【天皇賞(秋)】唯一の“割引材料なし” ホウオウビスケッツを本命視 相手筆頭はクイーンズウォーク
門田光生

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「前走1番人気」が圧倒的
2日に東京競馬場で行われる第172回天皇賞(秋)。11月開催の天皇賞(秋)は珍しいように感じたが、調べてみると、2000年以降で6回(2003、08、09、14、15、20年)もあった。「天皇賞(秋)は10月最終週」というのは個人的な思い込みだった。
年を取ると、視野が狭くなるというか、一方通行になることが多いので気をつけたい。ちなみに、11月に行われた6回の共通点はないかと探したところ、1番人気か5番人気しか勝っていなかった。参考までに。
そんな天皇賞(秋)にはどのような傾向があるのか。今回も過去10回の成績を基にして検証していきたい。
☆所属
美浦所属馬が7勝(10連対)、栗東所属馬3勝(10連対)。連対数は同じだが、勝率、連対率、複勝率で美浦所属馬が大きく上回っている。

☆性別
牝馬で連対したのは2019年、2020年と連覇したアーモンドアイだけ。アーモンドアイほどの実力がないと、牝馬で勝つのは難しいのかもしれない。

☆年齢
勝率では3歳馬、連対率では4歳馬がトップ。3歳で馬券に絡んだ馬は、すべてダービーからの直行組だった。
ほか、連対馬が8頭出ている5歳馬も悪くはない。一方、6歳以上になると、すべて馬券圏外となっている。

☆前走クラス
馬券に絡んでいるのは、前走が国内GⅠかGⅡの馬のみ。実にシンプルである。GⅡ組より(国内)GⅠ組の方が、好走率で大きく上回っている。

☆主な前走
連対数では宝塚記念組が5連対で最多。勝率ではダービー組が40.0%と最も高い。

☆前走着順
前走2着馬が勝率、連対率、複勝率のすべてで高水準。一方、前走4着、5着から連対した馬はいない。ほか、前走10着以下からは勝ち馬が出ていない。

☆前走人気
前走1番人気馬が9勝と圧倒的であり、続く前走2番人気馬も連対率28.6%、複勝率47.6%と優秀な数字をマークしている。一方、前走3番人気以下は勝ち馬なし。このうち、5番人気、7番人気以下は連対馬も出ていない。

☆馬主(社台系クラブ)
多くの出走馬を送り出す社台系クラブオーナーの成績では、出走6頭で4勝を挙げるシルクレーシング、連対馬4頭、連対率33.3%のキャロットファームが優秀。対して、サンデーレーシングからは勝ち馬なし、社台レースホースからは連対馬が出ていない。

☆前走馬体重
勝ち馬10頭とも前走馬体重が481kgを超えていた。

☆その他
前走で1.4秒以上負けていた馬から勝ち馬が出ていない。また、栗毛の馬は計24頭出走しているが、なぜか1頭も馬券に絡んでいない。秋は栗の季節、というのは全く関係ないようである。

すべてのマイナスデータを回避したのは1頭だけ
天皇賞(秋)のデータをまとめてみよう。登録馬に該当するデータは以下となる。
【好走率アップ】
A「美浦所属」
B「前走ダービーの3歳or4歳」
C「前走国内GⅠ」
D「前走2着」
E「前走1、2番人気」
F「シルクレーシング、キャロットクラブ所属」
【勝ち馬なし】
G「前走10着以下」
H「前走3、4、6番人気」
I「サンデーレーシング所属」
J「前走馬体重480kg以下」
K「前走1.4秒以上負け」
【連対馬なし】
L「6歳以上」
M「前走国内GⅠ、GⅡ以外」
N「前走4着」
O「前走5番人気、もしくは7番人気以下」
P「社台レースホース所属馬」
Q「栗毛」
最初に、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

今年の天皇賞(秋)は、登録の段階でフルゲート割れが決定。そして、連対馬が出ていないL~Qに該当しない馬は、クイーンズウォーク、ホウオウビスケッツ、ミュージアムマイル、ロードデルレイの4頭しか残らなかった。
このうち、勝ち馬が出ていないG~Kを持たないのはホウオウビスケッツだけ。「ADE」と3つのプラスデータにも該当していることから、本命を打つ。
続いて、相手探し。プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。

前述の通り、残る相手候補はクイーンズウォーク(BCD)、ミュージアムマイル(E)、ロードデルレイ(C)のみ。この3頭に順番付けをしていく。相手筆頭は、プラスデータ3つのクイーンズウォークでいいだろう。
残った2頭のデータ比較では、連対率が上から2番目のE「前走1番人気」のミュージアムマイルが上。過去10年、3歳馬は前走ダービー組しか馬券に絡んでいない点は不安だが、そもそも同組以外の3歳馬はサンプルが少ない。通用する可能性は十分秘めているはず。3番手がミュージアムマイル、4番手はロードデルレイとする。
ほか、惜しいのは勝率40.0%の前走ダービー組で、プラスデータ4つのマスカレードボール。連対馬の出ていない社台レースホース所有馬【0-0-2-7】だから基本はノーマークだが、4頭しか印候補がいないことや、最多タイのプラスデータ4つであることから、3連系馬券の候補として加えておく。
同じくプラスデータ4つのアーバンシックは、馬券絡みが一切ないQ「栗毛」【0-0-0-24】に該当しており、こちらは見送りとしたい。
◎ホウオウビスケッツ
◯クイーンズウォーク
▲ミュージアムマイル
△ロードデルレイ
×マスカレードボール
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
家のポストに、某デリバリーアプリのチラシが入っていて、初回限定で5000円以上がタダになるという太っ腹なクーポンがついていた。せっかくだから使ってみようかと思ったが、1回の限度額が設定されていることが判明。うまいことできてますわ。
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