【天皇賞(秋)】1番人気信頼、昨年激走した馬にも注目 東大HCの本命はマスカレードボール

東大ホースメンクラブ

単勝オッズ4.0~59.9倍の条件別成績績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

秋の盾を巡る争い

日曜日、東京競馬場でGⅠ・天皇賞(秋)が行われる。春のグランプリ宝塚記念を逃げ切ったメイショウタバルや、前走香港でGⅠ・2勝目を挙げたタスティエーラ、ヴィクトリアMで2、3着だったクイーンズウォークとシランケド、そして3歳から皐月賞馬ミュージアムマイル、ダービー2着のマスカレードボールが出走する。

直近5年はこのレースの勝ち馬が年度代表馬になった。メンバーが集まりやすいレースであり、今年も豪華な顔ぶれが揃った。果たして秋の盾を手にするのはどの馬か。過去10年のデータから検討する。

GⅠで人気に推された経験、前走毎日王冠組を警戒

天皇賞(秋)、単勝オッズ4.0~59.9倍の条件別成績績,ⒸSPAIA


<天皇賞(秋) 単勝オッズ4.0〜59.9倍の馬の成績>
前走JRA・GⅠ
【0-6-3-16】勝率0.0%/連対率24.0%/複勝率36.0%
直近1年のJRA・GⅠで2番人気以内あり
【0-5-5-20】勝率0.0%/連対率16.7%/複勝率33.3%
前走毎日王冠
【0-1-5-15】勝率0.0%/連対率4.8%/複勝率28.6%

天皇賞(秋)は人気馬が期待に応えることが多く、単勝オッズ4倍未満の馬が【10-1-1-3】と勝ち星を独占。単勝回収率はもちろん、複勝回収率も100%を超えている。なお、4.0〜4.9倍は【0-1-1-5】、5.0〜6.9倍は【0-0-0-3】と一気に好走率が落ちる。今回は上位人気が混戦模様だが、4.0が一つのラインとなりそうだ。

一方、馬券圏内に入った馬で最もオッズが高かったのは17年レインボーライン(単勝オッズ59.6倍、3着)だった。今回はこの単勝オッズ帯(4.0〜59.9倍)の馬のデータから取捨を考えてみたい。

過去10年で80頭が該当し、全体成績が【0-9-9-62】複勝率22.5%。前走クラス別ではJRA・GⅠが【0-6-3-16】複勝率36.0%、複勝回収率134%でトップだ。

また、前走を問わず「直近1年以内のJRA・GⅠで2番人気以内に推された経験」があると【0-5-5-20】複勝率33.3%で、半数以上が4着以内に来ている。ミュージアムマイル、アーバンシック、ブレイディヴェーグが該当する。

前走GⅡは【0-3-6-37】複勝率19.6%と好走率が低下する。好走例があるのは札幌記念【0-2-1-10】と、毎日王冠【0-1-5-15】のみ。毎日王冠組は24年ホウオウビスケッツ(8番人気3着)や19年アエロリット(6番人気3着)、18年キセキ(6番人気3着)など、距離延長にもかかわらず逃げ馬が粘ったケースが複数ある。ホウオウビスケッツにも警戒が必要だろう。

最後にGⅢは【0-0-0-4】。ただし今年は新潟記念が別定戦となり、2着エネルジコが次走菊花賞を勝つなどメンバーが揃っていた。新潟記念組をこのデータだけで消すことはできない。

3歳、1番人気、C.ルメールを素直に信頼

◎マスカレードボール
ホープフルSを除いて全て3着以内。特に東京は共同通信杯1着、ダービー2着を含む【2-1-0-0】と得意の舞台だ。過去10年でアイビーS勝ち馬は【1-0-1-2】、共同通信杯勝ち馬は【1-1-3-6】。天皇賞(秋)とつながるレースを勝ってきた。

鞍上は過去10年で5勝、目下GⅠ連勝中のC.ルメール騎手。おそらく4倍を切る1番人気となるだろう。過去にこのレースを勝った3歳馬に並ぶほどのパフォーマンスをしてきたかやや疑問符ではあるが、逆にこれまでのデータを覆すほど下げる要因もない。◎評価が妥当だろう。

◯ホウオウビスケッツ
昨年のこのレースは8番人気ながら3着に逃げ粘った。その後は崩れたレースもあるが、金鯱賞でタイム差なし2着、大阪杯5着など結果は残している。今年も昨年と同じく毎日王冠2着からのローテーション。前走はサトノシャイニング(皐月賞5着、ダービー4着)に抜かれず粘った。3歳世代上位の馬に先着しているのは大きい。

今年はメイショウタバルの逃げが予想され、昨年のスローペースとは性質の異なるレースとなりそうだが、金鯱賞では58秒2-63秒1(重馬場)のレースを経験しており対応できる。狙ってみたい。

▲ミュージアムマイル
今年の皐月賞馬で、その際にマスカレードボールを0秒3差離している。ダービーは後方でレースを運んだが、前を捉えきれず6着。さらに後ろから5着に入ったエリキングは菊花賞でも2着と好走した。元々33秒前半の脚を使ったことがなく、瞬発力勝負は分が悪い。スローの2400mは距離も含め適性外だった。

前走のセントライト記念ではしっかり勝利。着差は0秒1だが、外を回ったことも考えれば快勝と言っていい。上がり3Fは34秒1、メンバー中2位だった。今回はペースが締まる想定で、上がり33秒台が簡単に出るようなレースではないと見る。それならばここでも好走できるだろう。

以下ブレイディヴェーグ、タスティエーラ、クイーンズウォークまで印を回す。馬券は◎軸の3連複で勝負する。

▽天皇賞(秋)予想▽
◎マスカレードボール
◯ホウオウビスケッツ
▲ミュージアムマイル
△ブレイディヴェーグ
×タスティエーラ
×クイーンズウォーク

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

《関連記事》
【天皇賞(秋)】過去10年のレースデータ
【天皇賞(秋)】古馬代表メイショウタバルに挑む3歳馬 マスカレードボールは実績、臨戦とも文句なし
騎手、種牡馬の東京巧者を徹底検証 芝はルメール騎手以外に池添謙一騎手も狙い目