【アルゼンチン共和国杯】血統データに攻略のカギ “ロベルトの血”が古豪復活の引き金に
逆瀬川龍之介

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攻略のカギは「血統別成績」
アルゼンチン共和国杯は平穏な決着がある一方、大波乱も珍しくない難解な一戦だ。昨年は白毛のハヤヤッコが10番人気の低評価を覆して差し切り。3連単23万円超えの高配当となったシーンを覚えているファンは多いだろう。
では、そんなレースの効果的な攻略法はないものか。そこで直近10回を振り返ると、血統別の成績にいくつかの面白い傾向があることが分かった。順番に紹介しつつ、今年の激走候補をピックアップしたい。
■父or母、もしくは両方がロベルト系
非根幹距離の2500mという特殊舞台ゆえだろうか、アルゼンチン共和国杯ではロベルト系が幅を利かせている。
父母のいずれか、もしくは両方がロベルト系の馬は【4-4-4-20】の勝率12.5%、複勝率37.5%。出走があった9年中7年で馬券に絡んでいるのだ。
21年に至っては該当3頭でワンツースリーフィニッシュを果たし、3連単は1万930円の好配当だった。昨年は該当4頭で最先着が4着と期待を裏切ったものの、だからこそ今年は“反発”を期待したい。
■5番人気以内のハーツクライ産駒
血統通の間では「東京芝2500m重賞はハーツクライを狙え!」は常識かもしれない。実際、当舞台の目黒記念とアルゼンチン共和国杯ではハーツクライ産駒が好成績だ。ただ、人気薄も好走している目黒記念に対し、アルゼンチン共和国杯では人気馬しか走っていない。
直近10年を見ても、馬券に絡んだハーツクライ産駒5頭は全て5番人気以内【2-2-1-4】複勝率55.6%だったので、伏兵を無理に狙うことは避けよう。
■「母の父」ディープインパクト系
芝中距離重賞で圧倒的な存在感を放っている「父」ディープインパクト系だが、アルゼンチン共和国杯は相性が悪い。直近10年では【1-1-1-28】の勝率3.2%、複勝率9.7%。3番人気以内に推された馬が6頭もいただけに、物足りないと言わざるを得ない。
ただ、意外にも「母の父」ディープインパクトは【0-1-3-4】の複勝率50.0%と好成績。馬券に絡んだ4頭の人気は(古い順に)6番人気→3番人気→4番人気→6番人気だったので配当妙味もある。しっかりとチェックしておきたい。
相性抜群「ロベルト系種牡馬」を信頼
上記血統傾向のうち「父ロベルト系」に該当するボルドグフーシュを本命に推す。
ロベルト系種牡馬の中でも、スクリーンヒーロー産駒はアルゼンチン共和国杯と抜群の相性を誇る。父自身が08年の勝ち馬なら、産駒も延べ6頭が出走して【1-2-1-2】の勝率16.7%、複勝率66.7%と好成績だ。したがって、迷わず買いでいい。
ボルドグフーシュは直近3戦がオール8着以下とあって人気を落としそうだが、春の2戦はともにGIだったので参考外。休み明けだった前走の京都大賞典では、10着とはいえ0秒6差に健闘しているので、立ち回り一つで上位争いに加われる。
馬券は馬連と3連複の流しで勝負。上記の母父ディープインパクトであるシュトルーヴェを絡めて厚く買いたい。以下、スティンガーグラス、ディマイザキッド、ニシノレヴナント、ホーエリート、マイネルカンパーナ、レーベンスティール(※マイルCSに向かうとの発表あり)、ローシャムパークまで手広く流す。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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