【みやこS】大舞台目指し豪華メンバー集結 波乱含みの一戦はサンデーファンデーが激走候補
勝木淳

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上位拮抗、穴馬激走も
ダート戦線はこの時期、非常に話題が豊富だ。ブリーダーズカップにJBCとビッグレースが目白押し。地方は東京大賞典も控えており、チャンピオンクラスの動向も注目を集める。
そんなスケジュールの間に入るのがチャンピオンズカップ。貴重なJRAダートGⅠに向けた戦いは、みやこステークスを経由しないケースも目立つ。ちょっと寂しい感もあるものの、GⅠ挑戦のための賞金加算の戦いも厳しい。
特にオープン特別を勝った程度の実績しかないと、GⅠもダートグレードも出走予定が立たない。まずはみやこSを勝ち、先の予定を見通したい。そんな陣営の目論見がハイレベルな戦いにつながっていく。
今回もデータは過去10年分を使用。ただし、2018年はJBC京都開催のため休止、20~22年は阪神施行だった。

これからダート戦線をのし上がっていこうとする馬たちの争いは、必ず混戦模様になる。1番人気は【2-1-1-5】勝率22.2%、複勝率44.4%と微妙で、2番人気【1-1-1-6】勝率11.1%、複勝率33.3%や3番人気【1-0-1-7】勝率11.1%、複勝率22.2%から以下もさほど変わらない数字が5番人気まで続く。
さらに7番人気【2-0-1-6】勝率22.2%、複勝率33.3%と伏兵まで横一線。9番人気【0-1-2-6】複勝率33.3%まで目を離せず、上位人気だけで組み立てるのは危険だ。

古馬勢は4歳【3-3-1-26】勝率9.1%、複勝率21.2%と6歳【2-1-1-17】勝率9.5%、複勝率19.0%が確率で一歩リード。とはいえ、5歳も【2-3-3-33】勝率4.9%、複勝率19.5%と分母が多いだけで互角。ダート重賞らしく4~6歳の差はほぼない。
7歳以上も【0-1-4-15】複勝率25.0%と、3着の数字をみれば決して軽視できない。主力世代を絞れないのはいかにもダート戦線。年齢で区切ってはいけない。
サンデーファンデーに注意
エルムステークスの1、2着ペリエールとロードクロンヌ、シリウスステークス2着サイモンザナドゥらJRA重賞好走組だけでなく、帝王賞2着アウトレンジや日本テレビ盃2着レヴォントゥレット、さらにコリアカップ3着ラムジェットなど、様々な路線から近況のいい馬が多数参戦しており、難解な一戦になりそうだ。

前走地方は【1-1-2-21】勝率4.0%、複勝率16.0%で、昨年サンライズジパングが勝利を挙げている。アウトレンジはもちろん、レヴォントゥレットも日本テレビ盃はフォーエバーヤングの2着。春には平安ステークス3着の実績を残しており、もう重賞タイトルに手が届いてもおかしくない。

前走重賞組は前走GⅢ【2-3-4-36】勝率4.4%、複勝率20.0%に注目。まず前走シリウスSは【1-1-2-14】勝率5.6%、複勝率22.2%のうち2着【0-0-0-4】で、凡走組の巻き返しが目立つ。
さらに阪神開催のシリウスSに限れば【0-1-0-8】複勝率11.1%と下降する。サイモンザナドゥは阪神開催の好走で強気になれないが、京都ダートは【1-2-2-4】と3勝クラスで好走しており、舞台は合う。
狙い目の凡走組では5着ブライアンセンスに注目。こちらも京都でオープン勝ちがあり、巻き返しムードだ。
前走エルムSは【1-1-0-11】勝率7.7%、複勝率15.4%で、こちらは2、3着が【1-1-0-1】で好走が条件。1着馬は出走自体がなく、上位馬は候補に残したい。距離が延びるという視点でみると、ロードクロンヌの逆転にかけたくなる。

前走OP・L【5-4-3-30】勝率11.9%、複勝率28.6%は距離に注目する。前走1800m未満からの延長が【0-0-0-6】と揮わず、同距離と短縮はほぼ互角の数字を残している。
今年は名古屋城ステークス3着サンデーファンデーが面白い。脚質は極端だがハマったときは強く、穴馬タイプでもある。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『もう一つの引退馬伝説2 関係者が語るあの馬たちのその後』(マイクロマガジン社)に寄稿。
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