【アルゼンチン共和国杯】重賞2勝シュトルーヴェ、目黒記念2着ホーエリートは消し ハイブリッド式消去法
久保田大五郎

ⒸSPAIA
5つのデータから絞れた馬は?
今週はJRAでのGⅠレースがお休み。来週のエリザベス女王杯からは年末の有馬記念まで大レースが続くため、これが2025年最後の「GⅠがない週末」となる。
平地で3重賞が組まれているが、その中からアルゼンチン共和国杯を予想する。いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。
なお、登録のあるレーベンスティールはマイルCSに向かうことが発表されているため、この馬を除いた18頭を対象とする。
『前走10着以下』×『前走GⅠ以外』★0.0%★
まずは例によって直近の成績が悪い馬から消していく。このレースでは前走10着以下馬が【1-0-0-36】複勝率2.7%と苦戦している。唯一巻き返したのは天皇賞(春)10着から参戦した21年勝ち馬オーソリティ。GⅠでの大敗だけは辛くも許されるようだ。
前走でGⅠ以外に出走し、2桁着順に敗れた馬は【0-0-0-31】。馬券圏内はゼロ。4着と5着が1回ずつ、残りは全て掲示板外という惨状だった。
このデータで6頭が消去となる。かつては菊花賞と有馬記念で2着に入ったボルドグフーシュも京都大賞典(GⅡ)10着からの参戦でアウト。長期休養以降はなかなか本来の走りが戻っておらず、消耗戦巧者で東京が向くイメージはない。すっぱり消してしまおう。
【今年の該当馬】
・サスツルギ
・ショウナンアデイブ
・セレシオン
・プラダリア
・ボルドグフーシュ
・メイショウブレゲ
『6歳以上』×『前走2000m以下』★0.0%★
続いては年齢を見る。アルゼンチン共和国杯は過去10年で3歳馬が2勝、4歳馬が5勝を挙げるなど若い馬が好調。逆に6歳以上の高齢馬は【2-4-1-60】複勝率10.4%といまひとつだ。
6歳以上のなかでも「前走2000m以下」だった馬は【0-0-0-16】と馬券に絡めていない。高齢馬の好走例はオールカマーや京都大賞典などの2200~2500m重賞、あるいは札幌芝2600mからのローテがほとんどだった。
ここで新たに4頭が脱落する。昨年同コースの目黒記念を勝ったシュトルーヴェも消去となった。近況が振るわないなか、過去のGⅡ連勝実績から今回も斤量59kgを背負わされる。文字通り、荷が重い。
【今年の該当馬】
・ギャラクシーナイト
・シュトルーヴェ
・(ショウナンアデイブ)
・(セレシオン)
・ボーンディスウェイ
・ワイドエンペラー
『今回斤量増』×『前走斤量57kg以下』★0.0%★
今度は斤量に注目する。このレースはハンデ戦だが、58kg以上を背負った馬の成績は【2-1-1-12】複勝率25.0%と別に悪くない。データ的には「重いこと」より「増えること」のほうが問題。前走比で斤量増になる馬は【0-1-1-24】同7.7%と低調だ。
特に「前走斤量57kg以下」から増えると【0-0-0-24】。元から58kgを背負っていたような馬が今さら0.5kgや1kg増えても大丈夫だが、それ以外のパターンは人気馬でも消し(→1~3番人気【0-0-0-7】)と判断できる。
今回は斤量増での出走となる馬が7頭おり、そのうち前走が57kg以下だったのは下記の5頭。オールカマーを55kgで5着だったホーエリートはわずか500グラムながら斤量が増える。ささいな問題という気もするが、データに従って消しとする。
【今年の該当馬】
・ニシノレヴナント
・(プラダリア)
・ホーエリート
・(ボルドグフーシュ)
・ミステリーウェイ
『父ディープインパクト系』×『ノーザンファーム生産馬』★0.0%★
次に血統傾向を使って絞り込む。このレースと相性がよくないのは「父ディープインパクト系」の馬たち。その成績は【1-1-1-28】複勝率9.7%で、複勝回収率もわずか22%とさっぱりだ。
さらに驚くべきことに「ノーザンファーム生産馬」が【0-0-0-18】とまさかの全滅だった。この連載では「非社台、非ノーザン」を消去データに絡めることが多いが、今回は珍しく逆の傾向が表れている。
ノーザンF生産、キズナ産駒のスティンガーグラスが消えた。これまで5勝を挙げているが、内訳は中山で3つ、新潟内回りでひとつ、札幌でひとつ。勝った時の上がりはいずれも35秒以上を要している。目黒記念11着が物語る通り、本質的に東京の切れ味勝負に向く馬ではない。
【今年の該当馬】
・(ショウナンアデイブ)
・スティンガーグラス
『前走上がり4位以下』×『今回7番人気以下』★1.5%★
ここまでで14頭が消去済み。かなり順調に絞れてきた。最後は当日の単勝オッズが絡むデータを紹介して仕上げる。
掛け合わせるのは前走の上がり3F順位。「前走上がり4位以下」の馬が、アルゼンチン共和国杯で7番人気以下の低評価だと【0-0-1-67】複勝率1.5%。大半が馬券外に敗れていた。
残っていた4頭のうち、前走上がり4位以下なのは下記の3頭。大阪杯とBCターフで2着があるローシャムパークは6番人気以内(=消去回避)が事実上確実。格上挑戦のハギノアルデバラン、丹頂Sで5着に敗れたマイネルカンパーナは消える可能性が高い。
【今年の該当候補】
・ハギノアルデバラン
・マイネルカンパーナ
・ローシャムパーク
5つの項目を終えて、確実に残るのはディマイザキッドただ1頭。十中八九ローシャムパークも大丈夫だろう。
ディマイザキッドは昨年の共同通信杯で上がり32.5秒をマークして4着など、東京向きの鋭い末脚を持っている。前走の毎日王冠もスローペースの前残り決着をただ1頭猛追してきた。ハンデも56kgと手頃に済んだのも好材料だ。
勝負馬券は単勝と、ローシャムパーク相手のワイドにする。
《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。大のベイスターズファン。
《関連記事》
・【アルゼンチン共和国杯】複勝率35.3%の4歳馬が中心 舞台実績光るホーエリートが浮上
・騎手、種牡馬の東京巧者を徹底検証 芝はルメール騎手以外に池添謙一騎手も狙い目
・GⅡで妙味のある騎手、厩舎を東大HCが調査 “イン突き”の岩田康誠騎手は内枠で単回収率900%超え
