【みやこS】最多4項目の好データが後押し ロードクロンヌが文句なしの本命
門田光生

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「前走1番人気」が直近10回で6勝
2025年11月9日に京都競馬場で行われる第15回みやこステークス。JBC競走と同じ週に開催のため、どうしても一枚落ちのメンバーになってしまうのは仕方のないところか。それでも、過去の勝ち馬にはその後に交流重賞などで活躍する馬も多く、出世レースともいえる。
そんなみやこSにはどのような傾向があるのか。過去10回の成績を基にして検証していく。
※2018年はJBC競走が京都開催のため非開催。2014年からの10回を対象。
☆所属
栗東所属が9勝、17連対。複勝率だけは美浦所がわずかに上回っているが、勝率、連対率では栗東所属が上。ここでは栗東所属をプラスデータとする。

☆性別
同週にJBCレディスクラシックが開催されることもあって、牝馬の参戦は期間内に6頭だけ。結果はすべて着外となっている。

☆年齢
基本的には若い馬ほど好走率が高い傾向であり、3歳と4歳をプラスデータとする。これは出世レースらしい傾向といえるかもしれない。一方、8歳以上の勝ち馬はなし。7歳からは連対馬すら出ていない。

☆前走クラス
勝ち馬が出ているのは、3勝クラス、OP(リステッド除く)、GⅢ、地方の4パターン。リステッドからは馬券に絡んだ馬が出ていない。GⅡ、GⅠも同様だが、母数が5頭以下と少ないため参考程度としたい。

☆主な前走
太秦S、ラジオ日本賞、ブラジルC(OP時代)組などの好走率が高いが、今年は該当馬の出走はない。

☆前走着順
前走2着、次いで4着の成績がいい。一方、前走5着馬は勝利がない。

☆前走人気
前走1番人気の馬が6勝を挙げ、圧倒的に強い。前走2番人気馬は連対率、複勝率こそ悪くないが、勝ち馬は1頭も出ていない。

☆前走馬体重
勝ち馬は10頭とも前走馬体重が481kg以上だった。前走460kg以下の場合は、連対馬すらいない。

☆前走の位置取り
いずれかのコーナー通過順が先頭だった馬からは勝ち馬が出ていない。

☆その他
前走で1600m以下を走っていた組からは勝ち馬が出ていない。

ピックアップデータすべてに合致
出走馬のデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは以下となる。
【好走率アップ】
A「栗東所属」
B「3歳、4歳」
C「前走2着」
D「前走1番人気」
【勝ち馬なし】
E「8歳」
F「前走5着」
G「前走2番人気」
H「前走馬体重461~480kg」
I「前走いずれかのコーナー通過順が先頭」
J「前走1600m以下」
【連対馬なし】
K「牝馬」
L「7歳」
M「前走リステッド」
最初にプラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

「E~M」のマイナスデータに該当しないのは6頭。うち、プラスデータを3つ以上持っているのはロードクロンヌ(ABCD)だけだった。今回挙げたプラスデータをすべて満たしており、文句なしの本命でいいだろう。
続くのはアウトレンジ(AC)とラムジェット(AB)。ラムジェットは前例のない海外ローテでの参戦となるが、前走・コリアCでは現地で単勝1番人気に推されていた。これは本来、最も勝率の高い強データD「前走1番人気」に相当する
なお、海外オッズは集計データ外なので、プラスデータには含めていないが、1番人気に支持された事実を考慮すれば評価を下げる理由にはならない。よって、ラムジェットを対抗とする。
3番手以下は勝ち馬が出ていない「E~J」該当馬も対象として、検討していく。プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。

浮上したのはプラスデータ3つに当てはまるレヴォントゥレット(ABC)。マイナスデータは、勝ち馬が出ていないG「前走2番人気」に該当するが、連対率、複勝率は悪くない。よって、アウトレンジよりも上にとり、▲レヴォントゥレット、△アウトレンジとする。
残る1枠はプラスデータ2つのサイモンザナドゥ(AC)とスナークラファエロ(AB)から選ぶ。「B」「C」の比較で、連対率の高いC「前走2着」のサイモンザナドゥを押さえたい。
◎ロードクロンヌ
◯ラムジェット
▲レヴォントゥレット
△アウトレンジ
×サイモンザナドゥ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
自分が生きている間に、日本馬が凱旋門賞とBCクラシックを勝つことはないと思っていたが、フォーエバーヤングがやってくれました。しかも、日本人騎手に日本産。素晴らしい!のひと言です。
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