデータ3項目以上に当てはまるのは、エリカエクスプレス(ADE)、ココナッツブラウン(ACD)、ラヴァンダ(ABC)の3頭。ただし、ラヴァンダは本レースを回避してマイルCSに向かうことが発表されているため、予想対象からは除外とする。

2頭のうち、最も勝率が高いE「前走5番人気」にはエリカエクスプレスが該当。残る2つのプラスデータは目立つものではないが、ココナッツブラウンが持つ3項目についても、特に強いものではない。今回はエリカエクスプレスに◎を打つ。

2番手以下は勝ち馬なし「F~H」該当馬も対象として、検討していく。プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。


プラスデータ連対率順,ⒸSPAIA


上記ココナッツブラウンのほか、プラスデータ3項目に当てはまるのはカナテープ(CDE)とセキトバイースト(ABC)の2頭。

その中でカナテープは、連対率31.3%と抜けて高いE「前走5番人気」に該当する。ココナッツブラウン、セキトバイーストよりも連対の可能性が高いとみて、相手筆頭に指名する。

以下、3番手をココナッツブラウン、4番手をセキトバイーストとする。 セキトバイーストが該当するマイナスデータH「前走10着以下」は、連対馬こそ出ているものの、連対率4.5%と低く、印上位馬との比較ではやや評価を下げたい。

◎エリカエクスプレス
◯カナテープ
▲ココナッツブラウン
△セキトバイースト

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
尿管結石がいまだに排出されず、「次の診察までに出なければ、内視鏡手術も考える」と言われたので、ビビッてこれまで以上に水を飲んでいます。お陰で、トイレが近いこと。気力はまだまだ現役ですが、体はおじいちゃんのようです。

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