【アルゼンチン共和国杯】重賞で見せた末脚を重視 東大HCの本命はディマイザキッド
東大ホースメンクラブ

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2025年最後のGⅠなき週末
日曜日、東京競馬場でGⅡ・アルゼンチン共和国杯が行われる。GⅠで2着2回のローシャムパークや、目黒記念2着の牝馬ホーエリート、2500mで重賞2勝のシュトルーヴェなどフルゲート18頭が出走する。
昨年は8歳馬ハヤヤッコが豪快な差し切り勝ちをしたレース。先週までの3週連続GⅠ、そして来週から始まる7週連続GⅠのちょうど合間に位置する週だ。資金調達を叶えるためにも、過去10年のデータから的中を目指す。
末脚を重視

<アルゼンチン共和国杯 脚質別成績>
上がり3F1位【3-2-3-2】勝率30.0%/連対率50.0%/複勝率80.0%
上がり3F2〜5位【6-6-4-27】勝率14.0%/連対率27.9%/複勝率37.2%
同年の重賞で「上がり3位以内かつ4着以内」あり
【7-5-5-28】勝率15.6%/連対率26.7%/複勝率37.8%
→上記を2500m以下の重賞で記録
【6-5-5-22】勝率15.8%/連対率28.9%/複勝率42.1%
直線の長い東京らしく、末脚と着順の相関が強い。上がり3F順位で見ると、1位が【3-2-3-2】複勝率80.0%と飛びぬけて良く、2〜5位が【6-6-4-27】で同37.2%(2〜5位の中では大きな差がない)。そして6位以下【1-2-4-99】同6.6%とハッキリ分かれている。そのため過去にも速い上がりを使えた馬を探すのが基本 方針となる。
「同年のJRA重賞で上がり3位以内を出した馬」は【8-5-5-48】複勝率27.3%、その際に4着以内だと【7-5-5-28】同37.8%。それを記録したのが2500m以下の重賞だと【6-5-5-22】同42.1%まで信頼度が高まる。昨年のハヤヤッコ(10番人気1着。同年金鯱賞で上がり3位の4着)が該当するほか、過去10年で該当馬が馬券に絡まなかった年は1度しかなく、1〜3着独占が3回ある。
今年は「同年の重賞で上がり3位以内」を満たすのがギャラクシーナイト、シュトルーヴェ、ショウナンアデイブ、ディマイザキッド、ボルドグフーシュ、ワイドエンペラーの6頭。「4着以内」という条件を含めるとショウナンアデイブ、ディマイザキッド、ボルドグフーシュの3頭となる。要警戒だ。
一方、同年OP・リステッドについて同様のデータを調べても、こちらは同じようにはいかない。上がり3位以内を出していた馬は【2-2-1-33】複勝率13.2%。4着以内に絞っても【2-2-0-28】同12.5%と厳しい。好走4頭のうち3つは前述の「重賞で上がり3位以内かつ4着以内」も満たしていた。重賞実績がない馬の好走例は乏しく、ニシノレヴナントやスティンガーグラスなどは強調しづらい。
重賞で上がり3F2位、1位の脚に期待
◎ディマイザキッド
3歳時にはジャスティンミラノ、ジャンタルマンタルが出走した共同通信杯で4着、11月の2勝クラスでアドマイヤマツリ(後に福島牝馬Sを勝利)の2着など東京で実績を残した。
オープン入り後にも重賞4着が2回。上がり3Fは2位、1位と末脚を発揮できている。残りの一戦は新潟大賞典8着だが、この時の新潟は外有利であり、2枠から内の方を走るのではきつかった。差し決着ならば上位を目指せる力はあり、このレースにぴったりだ。
初の2500m戦ではあるが、先行脚質でないぶん心配は少ない。斤量も重賞実績の割には手ごろであるのも嬉しいポイントだ。前走と同じGⅡでもメンバーレベルが落ち着く今回は3度目の正直で馬券圏内に入れる。
◯シュトルーヴェ
去勢明けの24年2月から3連勝。同コースの目黒記念では唯一32秒台の脚を使い、前残りの決着を4角10番手から差し切った。
その後は馬券に絡めていないが、GⅠの3連戦はメンバーレベルの問題、ダイヤモンドSは3400mの距離が長い印象を受けたが、3着までは0.1秒差。札幌記念は稍重の洋芝という特殊条件で悲観するものではない。実力が落ちたわけではないだろう。重賞勝利経験がある舞台に戻り、前進は間違いない。
▲ローシャムパーク
大阪杯、BCターフでクビ差の2着があり、重賞2勝と実績はメンバー内でピカイチ。3走前の有馬記念もGⅠ馬6頭に次ぐ7着、着差的にも悪くない結果だった。宝塚記念は大敗したが特殊な競馬で度外視可能と考えている。現に11着レガレイラ、14着アーバンシック、17着ヨーホーレイクなど大敗馬もその後結果を出した。
ただし今回はノドの手術明けかつ、効果が半信半疑。絶対的な信頼はできず、軸にはしなかった。
以下ボルドグフーシュ、ワイドエンペラー、スティンガーグラスまで印を回す。馬券は◎単勝、◎-◯ワイド、◎-◯-4頭の3連複で勝負する。
▽アルゼンチン共和国杯予想▽
◎ディマイザキッド
◯シュトルーヴェ
▲ローシャムパーク
△ボルドグフーシュ
×ワイドエンペラー
×スティンガーグラス
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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